著者
尾畑 納子 桑原 宣彰 岡本 嗣男
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.157-164, 1999-01-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

農薬散布作業時に着用する農作業服の効果的な洗浄方法を確立するため, 各種洗浄条件のもとで, 綿, ナイロン, ポリエステル素材について, それらの除去性を中心に検討した。結果は以下の通りである。1) 繊維に付着する農薬量は, 40℃で24時間アセトン溶液に浸漬した後, ガスクロマトグラフのFPD検出器により定量することができた。2) 各繊維への農薬の付着量は, 綿が最も多く, 次いで, ポリエステル, ナイロンの順となった。3) その洗浄性は繊維の種類によって異なり, 綿は洗浄しやすく, 水のみでも可能であった。ナイロンは, 40℃でアルカリ性にしたSDS溶液で優れた効果が認められた。ポリエステルは, 洗浄しにくいが, LASとNCIの界面活性剤によって比較的良好な洗浄効果が得られた。

1 0 0 0 OA 諭文紹介

出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.706-707, 1976 (Released:2010-04-30)
著者
薛 国栄 飯本 光雄 内野 敏剛
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.53-60, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

従来の熱風乾燥法にコロナ放電を組入れた乾燥システムにより, 放電に伴うイオン風のシイタケ乾燥促進効果を調べた。温・湿度一定下で, ファンの送風量と放電の印加電圧を変えた結果, イオン風処理区の乾燥速度は対照区の1.4~1.6倍となり, 乾燥時間の短縮が可能であった。イオン風処理区ではシイタケの収縮率が減少する傾向が見られ, イオン風処理によりシイタケの品質向上の可能性が示唆された。処理区のシイタケのヒダは対照区よりわずかに褐変した。イオン風処理による乾燥促進効果は印加電圧の増加とともに増大し, 送風量の増加とともに減少した。イオン風速は印加電圧の一次関数であった。
著者
川村 登 並河 清 藤浦 建史 浦 元信
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.353-358, 1984
被引用文献数
15

トマト等の果菜類の自動収穫を目的として比較的安価で, 消費電力の小さい小型の農業用知能ロボットの試作を行った。マニピュレータは自由度5で, 直流モータ駆動の人間腕型のものとし, その動きを数値制御して果実の把握を行えるようにした。テレビカメラにはMOS形固体撮像素子を用いたものを使用し, 赤信号と輝度信号をコンパレータで比較し2値化してDMAにより画像メモリに入力した。画像入力はカメラを移動して2度行い, ステレオ写真の方法で果実の3次元位置を得た。このロボットを用いて野外で連続した果実収穫実験を試みた。本報では主にマニピュレータのハードウェアとソフトウェアについて, また果実収穫の基本動作の実験結果について報告する。
著者
米川 智司 木谷 収 岡本 嗣男 塚井 直樹
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.19-26, 1988 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

耕うん時の土壌-機械系の力学的挙動の解析に用いるデータを実験的に得るための計測システムの主要部である小型土壌内応力/土壌変位センサおよび土壌成形装置の開発と性能評価を行った。本センサは土壌内応力を小型圧力センサで検出するとともに, 光ファイバの点光源を土壌槽のガラス壁越しに撮影したものをコンピュータ画像処理して土壌変位を求める方式のものである。本センサを複数個用いることで土壌圧縮時の応力やひずみ分布を測定することができ, 土壌成形装置を用いてある一定条件付近の土壌の再生が土壌槽内に行えるようになった。
著者
川村 周三 夏賀 元康 河野 慎一 伊藤 和彦
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.95-104, 1996 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17

機器分析による米の食味評価法が開発され実用化されている。しかし, 機器分析による米の食味評価が官能試験の食味評価に換えて利用できるか, それぞれの機器で得られた食味評価に相関があるか, などの客観的データに少ない。そこで, 近赤外分光法を利用した3機種と電磁波を利用した1機種を用い, 61種類の米の機器分析と官能試験とを行った。機器分析による食味評価と官能試験の総合評価との相関は低かった。したがって, これらの機器は食味評価として数値を示すほどの精度はなく, 食味別に米をグループ分けすることに用いるのが適当であった。各機器の食味評価値の間に互換性はなかった。機器分析法による米の食味評価の今後の発展のためには食味評価尺度の統一が不可欠である。
著者
伊藤 信孝 鬼頭 孝治 白 捷
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.11-16, 1994

履帯式車両の旋回性の評価は, 一般に旋回に要する所要エネルギ, 旋回半径, 旋回時間等で評価される。自脱コンバインのように農業仕様のものでは上記の評価項目に加えて, いかに旋回時に圃場表土を乱さないかが大切である。本報では信地旋回, 超信地旋回時に圃場表土が2次元的にどの程度乱されるかを, 比較・検討, 考察した。その結果, 従来の信地旋回方式は超信地旋回に比較して旋回時に圃場が乱される面積が理論的に2倍, 実験的に約1.7倍であることを明らかにした。
著者
飯田 岳 野口 伸 石井 一暢 寺尾 日出男
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.87-93, 2000-03-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
40

精密ほ場管理技術による適切な窒素施肥管理が, 収量増加, 環境保全や生産コスト削減の面から期待されている。本研究はマシンビジョンを用いた作物窒素ストレスのリモートセンシングシステムの開発を最終目標とし, 本報ではシステムの構想を概略した。既往のディジタル葉緑素計や葉色カラースケールに対し, 葉面反射率を測定するマシンビジョンによる窒素ストレス診断法を提案した。トウモロコシ葉面の分光反射特性を調べた結果, 反射測定においては550nm, 650nm分光が窒素ストレス推定に適していると判断し, 今後屋外実験においてマシンビジョンに装備する光学バンドパスフィルタの波長帯を550nm, 650nmに決定した。
著者
鳥居 信平
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.251-262, 1939-12-25 (Released:2010-04-30)
著者
富樫 千之 松森 一浩 上出 順一
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.83-89, 1998-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

ディーゼル機関の代替燃料の一つとして研究している植物油 (ナタネ脱酸油, パーム脱酸油) および両油と軽油の混合油の動粘度と噴霧粒径の関係を調べた。噴霧粒径の測定は前報と同様に受止め液をシリコン油とする液浸法とし, 動粘度は供試植物油と軽油の混合割合および燃料噴射温度を変えて調整した。その結果, 各噴射温度において供試油の動粘度が高くなるにつれて, 平均噴霧粒径は連続的に大きくなり, 2油種間に相違は認められなかった。さらに, 噴射温度が異なっても, 平均噴霧粒径は供試油の動粘度との関係で1本の曲線に整理できることを明らかにした。