著者
矢野 正基 大賀 隆裕 大西 正輝
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J102-D, no.2, pp.34-52, 2019-02-01

深層学習の分野はAlexNetの登場により画像識別精度が大幅に向上して以来,毎日のようにarXivに新たな手法が提案されるなど発展のスピードは著しい.しかし深層学習は学習に膨大な計算時間を必要とし,更なる精度向上のためには多くのハイパパラメータやData Augmentationなどを調整しなければならない.本論文では深層学習を用いた画像識別タスクにおける識別精度を向上させるためのテクニックとしてData Augmentation,学習率スケジューリング,アンサンブル手法に注目し,サーベイを行うとともに網羅的な検証実験を行うことで,できるだけ多くの知見を読者と共有することを目的としている.最後に特に精度向上に貢献したものを選択し,複合実験を行うことで定量的に評価を行い,今後の展望を述べる.
著者
矢野 正隆
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.160-165, 2016-04-01 (Released:2016-04-01)

本稿では,デジタル・メディアの保存に関する課題を踏まえて,メディア一般を対象とする保存の在り方を再検討する。まず,一般にメディアは,それが伝える意味内容(メッセージ)とこれを載せるモノ(キャリヤー)の二つの側面からなること,また,そのメッセージには,その内容に当たる側面だけでなく,発信・受信という伝達行為そのものに関わる側面も含まれることを指摘する。次に,メッセージをメディアのどこに見出すかは,受信者によって異なるが,その相異が,博物館・図書館・文書館が収集の対象とするメディアにおいてそれぞれどのように現れるかを考察する。これを通じて,メディア保存の現状に一石を投ずることを目的とする。
著者
矢野 正隆
出版者
東京大学大学院経済学研究科
巻号頁・発行日
2012-11 (Released:2013-07-04)

第38回全国歴史資料保存利用機関連絡協議会全国大会, 2012年11月8日~9日, 広島県民文化センター 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(B)「文化資産としてのマイクロフィルム保存に関する基礎研究:実態調査からの実証的分析」(課題番号:24300094)研究代表者:小島浩之(東京大学大学院経済学研究科)
著者
小島 浩之 矢野 正隆
出版者
京都大学東南アジア地域研究研究所
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.17-39, 2022-07-31 (Released:2022-07-31)
参考文献数
64

In this article, we provide an initial examination of 104 samples of writing paper from the 98 items of the Sino-Nom collection archived by a Vietnamese temple in Bangkok (Canh Phuoc Temple) and held by the Center for Southeast Asian Studies, Kyoto University. We attempt to gather various forms of quantitative and qualitative information by means of external and surface observation, shape measurement, as well as optical observation and measurement.In this collection the main fibers used to fabricate writing paper are wood pulp, bamboo, and mulberry. Items containing wood pulp (about 45 percent) can be dated to the end of the nineteenth century or later, while items made of bamboo and mulberry fibers may date back to earlier. Bamboo paper, which in China tends to be used for printed books, is also widely used for manuscripts. Such facts cannot be obtained solely through literary analysis of the documents’ contents; they were collected by expanding the range of information that could be obtained from a historical document. The study of material culture, namely, accumulating and utilizing information on these documents as objects, not only contributes to more concrete and detailed regional and historical research but also provides crucial evidence for the conservation and management of Southeast Asian materials.
著者
西澤 正己 柿沼 澄男 孫 媛 矢野 正晴
出版者
国立情報学研究所
雑誌
学術情報センター紀要 (ISSN:09135022)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.179-196, 1999-03
被引用文献数
1

なぜ米国は情報技術/情報科学の多くの面で世界をリードすることができたのか。そのなぞを解き明かすことは、我が国が情報技術/情報科学において優位性を確保するための必須条件となる。そのためには、米国と日本との比較研究をすることにより、その違いを明らかにすることが重要であると考え、本稿では、人的資源、研究費、論文数等の情報科学研究を取り巻く実態を比較研究した。その結果、日米両国の情報科学研究について以下の点が明らかになった。 (1)大学院生数及び研究者数では、日米の人口比を考慮すると、大学院生の数については日米ほぼ同じ水準にあるが、研究者の数については日本の研究者数は米国の半分以下の水準である。 (2)研究費では、中央政府による大学への研究助成金の比較を行った。日本政府が大学へ助成している金額は、GDP比を考慮すると米国の約5分の1である。 (3)論文数の比較では、米国Institute for Scientific Information(ISI)社が作成した文献抄録データベースScience Citation Index(SCI)を用いて分析を行った。その結果、「情報システム」、「ハードウェア/アーキテクチャー」、「理論/方法論」の分野では、日本の研究は相対的に盛んであるが、「ソフトウェア/グラフィクス/プログラミング」の分野は相対的に盛んでない。
著者
矢野 正晴 富田 純一
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.153-166, 2005-04-25 (Released:2018-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

