著者
宮沢 まゆみ 舛谷 敬一 吉川 晃
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.278-280, 1989-11-30 (Released:2017-02-10)

パーソナルコンピュータのシミュレーションを利用してホログラムを製作し,これを光の干渉,回折の授業に取り入れることを考えた。ゾーンプレートを点光源からの光と平行光線による干渉縞とみなすと,最も簡単なホログラムとして扱える。従って,ゾーンプレートを教材にすれば,ホログラフィの基礎をわかりやすく学ぶことができる。パソコン・シミュレーションではゾーンプレートの製作は容易である。またシミュレーションでは点光源を複数個にすることが簡単にできるので,文字や数字などのホログラムも製作できる。
著者
細谷 裕
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-223, 2013

大阪大学では毎年10月中旬から11月にかけて,土曜の午後に6週間,最先端の物理を高校生に体験してもらうプログラムを実施している。自発的な個人参加で,毎回150人以上の高校生が集まる。高校生は科学に興奮する喜びを堪能する。
著者
佐藤 和艮
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.42-46, 1981-02-28 (Released:2017-02-10)

音叉の振動エネルギーの一部分は音のエネルギーとして空気中に放出される.また,音叉に共鳴箱を近づけると大きな共鳴音が聞こえる.この場合には音叉のエネルギー消費は当然大きくなり,振動の減衰も早くなる.音叉の振動エネルギーが消費される行く先として,(1)音叉から直接空気中に放出される音のエネルギー,(2)音叉の内部吸収などによるロスエネルギー,(3)共鳴箱の効果によって放出されるエネルギー,の3種類が考えられる.そこで,音叉が1周期振動する間に消費されるこの3種類のエネルギーの割合を求める実験を行った.そのために,共鳴箱の有無及び空気の有無による音叉の減衰時間のちがいを測定した.その結果の一例として,音叉の消費エネルギーは先の順番でおおよそ1:5:22の割合となった.また,共鳴箱のある場合に音叉の音の可聴時間が共鳴箱のない場合の時間に比べて長く感じることがありうることを実験データを使って解析した.なお,減衰時間の測定は,音叉の振幅が半減する間の振動の回数を自動的に数える装置を考案して行った。
著者
塚本 浩司
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.537-541, 2001
被引用文献数
2

一般に科学研究は,先行研究を調査し,言及することが当然のこととなっているが,こと「実験教材の開発研究」の場合には,現在のところ全く無視されている。そもそも,教材史を研究することがほとんどおこなわれてきていない。本研究では,「すっとびボール」の教材史をたどることによって,先行研究尊重のルールが研究においていかに有効に機能するかということ,および,教材史研究の重要性を明らかにする。
著者
田中 賢二
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.176-179, 1992

東ドイツの西ドイツへの編入,バルト三国の独立,ソ連邦の消滅などによって,社会主義国は大きく変わってきた。いわゆる東欧コメコン7ヶ国のこれまでの物理教育を,東西ドイツの文献を手がかりに,総括した。社会主義の理念が学習目標や方法に出ていること,そしてなによりも,必修科目として開始学年が早く授業時間が多いことに,更に,能力ある者に対して特別の学級や大学附属の学級が設けられていることに,注目できる。
著者
坂田 正司 韓 長明
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.18-20, 1996
被引用文献数
1

透明なシリンダーを用いることにより,2サイクルエンジンの構造とその作動のようすを容易に観察することができると同時に,作動時のp-Vグラフを自動的に描かせることにより,断熱圧縮,等積燃焼,断熱膨張などの行程を容易に理解させることができる。
著者
齋藤 嘉夫 西尾 謙三 吉本 則之 墻内 千尋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.187-192, 2003
被引用文献数
1

水滴発電器のメカニズムを理論的に明らかにした。水滴発電器を開発し,その理論を実証した。誘導電極の上にノズルがある場合の発電電圧は9kVを越えた。水滴浮遊の原因は誘導電極の電場による引力であることを実証した。それを避けるためにノズルを誘導電極の下に配置し,発電電圧を16kVまで上昇させることができた。水滴発電器の発電開始の原因が空気中のイオンであることが議論された。
著者
田中 敏弘
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.155-158, 2000

TVなどで見るコヒーラスイッチを,生徒実験など持ち運びを考えてパチンコ玉とフィルムケースを用いて試作した。フィルムケースにアルミテープを張り付け,中にパチンコ玉を入れ,これをスイッチとして用い電波の発生を確認する実験を行った。このコヒーラスイッチによる動作距離を長くするため,ヘルツが電磁波の実験でやったように,大面積の受信板にガスレンジ用の熱遮断用アルミ板を2枚取り付けたところ,受信距離を10mと大幅に改良できた。この実験をすることにより,電磁波とアンテナについて簡単に説明することが可能となった。
著者
横塚 正充
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.425-428, 1993

平成6年度から実施される新しい高等学校学習指導要領における物理IBでは,「探究活動」が新しく導入されている。この「探究活動」は,観察や実験を通して科学的な思考力を育成するねらいをもつ。そこで,以前より演示実験として扱っていた熱気球を生徒個人実験化し,これを一つの教材として,生徒が探究的に活動できるよう工夫してみた。その結果,熱気球の生徒個人実験は,探究活動を促す上で,充分適していることがわかった。
著者
杉木 勝彦
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.34-38, 2001

課題研究や探究活動がカリキュラムに採り入れられているにもかかわらず,物理の時数減を伴った現状では必ずしも十分な取り組みができているとは限らない。数年前からクラブ活動でその可能性を探ってきたが,紙飛行機の研究は継続研究が可能な大変興味深いテーマであることがわかった。紙飛行機の設計に関する著作は極めて数が少なく,愛好家の多くは,よく飛ぶ機体を自らの経験と勘をたよりに改造,自主設計しているのが実情である。本研究において基本的な開発方法を確立するとともに,20秒前後の滞空性能を有する機体の開発に成功した。
著者
菊池 誠
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.220-224, 2006

シンポジウムではニセ科学の中でも物理学者にかかわりの深いものや物理学者の注意を喚起しておきたい問題について概観した。物理学者に限らず,科学者であればニセ科学問題に注意を払うべきであるし,ニセ科学に対して積極的に発言していくのが望ましいと思うが,いかんせん問題の存在自体に気づいていない物理学者も多い現状では,まずは問題提起をしようという趣旨である。以下,シンポジウムで話した内容をまとめる。なお,筆者のウェブサイトでもニセ科学関連の議論を行っているので,興味のあるかたは覗いてみていただきたい。
著者
原島 鮮
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.23-29, 1969
被引用文献数
1

力学の授業を電子計算機と結合させ,運動方程式を式のまま解くことを理解させると同時に,特に運動方程式を簡単に解けない種類の問題をも教授内容に含めることを図った.さらに,電子計算機での計算,プロッターに出てくる図形によってアニメーション映画を作り,力学の理解を助けることを研究した.
著者
石黒 浩三
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.A1-A2, 1987