著者
近藤弘隆 鈴木優 石川佳治
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.527-528, 2014-03-11

Wikipediaには通常の記事に付随する「ノートページ」と呼ばれるページが存在し,議論や会話のために用いられる.記事が論争に発展しやすい話題である場合,ノートページでの議論が長くなる場合があり、ページのどこに議論の要点が存在するのかを把握するのが困難である.そこで本研究では編集者の発言の主ページへの反映度合いを重要度とし,それを算出する手法を提案する.どの発言者が重要であるのか,議論のどこに要点が存在するのかを重要度に基づいて利用者に提示することで,利用者がノートページを読み理解する際の負担を軽減することが期待できる.
著者
笠野晃平 熊野雅仁 小野景子 木村昌弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.81-82, 2014-03-11

近年、ウェブ空間に観光情報が溢れるに従い、自ら旅行計画を立てるユーザが増えつつある。しかし、旅行前の調査では主要な情報が得られるものの、得られた情報は断片的で観光先相互間の移動や、相互の距離感ならびに関係において調査不足が弊害を招く場合や、事前調査では見逃した興味が湧く対象に出くわしても、突然の経路変更に対応できない場合もあり得る。本研究では、3D模擬地球に没入し、嗜好に合う観光先周辺を実環境を考慮してより詳しく調べ、旅行前に観光経路のプランを練り上げ得る、没入型3Dシステムを提案する。京都市を観光先と想定し、京都の主要交通機関のうち、バス路線に沿った実験を通じて、提案システムの有効性を検証する。
著者
北谷宏紀 井上潮
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.327-328, 2014-03-11

大学でのプログラミング授業において、演習課題を採点する作業は人手で行っているのが現状である。多くの解答を手作業で採点するのは非常に負担となりミスも生じ易くなる上、全ての採点が終わるまでは結果が分からないため内容を忘れてしまう学生もいるだろう。そこで本研究では課題の提出・採点・フィードバック返却をウェブ上で行うための、採点手法を提案する。ウェブ上で提出したファイルのコンパイルとテストを行い、プログラムを実行させた結果を模範解答のものと比較することで採点を行う手法を提案する。本研究により実際の解答データの8割以上を正しく採点でき、手動で採点に一時間以上かかる場合でも30分程カットすることが出来た。
著者
小川友暉 相場亮
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.591-592, 2014-03-11

現在、多くの大学図書館において、蔵書量の増加に伴い、収納場所の不足が問題となっている。そのため、省スペースの観点から電子図書が注目され、導入が進んでいる。電子図書を導入した大学図書館では、検索エンジン等の使用が、図書を探す際に前提となる。これにより、冊子体を収蔵した図書館に比べ、図書との意外な出会いが限定されるという問題等がある。そこで本研究では(完全)仮想化された大学図書館を想定し、従来の冊子体を取り扱う図書館と同等の効果を実現するにはどうすればよいか。その構想について述べる。
著者
板宮朋基 山岸亨
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.61-62, 2014-03-11

講演者は、津波等の災害発生時に、避難行動の意思判断を支援する『デジタル皆助ナビ』の研究開発と実証実験を行っている。2012年より、発災後の津波の様子などをリアルタイムに配信することができる「ワンセグ型エリア放送システム(エリアワンセグ)」を組み合せた新たなシステムの開発に着手し、南海トラフ巨大地震で国内最大級の津波高が想定されている高知県黒潮町において、国内初の実証実験を実施した。地元の住民11名が、避難ナビシステムと、町内3カ所に設置されたカメラからのライブ映像をスマートフォンで確認しながら移動したが、ルートを外れることなく、高台の避難場所まで予想より短い所要時間で到着できた。自動車における稼働実験も行い、成功した。
著者
松浦祐希 華山宣胤
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.577-579, 2014-03-11

