著者
小久保温 澁谷泰秀 吉村治正 渡部諭
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.415-417, 2014-03-11

従来行なわれてきた訪問や郵送による質問紙の社会調査は、近年困難になりつつあり、今後はWeb調査に移行する必要がある。Web調査は、サンプリング、カバレッジ誤差などが問題とされてきた。われわれは調査法としてDillmanのTDMを応用し、WebアンケートシステムとしてPC、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどの幅広いマルチデバイスに対応したシステムを開発することで、これらの課題に対応しようと試みた。更にシステムでは回答過程を詳しく記録している。そして、2013年の初頭におよそ1000人を無作為抽出して郵送とWebによるハイブリッド社会調査を実施した。本講演では、その解析結果について論じる。
著者
野牧央 佐藤真 藤波香織
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.89-90, 2014-03-11

近年普及しているスマートフォンは,従来の携帯電話と違い,画面を見ながらタッチして操作するので,ユーザが画面を注視し続けてしまう.それにより,駅ホーム上で歩きながらスマートフォンを操作することで線路へ転落する事故も発生している.線路への転落の防止策としてホームドアが挙げられるが,コストがかかることや,車両扉位置の相違による技術的課題から,未だ十分に普及していない.本研究ではユーザの線路への転落を防止するため,ホーム上の点字ブロックを用いて転落危険場面の検出を行う.スマートフォンのカメラから点字ブロックを認識し,端末の傾きを用いてユーザが立っている位置を推定し,転落危険場面にあるか判定する.
著者
平岡美那子 大澤幸生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.99-100, 2014-03-11

過去になされた議論の内容を把握するためには、議論構造が可視化されていると分かりやすい。しかし、現実に行われている議論の場では、参加者の思考プロセスの違いにより、論点のずれや、認識のずれが生じていることがよくある。そこで我々は、個々の発言がなされた時間の情報を利用して、議事録から議論構造を自動的に可視化する手法を提案する。提案手法では、発言に含まれる単語の登場箇所のばらつきや頻度から、トピックやキーワードを段階的に抽出することができる。また、抽出された単語を発言者別に繋ぐことで、参加者内の論点・認識のずれを可視化することが可能となっている。
著者
山本美佳 中井寿一 河合由起子 川崎洋 赤木康宏 若宮翔子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.165-166, 2014-03-11

四輪車より歩道側を走ることが多い二輪車は四輪車と比べ,歩行者との接触等の危険性が高い.そこで本研究では,twitterから歩行者が密集した場所を推測しルート上に提示する,二輪車の安全を考慮したナビゲーションを開発する.具体的には,まずGoogleカレンダーから経由地や目的地を抽出し,これまで我々が開発した通常のルート推薦を行う.次に,GPS情報をtwitterで収集・分析しルート上に提示する.そして,ルート上の交差点付近のツイート同士の畳込み積分値を算出し,交差点上に密集度を大小の円で示す.本提案システムにより,二輪車と歩行者との接触事故等を抑制できるナビゲーションが実現できる.
著者
松本章代 坂本泰伸 松澤茂 武田敦志 櫻井優 柏葉俊輔 柴田美夏
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.71-72, 2014-03-11

我々は,認知症の早期発見を目的として,高齢者の起床・就寝時刻や外出時刻などを記録するタブレット端末用アプリおよびデータ蓄積サーバを開発した。このシステムによって長期的に収集されたログから,認知症の初期症状を検知するための解析手法を提案する。認知症が進行していくと起こりうる変化として,入力を忘れる回数や外れ値の回数の増加などが推測される。そこで,ログ収集開始直後の一定期間を「正常値」とみなし,直近の一定期間との入力傾向(データの分散や入力忘れの頻度,外れ値の頻度,など)の差を比較して違いを判定する。判定にあたり,曜日による生活リズムを加味する工夫を施す。
著者
稲葉利江子 山﨑礼実 渡邉恵理子 小舘香椎子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.551-552, 2014-03-11

近年、スマートフォン・タブレット端末の普及にともない、デジタルコンテンツ視聴の機会が増えてきている。これまで、経済産業省の委託事業等からリーチサイトやストレージサイトによる違法コンテンツの流通が問題となってきている。さらに、2012年の著作権法改正により違法コンテンツのダウンロードに対する刑事罰化が施行されたが、一般に、その内容を正確に理解されているのかが疑問である。そこで、大学生を対象に、デジタルコンテンツ視聴に関する実態調査を行なった。さらに、コンテンツの公式性の意識についてもヒアリング調査も含め実施したので、その結果を報告する。
著者
渡辺悟 鈴木徹也
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.199-200, 2014-03-11

