- 著者
-
小澤 正直
- 出版者
- 一般社団法人日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.5, pp.349-353, 2009-05-05
伏見先生は,"studies on the Foundation of Quantum Mechanics.I"(1937年)と題された論文において,現在,オーソモジュラー法則と呼ばれている,量子論理で普遍的に成立する基本的論理法則を発見された.これは,1960年代になって,当初,フォン・ノイマンによって基本的論理法則として提唱され,研究が進められたモジュラー法則に取って代わり,現在に至るまで量子論理研究の中心課題とされている.本稿では,バーコフとフォン・ノイマンが発見した量子論理の意義,モジュラー法則からオーソモジュラー法則への転換の背景,及び,この分野の発展と現状を概説する.