分子生物学の分野では、人間の寿命限界について2つの説が唱えられている。一つは、人間はある年齢までしか生きられないと定められていて、その年齢に達すると、老化し死に至るプログラムが起動するというプログラム説である。また二つ目は、体内で発生する活性化酸素などの有害物質が細胞にダメージを与えることにより身体が老化し、やがて死亡に至るというダメージ説である。そして、これらの説のどちらが正しいかという議論は未だに決着していない。そこで本研究では、厚生労働省から発行されている人口動態統計に極値理論で用いられている一般化パレート分布を当てはめることにより、寿命に関する2つの説を統計学的観点から検討する。
著者
渡邉哲 今井倫太 大西樹 尾形正泰
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.169-170, 2014-03-11

本論文では、肩乗りロボティクスアバタTEROOSに魚眼カメラを装備し、ロボット頭部のカメラとは異なる視点でも、操作者がロボットの視点で会話できるインターフェースのデザインを検討する。ロボットを装着する遠隔コミュニケーションは、装着者の周囲の人とアバタに反映させることで人の動きを容易に伝えることができるという利点を持つ。一方で、アバタのカメラはアバタの頭部に設置されており、操作者は頭部カメラからの映像情報のみで判断しなければならない欠点を抱えている。本研究では、TEROOS自身をも含めた、天頂からの視界を確保するために魚眼カメラを導入し、TEROOS周囲の情報を一覧できる映像を元にTEROOSの視点で会話ができるインタフェースデザインを検討する。
著者
蔡大維
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.425-427, 2014-03-11

龍泉洞を代表とする鍾乳洞のような地下観光施設では、狭くて、暗い環境で、安全性を重視する観光案内サービスが重要である。操作せずに自動的に案内する形態が望まれ、携帯電話など通常の携帯情報端末の利用が困難である。洞窟の特殊環境で、WiFiや携帯通信網など既存の通信環境の提供は大掛かりな工事が必要となるばかりではなく、維持コストなども勘案する必要がある。本研究は、鍾乳洞のような地下観光施設で自動観光案内サービスを提供するシステムを提案した。自動案内を実現するために、超低消費電力の無線タグと超軽量携帯情報端末を開発した。コンテンツ管理と観光客行動集計の管理システムも開発し、観光動向を正確に把握することを実現した。
著者
古澤知英 福里司 岡田成美 平井辰典 森島繁生
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.345-346, 2014-03-11

近年,2D 手描きアニメーションの需要は増え続けている.しかし,現状では中割り画像生成の行程において,特に多くの労力と作業時間が取られるため,アニメーション制作を容易に行うことは難しい.このような背景から,中割り画像の中でも作品中で重要なキャラクタの顔を含み,かつ多くの作業時間を要する顔回転シーンを自動生成する技術は,必要とされている.そこで,本研究では正面と横顔2枚の入力画像から0~90度までの顔回転シーンを生成する.入力画像の2D情報に基づく変換を行うことで,3Dアニメーションでは表現できない2D手描きアニメーションならではの表現を反映したキャラクタ顔回転シーン生成のための方法を提案する.
著者
畝川みなみ 宇野健
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.549-551, 2014-03-11

本研究では、C言語学習の演習における学習者の積極的な取り組みを促すことを目的とし、演習時の学習状況を評価し、学習者にフィードバックするシステムを開発した。これまでは評価の対象ではなかった任意課題の達成率や、実質的な演習操作(ファイルの保存、コンパイル、実行)の回数を点数化した操作得点を指標とし、演習時の学習状況を評価して、学習者および教員に対してフィードバックする。本学のプログラミング科目の授業において本システムの運用実験をおこない、毎回の授業で評価内容を学習者に提示し、学習状況の客観的な評価を確認させた。その結果、任意課題の達成率を昨年度より大幅に向上させることができた。
著者
諏訪恭平 竹内俊貴 中里直人 谷川智洋 廣瀬通孝
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.715-717, 2014-03-11

