著者
倪 静萍 鍛冶 弘一 柳 久雄 上田 裕清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.143, pp.65-70, 1996-07-05

100℃に保ったKBr上に蒸着したMe-PTC膜は互いに直交する短冊状結晶から形成され、Me-PTC結晶は基板結晶と[100] (001)_<Me-PTC> &parsl; [110] (001)_<KBr>の関係で配向成長した。このKBr上のMe-PTC配向膜を基板として室温でCuPcあるいはVOTPPを蒸着すると、Me-PTCの短冊状結晶上にCuPcの針状結晶あるいはVOTPPの矩形状結晶が形成した。CuPcおよびVOTPP結晶はMe-PTC膜上で[010] (001)_<CuPc> &parsl; [100] (001)_<Me-PTC>および[100] (001)_<VOTPP> &parsl; [100] (001)_<Me-PTC>の関係でヘテロエビタキシャル成長した。
著者
真島 豊 平岡 俊郎 江草 俊 早瀬 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.30, pp.47-52, 1996-05-07
参考文献数
19

酸素原子でシリコン主鎖を架橋したポリシランは、常温において可視領域でEL発光する。この酸素架橋ポリシラン膜は、前駆体poly(methoxymethylsilylene/phenylmethylsilylene) (PMMS)をキャストして、加熱架橋することにより得られる。ITO/酸素架橋ポリシラン/Al構造のEL素子において、11V印加時に2A/cm^2という比較的大きな電流値が観察された。このEL発光はSi主鎖構造に関連したものと考えられる。
著者
山崎 亮輔 浅木 信吾 馬場 暁 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.59, pp.21-25, 2010-05-20
参考文献数
8

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致して表面プラズモンを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。我々は、金属格子上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ってきている。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みている。今回、格子間隔の異なるグレーティングを用いてセンシングを行い比較・検討を行ったので報告する。
著者
戸谷 健朗 林 秀樹 渡辺 敏行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.59, pp.29-34, 2008-05-22

光を吸収することなく偏光を分離する偏光板を実現するために,複屈折ファイバーとマリックス樹脂で囲んだポリマーコンポジットの系を利用した.繊維の複屈折および樹脂の屈折率調整は比較的容易であり,これらの条件を整えることで偏光の拡散・反射を制御し、偏光分離機能を発現させることができた.偏光分離特性はコンポジットである繊維の複屈折と断面形状に依存して変化することがわかった.この特性はシミュレーション計算による理論および,実際に作製した素子による測定の両方で確かめられた.断面が三角形の繊維を用いてフィルムを作製した場合,偏光分離特性が向上し,さらに複屈折の大きな材料を選ぶことで偏光度は97%以上に達することが予測された.
著者
古川 昌司 大多 英隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.105, no.22, pp.1-5, 2005-04-14

我々は、今までに、ポリジメチルシラン、ポリジエチルシラン、ポリジプロピルシラン、ポリジブチルシラン、ポリジペンチルシラン、ポリジヘキシルシラン、ポリメチルエチルシラン、及びポリメチルノーマルプロピルシラン等、種々の対称及び非対称側鎖を持つ有機ポリシランの分子構造とパッキングについて検討・報告してきた。その結果、分子構造は、同一分子内の側鎖間の立体障害により主に決定されることが分かった。また、1個のシリコン原子に同じ2個の側鎖が結合(対称側鎖)しても、幾何学的には非対称に配置されることが分かった。2個の側鎖が幾何学的に対称に配置されると、立体障害が生じるためである。さらに、主鎖のコンフォメーションがオール・トランスの場合、c軸方向の周期は約0.4nmとなり、メチル基及びメチレン基のファン・デル・ワールス直径と等しくなる。そのため、側鎖(アルキル基)は第2隣接のシリコン原子に結合している側鎖と、うまくファン・デル・ワールス結合する。今回、ポリメチルエチルシラン及びポリメチルノーマルプロピルシラン以外の非対称側鎖を持つ有機ポリシランの分子構造とパッキングについて検討したので、それらの結果について報告する。
著者
斉藤 宏二 駒野 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.95, no.333, pp.7-12, 1995-10-20

表面実装技術に使用する厚膜ポジ型フォトレジストのノボラック樹脂の分子量による耐めっき性の向上と、現像方法によるプロフィルの改良を検討した。ノボラック樹脂の分子量を高くすることによって、従来、60℃の、めっき温度でレジストに発生したクラックが、70℃でも発生することなく、レジストのパタ-ン通りのめっきが可能となった。パドル現像において、現像途中で現像液を繰り返し数回取り替えることにより、所定の時間より現像時間を30%短縮でき、さらに、垂直な側壁を持ったレジストプロフイルを得ることができた。これらを改良することによって、厚さ20μmで20μm角のAuバンプの形成が可能になり、さらにそのめっき時間を半分にすることができた。
著者
山口 留美子 渡辺 昭則 佐藤 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.137, pp.57-62, 1999-06-24

