著者
小池 靖
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.73-77, 2013-10

葛西賢太/板井正斉編著 『叢書・宗教とソーシャル・キャピタル3 ケアとしての宗教』 明石書店、 2013年4月、 A5判、 300頁、 2500円+税
著者
川田 進 カワタ ススム Kawata Susumu
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-16, 2012-10

2010年4月、中国青海省のチベット人居住地区で大震災が発生した。ラルン五明仏学院(四川省色達県)は即座に救援隊を派遣し、医療を中心とした支援活動を展開した。本稿は救援隊に参加した漢人信徒の手記にもとづき、ソーシャル・キャピタルと中国政府の新たな宗教政策という2 つの視点から、チベット仏教組織が行った社会貢献活動の内容と意義を明らかにする。
著者
辻村 優英 ツジムラ マサヒデ Tsujimura Masahide
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.17-40, 2012-10

本稿では、ダライ・ラマ14 世の諸々の発言から、「宗教と社会貢献」にかんする見解を浮き彫りにすることを目的としている。ダライ・ラマ14 世は「宗教」(religion)と「スピリチュアリティ」(spirituality)とを区別しつつ「普遍的宗教」(universal religion)がすべての人々に必要であるとした。その核心は「利他心」である。また、彼のいう利他主義は、は「賢明な自己利益」(wise self-interest)という言葉によって特徴づけられるものであり、他者の利益の実現のうちに自己利益を見出すものである。
著者
白波瀬 達也 シラハセ タツヤ Shirahase Tatsuya
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.41-58, 2012-10

本稿はプロミスキーパーズという名称のキリスト教系ホームレス支援NPOのケーススタディを通して日本のFaith-Related Organization の志向性に焦点をあてる。プロミスキーパーズは活動開始当初、教会としてホームレス支援をしていたが、活動のための資源を多元化するためにNPO となった。そうすることで、プロミスキーパーズはホームレスに対して様々な支援を提供することが可能となり、沖縄で最も信頼されるホームレス支援組織となった。プロミスキーパーズは内部の結束力の強い教会を基盤にしながら、外部に開かれたNPOとして活動している。すなわち、プロミスキーパーズは結束型ソーシャル・キャピタルと橋渡し型ソーシャル・キャピタルの双方を内在させているのである。近年、「宗教の社会貢献」が社会的に学問的に要求されているが、本稿の事例は宗教の新たな社会参加のモデルを考察する一助となるだろう。
著者
川田 進 Kawata Susumu カワタ ススム
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-16, 2012-10

2010年4月、中国青海省のチベット人居住地区で大震災が発生した。ラルン五明仏学院(四川省色達県)は即座に救援隊を派遣し、医療を中心とした支援活動を展開した。本稿は救援隊に参加した漢人信徒の手記にもとづき、ソーシャル・キャピタルと中国政府の新たな宗教政策という2 つの視点から、チベット仏教組織が行った社会貢献活動の内容と意義を明らかにする。
著者
白波瀬 達也 Shirahase Tatsuya シラハセ タツヤ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.41-58, 2012-10

本稿はプロミスキーパーズという名称のキリスト教系ホームレス支援NPOのケーススタディを通して日本のFaith-Related Organization の志向性に焦点をあてる。プロミスキーパーズは活動開始当初、教会としてホームレス支援をしていたが、活動のための資源を多元化するためにNPO となった。そうすることで、プロミスキーパーズはホームレスに対して様々な支援を提供することが可能となり、沖縄で最も信頼されるホームレス支援組織となった。プロミスキーパーズは内部の結束力の強い教会を基盤にしながら、外部に開かれたNPOとして活動している。すなわち、プロミスキーパーズは結束型ソーシャル・キャピタルと橋渡し型ソーシャル・キャピタルの双方を内在させているのである。近年、「宗教の社会貢献」が社会的に学問的に要求されているが、本稿の事例は宗教の新たな社会参加のモデルを考察する一助となるだろう。
著者
渡辺 千花 Watanabe Chika ワタナベ チカ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.23-48, 2011-10