高速道路における渋滞時,サービスエリア(SA)に滞在しているドライバにとって,いつSAを出発するかは問題である.そのような場合においてSAの出発時間による運転時間の変化の情報を知ることができれば,ドライバは適切な出発時刻を選択できる.それにより,ドライバにとっては総運転時間や渋滞による苛立ちの減少,SAにとっては活性化や収益増加,ひいては渋滞自体の低減にも繋がると考えられる.本研究では,運転時間の未来予測・提示によりドライバの行動を変化させる手法を提案し,その基礎的な検討を行う.実際に,東名高速道路上り線のSAにおいて被験者にシステムを使用してもらい,SA出発時刻が変化するかどうかを調査した.
著者
門田仁 藤田悟
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.215-216, 2014-03-11

本論文では、深度センサKinectを用いたリアルタイムな3Dキャプチャリングに対して歪み補正を行ない、高品質な3Dモデルを構築することを目的としている。リアルタイム3Dキャプチャリングには、KinectFusionというKinectから得られた深度情報をGPGPUで高速に並列処理することで3Dモデルを構築する研究を参考とする。こうして構築された3Dモデルは、Kinectのカメラレンズによる歪みを持っている。そこで、この歪みの特性をキャリブレーションによって確かめ、補正することでより高品質な3Dモデルを構築する。3Dモデルの品質評価には、チェッカーパターンや四角錐の積み木などを使用し、実物体と構築された3Dモデルとの測定値の誤差を求めることでデータの正当性を確かめる。
著者
川辺弘之 瀬戸就一 下村有子 南保英孝
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.33-34, 2014-03-11

従来、聴覚障害学生の授業支援は板書による講義が前提のノートテイキングで行われてきた。しかし、近年、学生参加によるアクティブラーニングが流行となっているが、聴覚障害学生への授業支援はまだまだである。アクティブラーニングでは学生主体の授業形態ゆえに、複数の学生の発話があり、話者の特定が必要になる。本研究は、聴覚障害学生(ろう学生)に限定したためにパノラマ画像から口元の画像を読唇できる画像に変換させ、話をしている口元と、そうではない口元(例えば、あくびをした口元など)との違いを明確にする。このシステムは、聴覚障害者学生がパノラマ画像内の話者の口元を見ることで話の内容を理解できるようになることを目指している。
著者
三橋優人 阿部亨 菅沼拓夫
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.87-88, 2014-03-11

映像から人物や物体を検出する研究において、多数の人物が存在する環境で、人物と物体の様々なインタラクションを検出することは依然として困難な課題である。本研究では、手荷物の置き引きや不審物の置き去りの監視、店頭での購買活動の状況把握等への応用を想定し、人込みの中での人物と物体のインタラクション(物体を手にとる・手から離す)を映像から検出する手法の実現を目指している。具体的には、映像から個々の人物領域を抽出し、各領域における人物の手の部分の特徴量に着目することで、人物と物体のインタラクションの開始・終了の安定した検出を行う手法を提案する。本発表では本提案手法の基本設計について述べる。
著者
内林誠 三井浩康
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.63-65, 2014-03-11

近年、カメラ画像データから人間の特定動作や部位を認識する画像処理技術の応用がさまざま分野で進んでいる。応用分野の例に、監視カメラに物体認識技術を組み込んで、監視カメラが自律的に不審者や不審物を検出するIMS(Intelligent Monitoring System)がある。監視カメラは商用電源で動くものが多いが、監視カメラをバッテリーで駆動できれば適用可能範囲が広がる。監視カメラをバッテリーで長時間駆動する為には低消費電力化が求められる。そこでFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて物体認識処理の高速化を行い、ハードウェアとソフトウェアの協調設計を行ってMPUとFPGAの処理分担を決めて、どの部分をFPGAで実装すれば良いのか、その最適化について研究・評価を行った。
著者
柏熊孝昌 大竹恒平 植竹朋文 岡誠
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.249-250, 2014-03-11