古文書には変体仮名が使われており、その翻刻作業には多くの知識と労力を要する。それは変体仮名には、異なる読みをする類似形状の文字や同じ読みをする多様な形状の文字が存在するためである。以前我々の研究グループは古文書の翻刻支援を目的として制約充足による手書き変体仮名認識法を提案した。その手法では、各文字の読みの候補を挙げ、読みの組み合わせの中から最適な単語列を探索する。この手法には、制約が少ないとき、組み合わせ爆発を起こすことがあった。本研究では、単語の生起コストと連接コストを導入し、コスト最小法とN-best探索を用いて解の個数削減を図った。実験により従来手法の問題点を解決できたことを確認した。
著者
佐熊敬介 斎藤隆文
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.7-8, 2014-03-11

手書きアニメーションに3DCGを利用する例が増えてきている.その主な理由は作業の簡略化のためである.しかし3DCGに用いられる一般的な3Dモデルで手書きアニメーションを忠実に再現するのは難しい.なぜなら手書きのイラストは多くの場合,視点に依存する歪みや誇張を含んでいるからである.一般的な3Dモデルは視点が変わっても形状は不変であるため,イラストの持つ視点依存の歪みや誇張を表現することはできない.本研究では視点に対して形状が変化するベクタ形状を用いたモデルを作成し,より手書きに近いアニメーションを作成可能な3Dアニメーションフレームワークを提案する.また実装を行いその有効性を確かめる.
著者
山上泰志 伊藤克亘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.365-366, 2014-03-11

作曲を行う時、いきなり一曲を作り上げず、細かいメロディを思いつくたびに記録し、組み合わせてひとつの曲を作り上げる。メロディを記録する時、経験や知識があれば採譜や録音するのは容易だ。しかし初心者は採譜に時間がかかる上、楽譜の完成度も低い。また、録音した場合も、必要に応じて何度もメロディを聞き取ることになり余計な手間が掛かってしまう。これらは初心者が作曲を行う妨げとなっている。そこで本研究では、ギターの演奏動画を用いてユーザの個人差を考慮した楽譜を出力する自動採譜システムを開発した。本システムは認識部、採譜部の2つの項目からなる。認識部では、ギター演奏動画を用いることでバイモーダルな認識を、採譜部では、演奏ルールを用いることで認識部の誤検出の補正をそれぞれ行った。
著者
李寧 富岡洋一 宮崎昭彦 北澤仁志
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.117-118, 2014-03-11

近年FPGAの大規模化により,FPGAを用いた並列数値計算においても浮動小数点演算が用いられるようになってきた.本研究ではFDTD法を対象とした浮動小数点演算器の構成法を提案し,Altera社が提供しているメガファンクションやfreeの浮動小数点演算器合成ツールFloPoCoに比較して,チップ内により多くのPEを実装可能であることを示す.
著者
須田健二 五味弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.239-240, 2014-03-11

組合せテストの品質を保ち、かつテスト回数を少なくするためのテスト技法として直交表とオールペア法(被覆表)が知られている。しかし今まではその生成ツールの使いやすさやテスト回数が少ないなどの理由からオールペア法の方がより多く利用されてきた。また、組合せの個数を 2個に固定するなど限定的な使用が多かった。そこで我々が開発している万能型直交表生成ソフトGaloisと代表的なオールペア法の生成ソフトであるPICTに対して、因子数やその水準数、強さが与えられた時のテスト回数と網羅率を求めた。そして、それらを比較検討することにより,テスト対象のソフトウェアにより適した技法として、直交表とオールペア法のどちらを選択するべきかの指針を与える。
著者
佐藤真之介 菱沼利彰 藤井昭宏 田中輝雄
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.215-216, 2014-03-11

大規模な疎行列を扱う数値計算において,疎行列のデータ格納形式の一つとして圧縮行格納形式(CRS)が用いられている.疎行列の形状によっては,CRSのデータ構造をブロック化して保持するブロック圧縮行格納形式(BCRS)に変換し扱うことにより,行列計算を高速化することができる.本研究では,標準ベンチマークであるフロリダコレクションの有用なすべての疎行列に対して,AVXを用いてBCRSの疎行列ベクトル積の計測を行い,性能を決定するパラメタについて分析を行うことにより,AVXで行うBCRSの効果を示した.また,AVXを用いたBCRSの疎行列ベクトル積の性能は,CRSの疎行列ベクトル積の性能と比較して,全体で70%高速化でき,高速化したときの倍率は平均1.1倍であった.
著者
藤野真矢 中村克彦
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.433-434, 2014-03-11

Robocup2Dシミュレーションリーグでは,コンピュータ上の仮想的なフィールドでシミュレーションによるサッカーゲームが行われる.プレイヤのエージェントには,センターフォワードやサイドバックなどのポジションが与えられるが,これまで多くのチームでは基本的な動作パラメータはポジションごとに違いがなく同じであった.本研究では,遺伝的アルゴリズムを用いてポジションごとの動作パラメータの組み合わせを最適化することによってチームの性能向上を図る.
著者
並木尚也 高橋達二
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.517-518, 2014-03-11

