著者
瓜巣 由紀子
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.53, pp.21-48, 2015-08

わが国では、社会的養護を必要とする児童が増加している。しかしながら、社会的養護の施設の区分には、障害児でありかつ被虐待児である児童が利用する施設である障害児入所施設が含まれていない。障害児でありかつ被虐待児の児童については、児童福祉法に規定される同じ「児童」でありながら、施策の適用の違い、児童福祉施策の対象あるいは障害児施策の対象となるのかにより、施設への入所制度に矛盾があるのが現状である。 そこで本論文では、児童福祉施策と障害児施策の視点から社会的養護の現状と課題について考察した。その考察からわが国の社会的養護は被虐待児をその主たる対象とし、障害児であり被虐待児についての視点は乏しいものであるという知見を得た。この社会的養護の課題解決のため、わが国の「すべての児童」を対象とした政策立案を形成するシステムの構築について提言した。
著者
岩本 裕子 イワモト ヒロコ Hiroko Iwamoto
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.32, pp.81-109, 2004-06

In Hollywood movies the images of Japan, Japanese or Japanese culture have been misunderstood. There were so many stereotypes of us. The movie, "The Last Samurai" is showing Meiji-period, the epoch of Japanese history, which was the term changing our culture through Western civilization. That was not exceptionally stereotyped. The Director of "The Last Samurai," Edward Zwick, was very impressed by the movie, "Seven Samurai," by Director Akira Kurosawa. Mr. Zwick also studied Japanese history and culture from Professor Reishauer at Harvard University. The movies before "The Last Samurai" were as follows: "Glory", showing the first black troops of the Civil War, Massachusetts # 54 troop; "Legends of the Falls", showing the family in Montana at the turn of the 20th Century, whose father was the Colonel of the Custer's Seventh Cavalry; "Courage under Fire", showing the Gulf War, operation 'Desert Storm', in which there were friendly fire among the US Army. This movie was the first one in Hollywood showing the Gulf War.; "The Siege", showing the relationship between the Islamic terrorists and NYPD, FBI, CIA. This movie was like a kind of imaginary scene of 'September 11th'. Director Zwick has developed the views to see the World affair. He has studied the history of minorities all over the world. He tried to make motion pictures of minorities from a world point of view.
著者
中村 泰治 ナカムラ ヤスハル Yasuharu Nakamura
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.42, pp.1-17, 2010-01

信用創造を行うのは商業銀行の大きな特徴であるが、銀行信用の基礎をなす商業信用ですでに信用創造的事態を見て取ることができる。そこで商業信用から銀行信用までを信用創造の発展論として説き、銀行の本質を信用創造機関として説く試みも行われている。しかし、個人の商業銀行の行う信用創造には狭い限界があり、信用創造は大きなものにはならない。したがって、個人の銀行の基本業務は、一方で資金を集め他方で資金を貸し出す金融仲介であり、個人銀行にとって信用創造は基本業務を増幅する二次的業務にとどまるのである。
著者
横手 逸男 ヨコテ イツオ Itsuo Yokote
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.39, pp.127-144, 2008-07

「皇室典範に関する有識者会議」は、皇位継承資格を「男系の男子」だけでなく「女子や女系の皇族に拡大することが必要である」との報告を平成17(2005)年11月24日に行った。これについては、当該報告を支持する意見がある一方で、125代にわたって男系により継承されてきた皇室の歴史や伝統を無視するものであるとの反対意見がさまざまな識者により表明された。その後、悠仁親王のご誕生という新たな動きにより、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案の国会提出は見送られた形になった。悠仁親王のご誕生により、男系男子の皇位継承者がいなくなる事態はひとまず解消されたが、皇太子の次の世代に男子が1人という現在の状況においては「安定的な皇位継承」が確保されているわけではない。皇位継承問題や皇室典範の改正については十分な検討が必要である。
著者
五十嵐 裕子 イガラシ ユウコ Yuko Igarashi
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.46, pp.45-68, 2012-02