ポリ酢酸ビニル(PVAC)をケン化反応させることによって得られるポリビニルアルコール(PVA)において、そのケン化度と液晶配向特性の関係について実験、測定を行った。すなわち、PVAC膜または種々のケン化度のPVA膜を用いて流動配向、またはラビング処理によるホモジニアスセルおよびTNセルを作製し、配向状態の観察と方位角アンカリング力の測定を行った。ホモジニアスセルでは、方位角アンカリングがケン化度の増加とともに増加すること、PVACや低ケン化度PVAでは時間経過とともに配向が液晶の相転移に対して安定し、アンカリング力が増加することが確認された。TNセルでは、PVACや低ケン化度PVA配向膜では、液晶注入から時間とともにねじれ角が減少することが確認された。このため、ホモジニアス配列とTN配列では異なるアンカリング力が現れる結果となり、高ケン化度PVAにおいても、TNセルではホモジニアスセルと比較し,低いアンカリング力が得られた。以上の結果から、液晶の配列が配向界面に及ぼす影響を議論した。
著者
白鳥 世明 Michael F. Rubner
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.430, pp.21-25, 1998-11-20
被引用文献数
18

電解質ポリマーの交互吸着において、吸着槽のpHをシステマティックに制御することにより、全体の膜厚をオングストロームオーダで制御可能であるばかりでなく、ポリカチオン、ポリアニオンそれぞれの膜厚の寄与分をもオングストロームオーダーで制御することが可能である。また、各電解質ポリマー成分の浸透性を調整することができ、表面の接触角を詳細に制御することが可能である。したがって、電解質ポリマーの交互吸着法は有機エレクトロニクス材料、特に有機複合材料としての超薄膜作成に非常に有望である。
著者
村井 秀哉 齋藤 悟郎 上原 伸一 五藤 智久 中田 大作 三村 広二 住吉 研 葉山 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.651, pp.43-48, 2001-03-02

ホログラフィック高分子分散液晶(HPDLC)素子は,カラーフィルタを用いることなくカラー表示が可能であり、偏光板が不要なため明るい反射型LCDが期待できる。今回、反射型ディスプレイとしての有用性を実証するため、カラー表示可能な3層積層型HPDLC素子(4文字表示)を試作した。この3層積層型HPDLC素子は.視差を抑制するために0.lmm厚の薄ガラスを使用し、視野角を拡大するためにディフューザを通してレーザー光を照射したR、G、B3色の単層素子を貼り合わせて作製した。得られた積層HPDLに素子は、電圧無印加状態で標準白色に近い白色を示し、電圧印加によるマルチカラー表示が可能であった。
著者
曽根 博之 片山 貴裕 石橋 茂雄 臼井 博明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.435, pp.25-30, 2002-11-06
被引用文献数
6

イオン化蒸着法を用いると蒸着時に重合活性種を作ることができ,アクリレート化合物などを基板上での連鎖反応により重合させることができる。蒸着重合中に色素を共蒸着することにより,色素分子の構造や溶解性に左右されることなく,色素ドープ高分子膜が得られるものと考えられる。そこで,発光性色素を蒸着中に,重合性アクリレートをイオン化蒸着法により共蒸着して,色素混入量を制御した蒸着重合膜を作製した。この膜は,色素単独の蒸着膜と比較し,熱的安定性が向上するとともに,ホール輸送層に積層したEL素子で発光を観察した。
著者
矢吹 聡一 水谷 文雄 平田 芳樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.127, pp.7-10, 2002-06-13

フェロセン修飾ポリアリルアミンを次のように作製した;ポリアリルアミン溶液中にフェロセンカルボアルデヒドを加え,反応させた.未反応のフェロセンを除去するため,濾過,透析を行い,水素化ホウ素ナトリウムでシッフ塩基を還元した.このフェロセン修飾ポリアリルアミンと,ポリスチレンスルホン酸(あるいはDNA)とアルコールオキシダーゼをグラッシーカーボン電極上に滴下し,乾燥させて,酵素固定化電極を得た.この電極に+0.6V vs. Ag/AgClの電位を印加して,メタノールに対する電流応答を測定した.ポリアニオンとしてDNAを用いると,メタノール添加時に酸化電流増大が観察され,膜中で酵素,メディエーターが機能していることが明らかになった.