大学の研究者は、企業の従業員に比べると比較的多くの者が大学間を移動しているように思われる。そこで、大学の研究者がどのような原理でこのような移動行動をとるのか、および移動と研究業績との間にどんな関係があるのかを、我が国の経済学分野の研究者を例に分析した。その結果、よりよい明日を目指して、よりレベルが高いか、より研究環境の優れた大学への移動を意識して、発表率を上げようと努力している大学研究者の姿がうかがえた。
著者
矢野 正孝
出版者
日本高専学会
雑誌
高等専門学校の教育と研究 : 日本高専学会誌 (ISSN:1343456X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.37-42, 2001-04-20

狭い島国である日本において,国際化が叫ばれて久しい.全国の高専に平成H年5月現在で539名の外国人留学生か在籍している.日本人学生の国際化も視野に入れながら,高専改革の一つの柱として数は少ないもののこれら外国人留学生の存在は見逃すことはできない.外国人留学生に関する情報交換の機会が少ない高専において発生する様々な問題に対処するために,できれば公にしたくないようなネガティブな情報も今後は開示する必要があろう.本稿では,外国人留学生の問題をマイノリティな問題としてでなく,日本人学生も含めた厚生補導の問題として捉え,留学生の失踪事件の話も交えながら,北九州高専における外国人留学生の受入れの現状と課題を報告する.
著者
神崎 真哉 井上 紘一 宇都宮 直樹 矢野 正善
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-7, 2013 (Released:2013-04-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4

本研究では7種類のモミジSSRマーカーを開発し,それらを用いてモミジ園芸品種107品種の多様性解析を行った.全部で87個の対立遺伝子が検出され,遺伝子座当たりの対立遺伝子数は4~25個,平均12.43個となった.ほとんどの品種で独自のSSRプロファイルを持っており,品種識別マーカーとしての有効性が確認された.7遺伝子座すべてで同一のプロファイルを示したグループもいくつかあったが,それらは枝変わりや異名同種であると考えられた.主成分分析の結果,供試した107品種はイロハモミジ系品種群(Palmatumグループ)とオオモミジ・ヤマモミジ系品種群(Amoenumグループ)の2つのグループに分けられた.AMOVAによりこれらのグループ間の変異は有意であることが示された.また,園芸品種においては,オオモミジ系品種群とヤマモミジ系品種群を明確に区別することはできないことが示された.以上の結果より,イロハモミジ系品種の多くはオオモミジ・ヤマモミジ系品種とは離れて独自に発達してきたのに対し,モミジ園芸品種においてはA. amoenumの2つの変種を遺伝的に区別することはできないことが示された.
著者
漆原 直人 矢野 正幸
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.207-211, 2014 (Released:2015-03-13)
参考文献数
7

小児の胃食道逆流症の当科での診断手順,治療方針と外科的治療経験などについて報告した。当科では外科治療として腹腔鏡下の Toupet 法による噴門形成術を標準術式としており2000–2013年までに Toupet 噴門形成術が151例(腹腔鏡122例,開腹29例)に施行された。脳性麻痺など神経筋疾患に伴うものが121例と最も多く,食道閉鎖や横隔膜ヘルニアなどの術後10例,食道裂孔ヘルニア10例で,合併疾患のない正常児は 5 例であった。合併疾患のない 5 例は,高度食道炎と食道狭窄 4 例と反復性中耳炎・咽喉頭炎 1 例であった。最近,胃食道逆流症が難治性中耳炎,咽喉頭炎などの原因になるとの報告がみられるようになった。しかし中耳炎,咽喉頭炎など耳鼻科領域の疾患と GER の関係については,症例も少なく,また小児外科医への認知度も低いことから,今後の検討が必要と思われる。
著者
山本 淳二 花岡 誠之 矢野 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.146, pp.19-24, 2007-07-12
被引用文献数
1