日本の折り紙のはじまりは神事や贈答儀礼に用いられる「儀礼折り紙」であった。江戸時代になると、折り紙は礼法や決まりから離れ、折り方そのものを楽しむ「遊戯折り紙」がおとなの遊びとして広まった。江戸時代中期には、それまで祖母や母から女子の躾として伝承されていた折り紙が、「子どもの遊び」となり普及していくようになる。一方西欧では、フレーベルが子どもの創造的活動衝動を自由に表現するための「作業具」の1つとして、折り紙を位置づけた。フレーベルの教育理論を導入した日本の幼稚園でも折り紙は保育教材として採用されたが、フレーベルが折り紙に込めた教育的意図は理解されないまま、折り紙はやがて保育教材・教具から放逐されていった。しかし折り紙遊びはその後も現代に至るまで家庭や幼稚園、保育園で子どもたちに親しまれている。折り紙あそびの普遍的魅力を再考し、折り紙の教材的価値や折り紙遊びにおける子どもへの適切な援助に関する研究が望まれる。
著者
福田 健一 フクダ ケンイチ Kenichi Fukuda
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.45, pp.1-15, 2011-08

本稿では、雇用における女性保護を男女雇用機会均等法の旧法と新法との比較を中心に論じていくことにする。雇用における女性保護は1972年(昭和47年)に「勤労婦人福祉法」が制定、施行されて保護が拡大していった。国連で成立した女子差別撤廃条約を批准するために1985年(昭和60年)に男女雇用機会均等法が制定、施行された。法律の制定にあたって、旧来とは異なった考え方を取り入れていった。また、それらの考え方も労働基準法にも反映されて妊婦の育児時間、出産前後の育児休暇の規定なども取り入れられた。しかし、この均等法が施行されたが女子差別撤廃条約を批准したことと、1985年(昭和60年)が国連で規定した「女性の10年の最後」の年にあたるためによく議論、検討を重ねて制定、施行したとは言いがたい。なぜなら、多くの「努力目標」があり司法、行政などにより企業が違反してもそれに強制力を持って解決できないようになっている。これでは男女雇用機会均等法の現実的な運用に限界があると言わざるをえない。だから、その後の1999年(平成11年)、2007年(平成19年)の改正で企業の禁止項目を増やし、男女平等を基本としながらも女性保護を進めてきた。少しずつ改善されてきているが現状としては、社会の指導層の中の女性の比率は依然として低いままである。どうして、いまだにそういう状況が継続しているのか。アメリカやカナダの事例も含めて真の男女の雇用における平等を論じて行くことにする。
著者
田中 眞佐志 タナカ マサシ Masashi Tanaka
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.52, pp.71-84, 2015-02

日本文化は、激しい外圧とじっくりとした内燃(著しく外国の影響を受けた外圧の時期と、後世「日本的」と形容される特質を醸成するいわば内燃の時期)を繰り返しながら形成されてきた。後者の代表が室町文化・江戸文化である。従来、江戸時代の文化史的区分は、元禄期(17世紀後半~18世紀初期)を中心とする前期と文化文政期(19世紀前半)を中心とする後期の二分法が行われ、18世紀(1720年代~89年=享保~宝暦~天明)は2つの文化の谷間と捉えられてきた。本論はこの谷間の時期=享保~宝暦~天明期を上方文化と江戸文化が融合する、いわば江戸文化のピークと捉え、その転換点を明暦の大火後の都市造りに求めた。そして、江戸が城下町ではなく、巨大都市に発展しながら、独特の精神的価値基準を有する江戸の町人社会が形成されていったことに照準し、江戸時代の前半と後半の幕府政治・経済社会構造の根本的相違を俯瞰しながら、江戸時代にまつわる誤解を提起・修正した。
著者
高松 節子 タカマツ セツコ Setsuko Takamatsu
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.37, pp.75-129, 2006-12

この論文では、先ず通時的な異分析の意味を明らかにしていく。Jespersenの異分析論を整理し、更にこれらの例に関する他の解釈を調べる。逆成、民間語源、意味構文についての考察をする。次に幼児の聞き誤りと異分析について調べる。Jespersenは幼児の聞き誤りが通時的な異分析につながると指摘した。通時的異分析は、語をはじめて学ぶ者による聞き誤りによっておこされると理解される。固定しない幼児の聞き誤りは共時的異分析といってよい。最後に郡司の異分析論を調べる。郡司はことばが現実よりも操作しやすいという事実を指摘している。そのことが思うままにことば遊びができることにつながる。これは歴史的な語の変化につながらないが、共時的な異分析と理解してよい。郡司はことばを用いる歴史の中において分析能力を備えることと、異分析感覚の発達は重要なことであると説明している。ことばを分析することが出来たから文字をもつことが出来、文字を用いることが異分析能力を発達させた。ことばによって新鮮な表現をする意図が異分析であると理解される。
著者
田中 泉 タナカ イズミ Izumi Tanaka
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.38, pp.95-104, 2008-03