近年、多くの社会科学者の間では国際支援を行うNGOはネオリベラリズムの統治制度を促進していると批判されてきた。本稿ではネオリベラリズムへの批判では完全に説明できない活動の例として神道系新宗教から生まれた財団法人オイスカを紹介する。特に(1)オイスカと政府関係者の歴史的関係、(2)オイスカの研修活動を主体と客体の相互関係性にもとづいた主体形成の一例として考察する。この視点は宗教とNGOの関連を追究することによって可能であり、ネオリベラリズムの枠を越えたNGO研究の新たな視座を提示する試みである。
著者
高橋 典史 Takahashi Norihito タカハシ ノリヒト
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-25, 2014-04

ベトナム戦争の終結後、ボート・ピープルなどの多くの難民がインドシナ半島から流出した。西側諸国の一員として難民受け入れを進めた日本において、民間組織のなかで主としてそれに協力したのが宗教系組織であった。本稿では、立正佼成会という新宗教教団による活動の実態を明らかにしただけでなく、教団が当該の事業に着手し、20 年近く活動を持続しえた要因として、その開始時期が教団の積極的な社会参加の展開期と重なっており、さらには事業のキーパーソンが継続的に活動に関与していたといった点を指摘した。こうした難民支援事業は、現代日本の移民(ニューカマー)と宗教との関わりについての研究において それほど注目されてこなかった対象であるため、本稿は研究の間隙を埋める意義も有している。
著者
稲場 圭信 イナバ ケイシン Inaba Keishin
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-26, 2011-04-01

19世紀なかば、とりわけ第二次世界大戦以降、都市化・産業化が進展し、日本の地域共同体は崩壊に向かっている。一方、地域共同体の紐帯の基盤にあった神道や仏教もその影響力を弱めている。本稿では、日本人の国民の3割ほどしか宗教を信じていない状況下で、日本人の精神的基層にある宗教的要素「無自覚の宗教性」がソーシャル・キャピタルと関連していることを理論的に考察する。その際、思いやり格差、和合倫理、生命主義などの日本人の意識構造を概観し、市民社会における無自覚の宗教性とソーシャル・キャピタルの関係を検討して、今後の研究の土台を提示したい。This paper provides an overview of the correlation between religion and social capital in Japan. Japan has experienced rapid urbanization and industrialization since the middle of the nineteenth century and particularly since World WarⅡ. During this process, society has changed from the one which is based on the local community (Gemeinschaft) to the one based on the impersonal association (Gesellschaft). Religion no longer serves as the symbolic basis for societal stability, solidarity and integration. Nationally only 30 per cent of the Japanese recognize themselves as religious. Under such circumstances, some Japanese have some kind of shared religiosity of which they are unconscious. This paper will discuss the setting of this unconscious religiosity and social capital in civil society in Japan by considering some important concepts related to their altruism such as harmony ethics in the hope that this presentation will throw some light on recent trends and future research.
著者
佐々木 美和 Sasaki Miwa ササキ ミワ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.129-162, 2018-04

論文本稿は大阪の複数のプロテスタント教会において行った防災活動のアクションリサーチを事例として扱い、日本におけるプロテスタント福音派の社会貢献活動を考察したものである。分析・考察では稲場圭信[2009]の社会貢献活動の構成要素と、高瀬顕功[2015]の社会貢献活動の独立性の指標、また村田充八[2017]のプロテスタントのエートスの概念を援用した。結論として、社会貢献活動の促進と停滞に影響を及ぼしているのは(1)独立性の高さと、(2)現場のキリスト者の持つエートスとしての「召命」意識と新たな「宣教」観である、と考えられた。The purpose of this study is to identify what kinds of circumstance or motivation influence the progression or stagnation of social contributions by religious people. To determine this, the study examines the case of disaster risk reduction (DRR) activities as a social contribution activity done specifically by evangelical Christians in Japan. The action-research was conducted at protestant churches in Osaka. To analyze the data, the study utilized the perspective of "independence"(Takase2015) and "social contribution activity elements" (Inaba2009), along with the concept of Protestants'"ethos"(Murata2017). The DDR was shown to have resources largely independent from the church itself. Having the ethos of a "calling" can influence the progress of social contribution activities by evangelical Christians.
著者
安藤 徳明 Ando Noriaki アンドウ ノリアキ
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-28, 2016-04

