- 著者
-
高村 徹
- 出版者
- 一般社団法人照明学会
- 雑誌
- 照明学会誌 (ISSN:00192341)
- 巻号頁・発行日
- vol.86, no.4, 2002-04-01
1989年に開催された横浜博覧会の跡地にできた都市が「みなとみらい21」地区で,その一画を占める「ワンダーアミューズ」,「ブラーノストリート」,「キッズカーニバル」の3ゾーンからなる「横浜コスモワールド」が1999年3月18日にグランドオープンした.その中に誕生したのが大観覧車「コスモロック21」である.「コスモロック21」は,今回の移設を機にますます大きくなって再登場したもので,世界最大の時計機能を持った観覧車である.地上112.5m,定員480名,約15分で一周する.横浜の情緒とランドマークタワーを中心とした近未来的な高層ビル群の華やかさが調和した,独創的で魅力ある都市の遊空間を創出するために,夜間にはイルミネーションにより演出している.その演出は,直径100mの回転輪を利用したネオンサインの点滅による28種類のパターンで構成された打ち上げ花火のほか,ゴンドラの数60に合わせ回転軸の先端を秒針に見立て,中心部近くのLED時計と連動させた大時計(図1)として,さらに観覧車全体の照明が春はさわやかなグリーンイエロー,夏は鮮やかなブルー,秋はシックなゴールド,冬はお洒落なピンクレッドと四季を表現している(図2).このような演出によりネオンサインの点滅を最大限活かしてファンタジックな都市のイメージをさらに魅力的なものとしている.