著者
金子 尚史 植田 哲郎 野村 眞吾 杉山 敬三 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.153-158, 2006-11-22
被引用文献数
7

大規模災害発生時の問題の一つとして,通信インフラ障害による被災地との通信の断絶がある.被災者の安否確認や救援作業を迅速・的確に行うために,通信インフラを早急に確立することは重要である.通信インフラを早急に確立する有力な手段として,コグニティブ無線を用いた可搬型の基地局による自律的なネットワーク構築が検討されている[1][2].コグニティブ無線では,周辺の無線環境を認識し最適な無線メディア(無線リソース)を選択することから,無線環境を正しく認識することが重要であり,現在の無線環境のみならず無線環境を予測することが出来れば,さらなる周波数利用効率の向上やスループット向上等が期待できる.本稿では,コグニティブ無線基地局の無線メディアの有力な候補のひとつであるIEEE802.11(無線LAN)における無線環境認識・予測について検討を行った.無線環境情報が送信される周期が比較的長い場合を想定し,実環境での無線LANキャプチャデータから実測値と予測値との比較を行った.その結果,回帰直線による予測値は,良くても平均値を用いた場合と同程度であった.
著者
金子 昌彦 長谷部 聡 比企 豊 西村 敦志 佐藤 敏朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.153, pp.109-112, 2010-07-22

オープン・メッシュネットワークは、レイヤ3でメッシュを構成するため、異種の無線方式を統合してネットワークを構築できる。新潟大学と共同でオープン・メッシュネットワークに有用な物理層の機能を研究してきた。また、ウィビコム製OFDM IPコアを応用したFPGA無線モジュールの適用可能性を検討している。本OFDM IPは、MATLABシミュレーションからFPGA実装まで一貫した開発環境であり各種の無線方式に対応できる。なお、本研究はSCOPE補助金を得て実施した。【研究開発課題名 オープン・メッシュネットワークの研究開発,研究代表者 間瀬憲一(新潟大学大学院自然科学研究科)】
著者
山口 博久 庄納 崇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.557, pp.25-32, 2007-03-01

ウルトラワイドバンド(UWB)のデバイス開発と並行して各国の法制度化が進展している。UWBが既存、さらに将来の無線システムと周波数を共用することから、当初の導入には干渉検知・干渉抑圧(DAA)技術の導入が条件となっている。本稿ではマルチバンドOFDM (MB-OFDM)方式のUWBに関して、法制度化で課題となっている干渉問題を議論する。特に現在、欧州の法制度化で議論が進行しているWiMAXとUWBとの共用問題に関して、DAAの処理フロー、アップリンク(UL)、ダウンリンク(DL)信号検知の考え方を述べる。
著者
花岡 誠之 中原 成人 矢野 正 吉澤 聡 平田 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.5-10, 2006-11-22
被引用文献数
15

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では端末に対して単一のIPアドレスを付与しつつ複数システムの切り替えを高速に行う方法について提案し,その制御シーケンスやパケットフォーマットについて述べる.
著者
阪口 啓
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.250, pp.159-164, 2008-10-15
被引用文献数
6

無線通信技術は一定の発展を終え,今後はヘテロジニアス無線分散ネットワークの時代に入ると予想される,本稿ではこのヘテロジニアス無線分散ネットワークの概念を道路交通網に準えて概説する.無線ネットワークと道路交通網はどちらも同様の発展を辿る社会インフラである.現状の無線ネットワークは一対向の通信をMIMOなどの技術を用いて高度に行えるようになったばかりである.これは道路交通網に例えると複数車線の道路を構築する技術を確立した段階である.よって次の段階として道路網構成の高度化(分岐,合流,複数ルート,対向車線,相互接続,交差点)や,既に構築された道路の相互乗入,ナビゲーションサービスの展開などが考えられる.この様に多様な構成要素や異種の道路から構成される道路交通網をヘテロジニアス道路分散ネットワークといい,各構成要素は分散しているが互いに連携して機能している.本稿は無線において,これらと同様のヘテロジニアス無線分散ネットワークが今後どの様に構築されるかを予想する.
著者
岡田 健一 菅原 弘雄 益 一哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.217, pp.97-103, 2005-07-21

本研究では, Si CMOS技術によるマルチスタンダード無線回路の実現に向けて, リコンフィギュラブルRF回路技術を提案する.提案する回路アーキテクチャは, RF回路部とディジタルの制御回路から構成されており, トランジスタや可変受動素子のバイアス電圧を制御することにより, また, 回路をブロックごと切り替えることにより, 回路機能を動的に再構成する.再構成機能を用いることで, マルチバンド化のみならず, 歩留まりの向上や低消費電力化が可能であり, 静的な回路では実現不可能な高品質な回路の実現が可能である.
著者
樫木 勘四郎 野原 光夫 藤本 貴 矢野 裕明 中村 博行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.159-164, 2006-11-22
被引用文献数
2

本稿では,コグニティブ無線に適用可能な無線ビームスイッチング方式について,無線周波数利用効率の観点から,Web閲覧時のレスポンスタイムを評価関数として検討を行った.スイッチング方式とは,基地局間のリンクにおいて,1つの周波数帯域を周波数分割するのではなく,全帯域を対向する基地局間で時分割で共用する方法である.ネットワーク構成は,単純なトポロジーから2段接続,3ブランチの場合も検討を行った.その結果,ビームスイッチングを行うと,固定割当よりもレスポンス特性が良くなり,ユーザの周波数利用効率の観点からは有用であることが明らかになった.ビームスイッチングアンテナの開発も平行して行っており,通信装置も含めたシステム全体の特性についても今後検討を行っていく.