著者
佐々木 英樹 ゴビン ビヌー スリニバサン クリシュナ ダルミナ シダース サンダラム ベンキー スワミナッサン マダハバン トゥマラ ラオ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.874-884, 2006-11-01
被引用文献数
1

本論文では,ミックスドシグナルSOP (System-On-Package)を実現する際の電気的な課題の一つとして,RF回路とディジタル回路を混載したパッケージにおけるノイズ干渉メカニズムについて検討している.SOPとは,ディジタル,アナログ,RF,オプト,MEMS (Micro Electro Mechanical Systems)などの異種デバイスを一つのパッケージ内に組み込むことで今後の複雑化するシステムをワンパッケージで実現するというコンセプトであり,現状,メモリチップとロジックチップで構成されたシステムインパッケージ(SiP)を包含するものである.本検討では,ディジタル回路と,受動素子を基板に内蔵したRF回路を混載したテスト基板を用いて,ディジタル回路のレイアウトを変えた際のRF回路に与える影響を評価し,二つのノイズ干渉メカニズムを抽出している.
著者
渡辺 重佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.658-660, 2003-06-01
被引用文献数
18

動作時の微細MOSFETのゲートリーク電流が低消費電力用2電源(V_H,V_L)方式に及ぼす影響について解析した.ゲートリーク電流によるシステムLSIの動作時の消費電力は従来の充放電による消費電力同様にV_L/V_H=0.6〜0.7で最小になり,消費電力の削減効果は充放電のときよりも更に15%程度大きくなる.
著者
坂本 雄児 長尾 智大
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.150-157, 2002-03-01
被引用文献数
2

計算機合成ホログラフィ(Computer Generated Holography)は,計算機内の仮想的な物体から立体像を表示する技術であり,立体的な視覚特性を満たす表示方式として注目されている.しかし,ホログラムを作成するのに必要な光の伝搬計算に膨大な時間がかかる問題点があった.本論文では,物体のモデリング手法として,物体を基本的な図形によって定義するパッチモデルを用い,このモデルよりの高速なホログラム計算法を提案する.更に,計算機シミュレーションによりアルゴリズムの検証を行うとともに,本提案法を用いて作成したホログラムによる光学実験結果を報告する.
著者
三上 修 内田 禎二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.715-726, 2001-09-01
被引用文献数
20

飛躍的に増大した情報の円滑な伝送・処理を行う上で, 従来の「金属配線」による電気信号伝送がシステム性能向上のボトルネックとなっている.この解決のため, 新たに光エレクトロニクス技術によって情報伝送を担う「光配線」の必要性が高まっている.しかし配線上, 寸法上, 信号の伝わり方等でエレクトロニクス(電気)とは異なる「光の特殊性」のため, 集積化や実装技術面で深刻な課題にぶつかっている.本論文では, まず電気配線と比較して光配線が有する利点について述べる.次に階層別の光実装技術の現状について簡単にレビューする.最後に, ボードレベルの光実装問題の解決を目指して本学で進めている光表面実装技術について, 基本概念といくつかの実験結果を紹介する.
著者
斗内 政吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.5, pp.323-332, 2002-05-01
被引用文献数
2

フェムト秒光パルス励起に伴う高温超伝導体の超高速電荷ダイナミックスを研究する手段として,テラヘルツ電磁波放射を用いることを提案し,その時間領域波形から,雪崩崩壊過程,ホットエレクトロンのバンド内緩和,準粒子再結合過程,対粒子の動的振舞いなどが議論でき得ることを明らかにする.また,超高速光超伝導電流変調により,従来の超伝導理論では許されない,超伝導内部における磁束量子の生成と制御が可能であること,並びにその現象の応用展望についても報告する.
著者
楠 繁雄 山本 勝也 初谷 匡長
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.270-282, 2003-03-01
被引用文献数
2

電力増幅器が発生する隣接チャネル漏れ電力(ACP)において,上下非対称な広がりが見られる場合がある.非対称なスペクトルの広がりは,包絡線に対する電源インピーダンスの値に影響を受けることが知られているが,Predistortionを用いたPredistortion PAにおいても観測される場合がある.本論文では.Predistortionとして,特にdual-gate FETを配置したPredistortionにおける非対称ACPの発生について,ボルテラ級数を用いて解析し,その発生の機構を解明するとともに,これを回避できる回路構成について報告する.
著者
竹上 栄治 樋口 幸治 中野 和司 富岡 聡 渡辺 一史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-736, 2005-09-01
被引用文献数
6

情報通信ネットワーク機器や高速サーバにおいては, 広範囲な負荷変動及び入力電圧変動に対して過渡応答特性が劣化しないロバストなDC-DCコンバータが必要とされる. 筆者等は, DC-ACコンバータの近似的2自由度ディジタル積分形制御器の設計法を提案した. このディジタル制御器はスタートアップ特性として一次モデルを近似的に実現し, ロバストなものとなっている. DC-DCコンバータにこの近似的2自由度ディジタル制御器を適用するには, ロバスト性をより高める必要がある. そのためには十分な近似度を得る手法を確立しなければならない. 本論文では, 制御帯域幅をより広くし, 同時に出力電圧の変動を抵抗負荷や入力電圧の突然の変化に対して十分小さく抑える近似的2自由度ディジタル積分形制御器の新しい設計法を提案する. 本設計法では, スタートアップ特性の目標モデルに二次モデルを用いる. この二次モデルへの十分な近似と外乱から出力電圧への伝達特性の十分な近似を得るための制御器の設計法とそのパラメータの決定法を示す. 提案された方法によって得られたディジタル制御器は, DSPに実装され, 与えられた仕様を満たすことを実験によって検証する.
著者
堀 圭児 本川 善幸 多田 和也 小野田 光宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1064-1069, 2002-12-01
被引用文献数
2

大気中においてITO及び金属の電極材料上に製膜する導電性高分子の膜厚を変えることによって接合界面の電子状態の変化を大気中光電子分光法及びケルビンプローブ法を用いて調べた.いずれの電極材料を用いた場合においても,大気中光電子分光法によって評価されたイオン化ポテンシャル(IP)の変化は界面から約10nmまでの領域で起きており,それ以降の膜が厚い領域では導電性高分子本来のIPに収束した.また,界面近傍でのIPの変化の度合は,電極材料の仕事関数に依存性を示した.一方,ケルビンプローブ法を利用して評価された基準電極と導電性高分子との間に生じる接触電位差と膜厚の関係は,電極材料によって顕著な違いが見られた.
著者
北原 直人 水本 哲弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.700-706, 2003-07-01

高誘電率磁性体セラミックス材料の応用例として,その特長を生かした電磁波ノイズ対策用低域型EMIフィルタを設計・試作した結果,急しゅんな減衰係数と広帯域な減衰帯域の優れた特性を有するフィルタが可能であることが判明したので以下に報告する.