著者
戸口 太功耶 葛西 真記子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.31-42, 2014

本研究では、クィア・ペダゴジーの実践としてBritzman(1995)とQuinlivan & Town(1999)を手がかりに、それらがいかにカウンセラー養成へ組みこめるかを検討し,さらに,実際の既存の心理的自助のコミュニティ活動を取り上げ,そこにクィア・ペダゴジーの実践の具体的な方法を見出し,クィア・カウンセリング心理学に向けた実践方法の可能性を探った。Britzman(1995)とQuinlivan & Town(1999)より、カウンセリング心理学へのクィア・ペダゴジーの導入の視点として、1)肯定的な場の創造,2)個別性への焦点化,3)二分性の解放,4)仲間関係の支援が見出され,さらにコミュニティ活動を踏まえて,1)前提を認識すること,2)カテゴライズを疑問視すること,3)実践の不可能性を知ること,4)理解不可能状態を知ること,5)異なる解釈方法を支持すること,これらの視点が見出された。
著者
Murata Katsuo Mlombo Moses Saijo Noriko
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.91-94, 2005
被引用文献数
1

この研究は鉱山とその付近の川の試料を用いた教材の開発について報告したものです。これは堆積物や表面水中のマンガンを間接的に求める研究であり,教育実践に適するように実験操作は高校生用に簡易化した。ここではマンガンを堆積物から抽出し,紫色の過マンガン酸塩(MnO_4^-)に酸化し,標準濃度の溶液と比色することにより試料中のマンガンの濃度を求めた。堆積物中のマンガン量は,過マンガン酸塩の濃度を対比させることにより求めた。授業実践を想定した生徒の活動を計画し,これを地元の鳴門高校の2年生40名に対して試みた。
著者
村田 勝夫 西條 典子 Katsuo MURATA Moses MLOMBO Noriko SAIJO
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
no.20, pp.91-94, 2006-02-26

この研究は鉱山とその付近の川の試料を用いた教材の開発について報告したものです。これは堆積物や表面水中のマンガンを間接的に求める研究であり,教育実践に適するように実験操作は高校生用に簡易化した。ここではマンガンを堆積物から抽出し,紫色の過マンガン酸塩(MnO_4^-)に酸化し,標準濃度の溶液と比色することにより試料中のマンガンの濃度を求めた。堆積物中のマンガン量は,過マンガン酸塩の濃度を対比させることにより求めた。授業実践を想定した生徒の活動を計画し,これを地元の鳴門高校の2年生40名に対して試みた。国立情報学研究所『研究紀要公開支援事業』により電子化。
著者
吉井 健治
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
no.31, pp.127-134, 2016

不登校の予防は現代的な教育課題の1つである。本論文で筆者は,不登校の予防において子ども及び支援者に何が必要とされているのかを考察した。まず,不登校の予防における一次予防(未然防止),二次予防(早期発見・早期対応),三次予防(重症化の防止)を説明した。次に,不登校の予防のために子どもに必要とされていることとして「学校の楽しさ」と「こころの栄養素」の2点を指摘した。Kohut,H.の自己心理学理論を適用するならば,こころの栄養素(自己対象)は,自信(鏡映自己対象),希望(理想化自己対象),仲間(分身自己対象)から構成されている。最後に,不登校の予防のために支援者に必要な関わり方として「調節(アジャストメント)」という概念を提唱した。The prevention of non attendance at school is one of the modern educational problems. In this article, I considered about what was required to children and their supporters in the prevention of non attendance at school. At first I explained the primary prevention, the secondary prevention, and the tertiary prevention. Then, I pointed out two points of "pleasure of the school" and "the nutrient of the heart", which were required to children in the prevention of non attendance at school. If I apply psychoanalitic selfpsychology theory, the nutrient of the heart (selfobject) consists of the confidence (mirroring selfobject), the hope(idealized selfobject), and the friend (alterego selfobject). Finally I proposed a concept called "adjustment" as the way of relationship which were required to their supporters in the prevention of non attendance at school.
著者
立岡 裕士
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
no.31, pp.103-113, 2016