雑誌『赤い鳥』に投稿された童謡作品の選定を通して、「童謡」というジャンルにおさまらない「自由詩」を見出し、学齢期の児童に向けて自由詩の創作を奨励した北原白秋は、その流れの中で幼児の詩にも注目するようになった。白秋は幼児の詩について、「童謡」と「自由詩」両方の特質があるとみなし、幼児の発話は自然と歌謡の調子を帯びるものであるととらえている。本稿では、幼児詩の具体例として白秋の長男・隆太郎の詩をとりあげ、幼児の詩にみられる歌謡性が、音声言語の発達過程にある幼児の発話にみられる「繰り返し」という特質と関連するものであることを指摘した。
著者
五十嵐 裕子 イガラシ ユウコ Yuko Igarashi
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.38, pp.71-94, 2008-03

高度経済成長期以降、子育て機能は家族から外部化、社会化され、ケアワーカーである保母(現保育士)によって部分的に代替されるようになったが、依然として乳幼児の子育ての大部分は専業主婦の母親の手に委ねられてきた。しかし1990年代に入ると、在宅で子育てをしている母親の育児不安やストレスが顕在化し、政府は次世代育成支援対策として、在宅での子育てを支援する「子育て支援」という、新しい形の「子育ての社会化(再社会化)」を打ち出した。本稿ではこのような子育てをめぐる状況、施策の変遷をたどり、新たな「子育ての再社会化」の下、保育士の専門性として、保育というケアワークの知識・技能とともに新たにソーシャルワーク的機能が求められていることを明らかにし、その専門性を担保する一つの例として、カナダにおける子育て支援者(家族支援者)の養成カリキュラムについて紹介した。
著者
菅野 陽子 五十嵐 裕子 丸谷 充子 大久保 秀子/ 船木 美佳 柴田 崇浩 スガノ ヨウコ イガラシ ユウコ マルヤ ミツコ /オオクボ ヒデコ フナキ ミカ シバタ タカヒロ Yoko Sugano Igarashi Yuko /Maruya Mitsuko /Okubo Hideko Funaki Mika /Shibata Takahiro
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.51, pp.25-50, 2014-08

浦和大学こども学部内にある親子のひろば「ぽっけ」(以下「ぽっけ」と記す)を通じた学生教育への取り組みは2013年4月で7年目を迎えた。すでに「こども理解と観察」の授業や「ぽっけ」への自由参加、インターシップの実施などの継続的な積み上げがある。さらには、Nobody's Perfect(以下NP)講座や「My Own Time-おにいさんとおねえさんと遊べるタイム-」において保育体験を提供することが学生の学びにとって有効であり、親子にとってもともに成長する機会となっていることが先行研究にて明らかになった。 今回はこれらの実績を踏まえて、「ぽっけ」での取り組みの教育的意義の検討を深める。そのために他大学の学内広場の活用を調査し、そのうち2つの大学の学内施設訪問と運営担当教員へのインタビューを行ったが、本研究は主にそれらの報告をもとに、「ぽっけ」の活動を通じて、子どもの成長とともに学生と親の育ちをどのように期待できるかを論じる。 Efforts for student education through'Pokke'('Pokke' henceforth)which is a Drop in–center at the Child Department of Urawa University, reached their 7th year in April, 2013. There has already been continuous buildup such as'Understanding and observing children'classes, free participation in'Pokke' and implementation of internships. Furthermore, previous research showed that it was useful for students to have childcare experience in the Nobody's Perfect(NP henceforth)course and 'My Own Time – a time when children can play with older people', and that parents and children also had an opportunity to learn through these experiences. This time we will deepen our review of the educational significance of our'Pokke' efforts on the basis of these results. For this purpose, we investigated the use of Drop in–center at other universities, visited two of them, and interviewed staff running them. In this paper, we discuss what our students can expect in development of students, parents and children through'Pokke', mainly on the basis of the reports of this study.
著者
海野 恵美子 ウミノ エミコ Emiko Umino
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.50, pp.1-29, 2014-02