不確実な環境下での意思決定には,より良い情報を探すための探索と,既知の最良の情報を活用する知識利用との相反する2つの行動が要求される.これを探索と知識利用のトレードオフという.先行研究では、LS(Loosely Symmetric)モデルという相対評価を行うモデルがそのトレードオフに非常に有効であることがシミュレーションで明らかにされており,人間との相関が高いことも分かっている.しかしながら,実際の人間がどのような行動をするのか,どのような傾向があるのか,また相対評価をどのように利用しているのか,などの詳細はよく分かっていない.本研究では実際に人間に実験をし,行動データから分析を行った.
著者
三輪貴信 酒井幸仁 橋本周司
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.3-4, 2014-03-11

4次元空間の主座標軸方向の無限遠点を透視投影すると,3次元空間に主消点となって現れる.主消点は,4次元空間での視点位置や4次元データの平行性・直交性を視覚的に理解する手掛かりとなる.我々は,3次元空間の主消点を操作して,4次元空間の視点移動を簡単に制御できるインタラクティブシステムを開発した.本論文では,4次元データの平行性・直交性の理解が複数の超立方体を組み合わせた4次元立体迷路の探索において十分に役立つことを確認する.
著者
鹿島理華 佐藤彰洋 谷垣宏一 山足光義
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.465-466, 2014-03-11

業務毎に独立したサブシステムを段階的に構築し大規模で複雑化した社内システムではデータも各システムに分散し個別に管理され有効活用されていない。データベース間でデータ連携まで行う製品適用はシステム規模によってはオーバスペックとなり既存システムへの影響も大きい。そこで、我々の持つスキーママッチング技術や辞書構築技術を適用し、メタデータを一元管理するデータ辞書とメタデータを使ったデータ品質・ガバナンス管理機能からなるデータ管理層を検討した。この検討結果を報告する。
著者
吉永大輝 小早川倫広
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.207-208, 2014-03-11

現在、ベルマークは柄、点数の違いを含めると多く存在し、このベルマークを、人間が手作業で、ベルマークが、どの協賛会社から発行されたかと、点数を集計している。本研究では、ベルマーク識別手法の提案をする。ベルマーク画像から、ベルマークの発行協賛会社、点数を識別することを目的とする。画像特徴量の一つであるSURF特徴を用いて、ベルマークの識別実験を行った。未知データとして、正解データ97種を5度ずつ回転させた6,887枚の画像、スケールを50%から150%まで10%ずつ変化させた970枚の画像を用意した。未知データのSURF特徴と正解データのSURF特徴でテンプレートマッチングを行い、類似度によってベルマークを識別した。その結果、平均正答率は、回転させたデータでは97.6%、スケールを変化させたデータでは94.0%となった。
著者
熊谷亮介 安井浩之 吉野邦生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.477-478, 2014-03-11

感情には声の高ぶりなど,それぞれを特徴づける韻律的特徴があり,そのような特徴をくみ取ることで人は相手の感情を推察している.しかし,テキストのみで行うコミュニケーションでは,文字以外の情報がないため書き手の感情と読み手の受ける印象にすれ違いが起きるといった問題がある. 本報告では,発話時の韻律的特徴の変化をテキストの書式に反映することで,人が音声から感情を推察するのと同様の効果が得られると仮定し,その表現方法について調査,検討する.具体的には,音声認識の際に韻律的特徴の変化を抽出し,認識されたテキストに変化に対応した装飾・表現を行う.さらに装飾したテキストに対し評価を行い,表現方法の検討を行う.
著者
田中和幸 河原好孝 古市昌一
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.555-556, 2014-03-11

2011年に発生した東日本大震災では,津波による被害者の数が膨大であった.災害時,多くの避難民はどこに避難すれば良いのか判断することが困難である.そこで,本研究では地震や災害発生時に避難民が効率良く逃げることのできるような方法を,地方自治体等の担当者が検討するために用いるツールとして,災害シミュレーションシステム(Agent for Disaster Simulation System,以下ADSSと称す)の構築を提案する.ADSSでは避難民をエージェントとして再現し,国土地理院の数値地図25000を用いるとともに,既存のハザードマップを入力として用い,各条件の違いによる避難民の被害度の違いを結果として得ることができる.
著者
荒木伸也 阿部倫之 服部進実
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.453-454, 2014-03-11

反響ツイートを利用してテレビ番組の評判を推定し予測するための手法を提案し、そのシステム構成と実験結果について述べる。本システムでは、TwitterのストリーミングAPIを用いてツイートをリアルタイムに収集しており、反響ツイートの時間帯を視聴前、視聴中、視聴後に分けて、否定的ツイート(デマを含む)と肯定的ツイート(デマ訂正を含む)の出現頻度や出現パターンを捕捉する。特に視聴中については、コマーシャル中における反響ツイートの特性に注目しており、番組終了後の評判に対する寄与度等について考察する。