早鳥/はやとりという作品は,戦前・戦後を通じて約40年間,小学校国語教科書に教材として利用された。この作品には国定教科書系と光村出版系との二つの種類があるが,構成には大きな差はない。いずれの作品でも主題となっているのは,子どもと重ね合わされる楠の伸びる力とそれが障害となった時の人々の対応とである。人々の対応をどれほど重視するかは教科書によって同じではないが,この二つの近代的価値がこの教材を長く採用させることになった要素であろう。Hayatori is a tale adapted as a textbook material of elementary school. It was adopted nearly for 40 years in spite of great social change in Japan. This author enquired the value laden for the tale as the background of the preference for thie tale. The growth power of a camphor tree identified as those of children, and the decisiveness of people who were compelled to confront the tree, are the main element for the preference.
著者
ラマハン・アブ・ジャイエット・モハマッド・サリクール 粟田 高明 跡部 紘三 アブズル アワル カーン
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.113-117, 2005

バングラデシュ人民共和国の中等理科教育における,女子生徒の「理科」に対する忌避傾向の理由を調べるために,バングラデシュの中等学校の生徒および教師に対してアンケート調査を行った。アンケート調査は,グレード9および10(中等学校)の270名の生徒および87名の教師を対象に,選択式および自由記述式の項目を用意して行った。必要に応じて生徒の両親に対しても,インタビュー形式で同様の調査を行った。アンケート調査の結果から,バングラデシュの文化的および社会的な背景が,女子生徒の理科に対する忌避傾向に強く影響していることがわかった。また科学技術分野で活躍する女性の科学者や技術者がバングラデシュに極端に少ないこと,理科を学習する女子生徒に対する十分な家族のサポートが期待できないこともあり,そのようなことが女子生徒の理科に対する意欲を失わせていることが判明した。これらの女子生徒の理科に対する忌避傾向をなくすためには,女子生徒に対する理科の学習意欲の向上,両親達の良心の向上などが不可欠である。また女子生徒に対する奨学金の充実や,関連する科学技術分野への登用などの政策立案も加えて必要である。
著者
葛西 真記子 石川 八重子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-10, 2014-02

本研究は,高校生のスポーツ活動経験が,リジリエンスにどのように影響するのかを明らかにすることを目的として,スポーツ成長感認知尺度,リジリエンスを測定する精神的回復力尺度の2つの尺度を用いた質問紙調査を行った。調査対象者は,高校生397名(運動部所属230人,文化部所属27人,無所属140人)であった。分析の結果,運動部活動をしている高校生は,スポーツ成長感認知やリジリエンスが高い(仮説1),スポーツ成長感とリジリエンスの関連は,学年,経験年数に関連する(仮説2),スポーツ活動の活躍度合い強さとスポーツ成長感やリジリエンスと関連している(仮説3)ということが明らかとなった。
著者
戸口 太功耶 葛西 真記子
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.31-42, 2014

本研究では、クィア・ペダゴジーの実践としてBritzman(1995)とQuinlivan & Town(1999)を手がかりに、それらがいかにカウンセラー養成へ組みこめるかを検討し,さらに,実際の既存の心理的自助のコミュニティ活動を取り上げ,そこにクィア・ペダゴジーの実践の具体的な方法を見出し,クィア・カウンセリング心理学に向けた実践方法の可能性を探った。Britzman(1995)とQuinlivan & Town(1999)より、カウンセリング心理学へのクィア・ペダゴジーの導入の視点として、1)肯定的な場の創造,2)個別性への焦点化,3)二分性の解放,4)仲間関係の支援が見出され,さらにコミュニティ活動を踏まえて,1)前提を認識すること,2)カテゴライズを疑問視すること,3)実践の不可能性を知ること,4)理解不可能状態を知ること,5)異なる解釈方法を支持すること,これらの視点が見出された。