著者
片山 淳 中村 高雄 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.1035-1046, 2005-06-01
被引用文献数
15

我々はカメラ付き携帯電話により種々の媒体から電子透かしをリアルタイムに検出し, 検出した情報に関連するWebページ, 動画, 音楽をユーザに提示するシステムを構築した. 撮影画像はオリジナル画像に回転, スケーリング, あおり変換を統合した平面射影変換が加わっているため, 電子透かし検出の前処理として逆変換を行いオリジナル画像と同じ幾何形状に戻す必要がある. 逆変換パラメータを求めるための特徴点として画像外形コーナを検出する場合, ハフ変換による外形直線検出やコーナパターンマッチングなどの一般的な画像処理アルゴリズム利用では携帯電話端末内のiアプリ処理系で数十秒〜数十分を要し実用的ではない. 本論文では, ハフ変換やパターンマッチングに比べてiアプリ上の処理時間が1/100以下で画像外形コーナを探索可能なSide Trace Algorithm(STA)を提案し, 携帯電話端末実機を用いた評価実験によりその性能を実証した.
著者
向井 智彦 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.78-87, 2005-01-01
被引用文献数
2

代表的な仮想人間の動作生成手法であるキーフレーム法は,各キーフレームにおける姿勢を指定し,その関節回転角を適切な関数で補間することで動作を生成する.しかしすべての姿勢を手作業で設計するには膨大な労力が必要であり,最適な補間関数の設計には熟練を要する.一方,近年ではモーションキャプチャ法を用いて実際の人体運動を計測する手法が主流になっており,計測した動作データの効率的な再利用が重要な課題となっている.本論文では,キーフレーム法に基づく動作生成に動作データの運動学的特徴を効率的に利用する手法を提案する.本手法では,筆者らが既に提案した機械学習による動作生成法を拡張し,動作データを用いて学習の報酬関数を設計することで自然な姿勢を探索する.またキーフレームの補間関数を理論的な人体運動モデルと動作データを用いて設計することで,人間らしい滑らかな動作を生成する.本手法により動作データの自然さを反映した複合的な全身動作を効率的に生成できる.