近年、経済状況の変化により、非正規雇用者(アルバイト)が増加の傾向にある。しかしながら、一般的に、アルバイトの1年以内の離職率は正規雇用と比べて高い。これは、モチベーション管理が十分でないためである。アルバイトを対象に行ったアンケート調査の結果、モチベーションの向上には、「良好な人間関係」と他者から褒められることによる「承認欲求の充足」が重要であることが明らかになった。本研究では、モチベーションを維持・向上させる手法として近年注目を集めている、ゲーミフィケーションに注目し、モチベーション向上支援システムの構築を行い、その効果の検証を行った。コンビニエンスストアを対象に行った効果実験の結果、本システムの有効性が検証された。
著者
鈴木小太郎 神田智子
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.235-236, 2014-03-11

選考時に圧迫面接を行う面接官のビデオ動画を分析し、姿勢、視線、交替潜時などの特徴的なノンバーバル行動をビデオ分析によって洗い出し、それぞれの発生頻度とタイミングを数値化した。この数値化したデータを元にして面接エージェントにノンバーバル行動として実装した。面接時の質問項目は、実際に就職活動を終えた学生の受験報告書より、面接時に使用された難しい質問内容を選定し7カテゴリーに振り分けた中から使用した。この圧迫面接エージェントを用いた圧迫面接を被験者に体験してもらい、印象評価を行ってもらった結果から、本エージェントの実用性を示す。
著者
伊木惇 亀井清華 藤田聡
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.633-634, 2014-03-11

インターネットの発展に伴い,口コミサイトのレビューなど個人の意見を投稿する機会が増えてきた.そのような意見は有益である一方で,ステルス マーケティングなどによる信頼性の低い情報も増えてきている.そのため,信頼性の低い情報を判断するための機構が必要であると考えられる.よって,本稿では口コミサイトにおけるレビューを対象とした,信頼性を判断するための支援システムを提案する.具体的には,レビューの信頼性に関係する指標を定義し,各指標毎のスコアを求める.そしてレビュー毎にそのスコアを可視化して提示することでユーザの信頼性に関する判断支援を行う.
著者
渡辺光祐 小林亜樹
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.379-380, 2014-03-11

本稿では、利用者の嗜好や気分を反映し、心地よく聴取を続けられるような楽曲推薦方式について述べ、試作システムによる評価を行う。本方式では、利用者の嗜好や気分を楽曲のテンポに基づき表現するため、基準となるテンポとして精神テンポを用いる。また、心地よく聴取を続けられるようにするため、楽曲の再生履歴を用いて楽曲間の聴取時のつながりの良さを指標化し、これらを使ってプレイリストを生成する。試作システムでは、音楽プレーヤ内の最終の再生ならびにスキップ日時を用いて、楽曲間のつながり行列を得ておき、これとタッピングにより取得した精神テンポ、つながり情報を反映して楽曲の推薦評価値を求めることでプレイリストを生成する。実験により本手法の有効性について検証した。
著者
塩出萌子 小泉悠馬 伊藤克亘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.495-496, 2014-03-11

長期アニメは、幅広い世代で認知度が高く、楽しまれている。視聴者は、そのような作品の各登場人物役の声優の演技や、性格や感情表現方法に固定概念を持つ。そのため、声優が交代した際、声質や表現方法などの差異が、視聴者に違和感を与え、番組離れの原因となる。本論文では、新声優の声を旧声優の声に変換する声質変換器の作成を目指す。変換対象は、同じ人物を演じている声優とし、目標話者(旧声優)の特徴量を元話者(新声優)の対応する特徴量と変換する。変換には、学習データとしてパラレルコーパスを用いる。しかし、声優を対象とするため、必ずしもパラレルデータが用意できるとは限らない。そこで、自由にデータを作成できる中間話者を定義し、元話者、目標話者それぞれとのパラレルデータ作成のため、同じ発話内容の音声データを中間話者で作成する。