本稿では、保護課が1984年に編纂した『生活保護の動向解析』で用いられた検証方法に依拠し、主に、社会保障審議会生活保護部会による2003~2013年における生活扶助基準に関する検証報告を検討した。まず、『生活保護の動向解析』の検証方法について検討し、その方法は1983年の中央社会福祉審議会の意見と殆ど同じであるということを確認した。その上で、社会保障審議会生活保護部会が行った検証を検討し、次の5つの疑問点を提示した。疑問点①:「消費者物価指数の伸びも改訂の指標の1つとして用いること」(これは、2003年の中間報告に書かれていた。)。疑問点②:一般世帯と被保護世帯の消費支出額の比較をすることなしに、生活扶助基準額を低所得世帯の生活扶助基準相当額と比較すること、疑問点③:単身世帯の消費支出構造の検証が不十分であること、疑問点④:特別控除廃止及び基礎控除見直し、疑問点⑤:最低生活費を基に、生活保護基準を最低賃金・最低保障年金と関連づけて検討しなかったこと。 今後の検証では、特に疑問点⑤を解消する抜本的な改革が期待される。In this paper,we examined reports, in which Livelihood Protection Standard had been inspected by Livelihood Protection Subcommittees of Social Security Council in 2003~2013,mainly by the method which had been used in Trend Analysis of Livelihood Protection edited by Livelihood Protection Section of the Ministry of Health and Welfare in 1984.First, we examined the method which were used in Trend Analysis of Livelihood Protection, and checked that the method were almost similar to the View of Central Social Welfare Council in 1983.Based on this, we examined reports, and posed next five questions to them written by Livelihood Protection Subcommittees of Social Security Council:Question①;to add growth rate of consumer price index to an index of the Livelihood Protection Standard (this was written in the in-between report in2003.).Question②;to compare sum of Livelihood Protection Standard with the equivalent to it in low income household,without comparison of consumption expenses with households on welfare and other households.Question③;to inspect structure of consumption expenses in single households insufficiency.Question④;to abolish Special Deduction and to reconsider Basic Deduction.Question⑤:not to relate Livelihood Protection Standard with minimum wage and minimum security pension,based on the Minimum Living expenses.In future inspections,we hope drastic reform to dissolve question⑤ specially.
著者
高松 節子 タカマツ セツコ Setsuko Takamatsu
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.35, pp.37-50, 2005-12

The Sixteen Hand Horse (Gwynne,1980) is the picture book for the youngest which depicts a little girl's visual images of her parents' talking about such things as bells that peel and a running nose. This book might be used to teach children homonyms, idioms, and also corrections and errors. At the same time, not only the youngest but also adults can enjoy its humour. At the time when this book was introduced in our Reading class of Master of Education in certain University in U.S.A. in 1982, I could not imagine that it would be a cue to the study of metanalysis. Jespersen coined the word 'metanalysis' for the phenomenon frequent in all languages that words or word-groups are by a new generation analyzed differently from the analysis of a former age. He pointed out that the child's mishearing caused metanalysis. In most cases, themselves or adults correct children's mishearings. Only a few mishearings might become general. We call this phenomenon 'diachronic metanalysis'. Gunshi's theory of metanalysis is significant because he pointed out that we intentionally do analyze the words or word-group differently. He insists that we can find metanalysis in almost every expression of humour. He is illustrating chiefly about the adult's intentional metanalysis. We call it 'synchronic metanalysis'.
著者
丸谷 充子 市川 美恵子 大久保 秀子 伊志嶺 美津子 櫃田 紋子 菅野 陽子 船木 美佳 五十嵐 裕子 柴田 崇浩 マルヤ ミツコ イチカワ ミエコ オオクボ ヒデコ イシミネ ミツコ ヒツダ アヤコ サガノ ヨウコ フナキ ミカ イガラシ ユウコ シバタ タカヒロ Mitsuko Maruya Mieko Ichikawa Hideko Okubo Mitsuko Ishimine Ayako Hitsuda Yoko Sugano Mika Funaki Yuko Igarashi Takahiro Shibata
出版者
浦和大学・浦和大学短期大学部
雑誌
浦和論叢 (ISSN:0915132X)
巻号頁・発行日
no.48, pp.63-82, 2013-02