移動通信システムにとって使い勝手の良い6GHz以下の帯域については,第3世代携帯電話や無線LANを始めとして稠密に利用されており,深刻な電波の逼迫状況が生じている.電波の利用状況は時間や場所に応じて異なっており,逼迫している電波をより有効かつ効率的に活用するため,複数の電波利用システム間における電波の高度な共同利用の実現が求められている.報告者はこれまでに複数の無線システムを統合するコグニティブ無線システムについて無線環境認識技術やコグニティブ無線を実現するためのシステム構成について検討してきた.本報告では,基礎実験システムにIP-TV電話を接続し,コグニティブ無線システムの基礎通信システムの通信特性の測定結果を示す.測定の結果,無線LANは通信悪化時に各種測定値の変動が大きいが,通信状態の復帰時に測定値の復帰が早く,WiMAXは802.16-2004と802.16eのどちらも通信悪化時の変動が小さい代わりに測定値の復帰に時間が掛かることが判った.
著者
玄場 公規 矢野 正晴 ヤング 麻里子
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は日本及び海外の研究大学のURA(大学のリサーチ・アドミニストレーター)の機能、モチベーション、役割の比較分析を行う。調査の結果、以下の点が明らかとなった。海外の研究大学のURA人材は法律、経理・財務、知的財産などの高い専門性を有しており、研究者に高度な研究支援サービスを提供していた。また、仕事に対するモチベーションも高く、職務への満足度も高い。さらにキャリアパスも多様であり、研究者としてのキャリアを有している人材も数多くいるが、一方で人材の流動性は決して高くないことが確認された。日本のURAも政策支援により採用されているが、専門性とモチベーションを高める努力が必要である。
著者
小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 安形 麻理 矢野 正隆 吉田 成 内田 麻里奈 森脇 優紀 冨善 一敏 設楽 舞 野中 治 木部 徹 島田 要
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、記録媒体として紙に次ぐ歴史を有するにもかかわらず、これまで学術的な観点から調査・研究がなされてこなかったマイクロフィルムについて、図書館等への訪問実態調査(33機関)、および図書館と文書館への質問紙調査(大学図書館:1,378、都道府県立図書館:58、国立国会図書館:1、公文書館:75、大学文書館:88、専門図書館:380)を基軸とし、生産・出版・保存・活用・管理等の諸側面から総合的に分析した。
著者
矢野正次著
出版者
芸林草房
巻号頁・発行日
1974
著者
津留 豊 小林 佳弘 伊東 真吾 大和 秀一郎 矢野 正明
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.602-602, 2010-08-01 (Released:2011-02-26)
参考文献数
14

For zinc electroplated from a bath consisting of zinc chloride and ammonium chloride, we investigated the influence of some commercial brighteners on crystal growth and surface morphology. The bath was developed for formation of chrome (III) hydroxide type chemical conversion coatings, which contribute high corrosion resistance to zinc films. With increasing concentration of brighteners and cathode current density, the overpotential increased and the zinc deposits changed from a gray to a brighter appearance. Over the critical concentration of brighteners, zinc deposits invariably showed the preferred orientation of 10·1 plane and 10·0 plane in accordance with Pangarov's view. Especially, the latter plane might be a twin crystal formed along the twin boundary of the 10·2 plane on 00·1 plane of electroplated zinc. Increased concentration of the brighteners did not change the preferred orientation greatly, but it did reduce the grain size of zinc deposits.
著者
牧 俊夫 矢野 正行
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1035, pp.585-594, 1981-11-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

硫酸アルミニウムと塩化アルミニウムの水溶液及び消石灰乳液を種々の割合に混合することによって, 主にエットリンジャイト (6CaO・Al2O3・3SO3・32H2O) からなる白色のケーキを作製した. 次にそのケーキを500℃及び600℃で仮焼し, 粉砕して80-200メッシュの粒度をもつ試料を調製した. 2.9CaO・Al2O3l・4SO3または2.5CaO・Al2O3・1.2SO3の酸化物組成をもつ仮焼粉末は, 粒子強度とウランに対する捕集速度がかなり大きかった. すなわち U(VI) イオンの100ppmを主に[UO2(CO3)3]4-の形で含むアルカリ水溶液の50ml中に, それらの粉末の0.100gを2時間浸漬したとき, それらの試料は溶液中に存在するU(VI) イオンの80-100%を捕集した. 捕集したウランは60℃に保った5% NaHCO3溶液中に試料を1時間浸漬する方法で脱着させることができる.捕集前後の上記粉末のX線回折分析及び試料粉末を浸漬したときに起こる純水及び吸着液のpHの変化から, 本試料によるウランの捕集は, 試料の加水分解により生成するCa(OH)2と吸着液中の[UO2(CO3)3]4-イオンが反応して試料表面に二ウラン酸カルシウム (CaU2O7) が生成するために起こること, また脱着はCaU2O7と上記NaHCO3溶液が反応してU(VI) がもとの[UO2(CO3)3]4-イオンに戻るために起こることを明らかにした.
著者
矢野 正明
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.381-387, 2019-08-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
74