こどもコミュニティセンターでは、親子のひろば「ぽっけ」の参加者である親子を対象に、学生による保育付きのプログラムを実施してきた。今回、新たに親子それぞれが並行してプログラムに参加する親子並行プログラムを実施した。親プログラムは、名称を「My Own Time~わたしの時間~」とし、参加者である母親にひとときの子どもと離れた自由時間を提供する内容とした。子どもプログラムは名称を「おにいさんおねえさんと遊べるタイム」とし、親から離れて1人で学生と一緒に遊ぶ内容とした。終了後のアンケートでは、親プログラムは気持ちがリフレッシュし、子どもへの気持ちを再確認できる機会となり、子どもはプログラムへの参加が社会的経験となり、親子で共に成長する機会となった等の感想が得られた。アンケートの内容、子どもプログラムの観察と学生への聞き取り、その後の親子の様子から、プログラムの内容について考察し、大学でプログラムを行うことの意義を検討する。At the Child Community Center, the programs for parents with childcare by college students have been held since it was found. This time new programs were conducted as parents and children could join separately in the different programs at the same time. The name of the programs for the parents was "My Own Time", designed for giving them two-hours free time away from their children. Another program for children was called "Playing with Big Brothers and Sisters" which was planned for enabling the children to play with college students in the drop-in"Pokke" as they were separated from their parents. According to the results of the questionnaires, parents gained a relaxation time and found an opportunity to rediscover how they love their children. Consequently, the programs have supported the growth of both parents and children. We will examine the meanings of these programs by analyzing the results of the questionnaires, observing the children' program, listening to the students voices, and investigating continually to the relationship between parents and children.
著者
中村 泰治 ナカムラ ヤスハル Yasuharu Nakamura
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.50, pp.85-98, 2014-02

金融システムの機能は景気循環の各局面に応じて変化する。典型的な景気循環において、好況期の上昇局面では、金融システムは資本蓄積を積極的に促進するが、不況期の下降局面では、むしろ資本蓄積をマイナスに促進する。独占段階になると、大恐慌のように長期の下降局面が現れることがあるが、こうした局面では金融システムの機能の逆転性はヨリ明確になる。しかしこの機能変化は金融システム自身に原因があるのではない。資本蓄積の変化が基礎にあり、金融システムはその変化を増幅する機能を果たしているに過ぎないのである。The financial system plays the different functions in each phase in a business cycle.In the typical business cycle, it promotes the accumulation of capital positively inthe rising phase, but it reduces the amount of capital in the declining phase. On thestage of monopolistic capitalism, the contrary function of the financial system appearsclearly in such a declining phase as the Great Depression. But the financial systemdoes not change the function independently. It only expands the change in thecondition of the accumulation of capital.
著者
中村 泰治 ナカムラ ヤスハル Yasuharu Nakamura
雑誌
浦和論叢
巻号頁・発行日
no.44, pp.15-29, 2011-01

商業銀行の基本業務は預金収集と手形割引であり、商業銀行といえども、基本的には他のタイプの銀行と同様に金融仲介機関である。しかし商業銀行は別の業務も行う。たとえば手形割引の拡大のために銀行券を発行するが、この信用創造は、商業銀行の基本業務というより、基本業務をベースにして行う商業銀行の特徴的業務といえる。また、商業銀行は銀行券による預金収集や手形交換を行うし、銀行間で短期金融業務も行う。これらの業務も基本業務をベースにして登場し、基本業務を増幅すると同時に信用創造を拡大する意義をもつものということができる。Collecting deposits and discounting bills are basic services of a commercial bank which is a financial intermediary just like other types of banks. But it makes more services. Issuing service of bank notes to expand discounting bills is what is called credit creation, which is not a basic service but a characteristic service of a commercial bank. It also makes depositing service of bank notes, clearing service of bills and financing service of short-term loans. These services are of significance to amplify basic ones and credit creation of a commercial bank.