When the Great East Japan Earthquake occurred in 2011, many religious facilities, including Buddhist temples, were utilized as evacuation shelters. Although a large number of studies have been made on temples as shelters, there is little analysis determining what factors caused these temples to become shelters. To answer this question, this paper adopted binary logistic regression analysis using a dataset gathered by questionnaires distributed to each local government, and GIS. What the analysis makes clear is that government guidance played an important role in making temples become shelters.2011年の東日本大震災では多くの宗教施設が避難所として活用され、仏教寺院もまた例外ではなかった。避難所としての寺院の研究は、個別の事例研究をはじめ豊富に存在する一方で、如何なる寺院が避難所として開設したかを実証する研究はまだ十分になされていない。この問いに答えるために、本稿では、行政に対するアンケート調査やGIS を用いてデータを収集し、二項ロジットモデルで避難所開設要因の定量的な検討を行った。そこで明らかになったのは、行政による避難所としての指定それ自体が大きな影響を持っているということである。この結果は、災害時における行政の役割の重要性を示唆するものである。
著者
髙瀬 顕功 タカセ アキノリ Takase Akinori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-25, 2015-10

本稿では、Faith-Based Organization(FBO)の社会参加を分析する視角として、「独立性モデル」と名付けた類型化モデルを提示する。独立性モデルは、母体となる宗教組織からの独立性を概念化したものであり、「人的資源の独立性」、「経済的資源の独立性」という2 つの変数を用い、FBO を「自主自立型」、「人員動員型」「資金依存型」「組織内在型」の4 つのパターンに類型する。本モデルはFBO の組織構造に焦点を当てた分析視角であるため、査定しがたい「宗教性」に惑わされることなく宗教組織の社会参加の様相をとらえることができる。また、共時的な諸団体の比較だけでなく、同一FBO の通時的な比較を行うことで、活動団体のダイナミズムを観察することも可能になる。/This paper applies an analytical perspective, called the Independence Model, to study faith-based organizations (FBOs). Focusing on the structure of FBOs, this model conceptualizes the level of independence of an FBO from its religious organization. The Independence Model consists of two variables: "human resource independence" and "financial resource independence". Using these two variables, the model can categorize various FBOs into four types: self-standing type, mobilized type, sponsored type, and internal group type. Since the model is based on organizational structures, it is possible to analyze FBOs without being confused by the ambiguous term "religiosity". Using this model, we can compare various FBOs and observe their structural changes over decades as well.
著者
伍 嘉誠 寺沢 重法 NG Ka-Shing Terazawa Shigenori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-27, 2015-04

Population ageing is advancing rapidly in Hong Kong. Between 1987 and 2013, the percentage of the population considered elderly rose from 7% to 14%, indicating that the city is joining the ranks of the ageing societies. As an important component of society, the role of religion in responding to the challenges of population ageing cannot be ignored. However, we lack sufficient empirical studies on the role of religion in enhancing the well-being of old people in Hong Kong and the mechanisms involved in such processes. Based on a case study of Yiguan Dao and interviews with 14 elder members, this paper argues that religion is an important key to the subjective well-being of elders. It suggests that Yiguan Dao can be an effective resource for coping with the fear of death, as well as providing divine protection, a sense of purpose, and opportunities for social participation for elderly members. This paper contributes to the studies of the relationship between religion and SWB, especially in Chinese societies.香港の高齢化率は1987 年から2013 年の間に7%から14%に上昇し、香港は高齢化時代に突入した。宗教が高齢化社会において果たす役割は無視できないが、香港の高齢者における、宗教と主観的ウェルビーイングの関連は十分に論じられていない。本稿では香港の一貫道の14 人の高齢信徒へのインタビュー調査からこのテーマを論じる。対象者の語りからは、一貫道は高齢信徒にとって1)死への恐れに対するコーピング機能、2)神仏による守護感覚、3)生き甲斐、4)社会参加の機会を提供する機能をもつ可能性が示唆された。この結果は、宗教とSWB、特に華人系宗教と華人社会における高齢者のSWB の研究に貢献するものである。
著者
白波瀬 達也
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.55-63, 2013-10

日本カトリック司教協議会 社会司教教育員会編『なぜ教会は社会問題にかかわるのかQ&A』 カトリック中央協議会、 2012年2月、 B6判、 143頁、 630円(税込)
著者
高尾 賢一郎 Takao Kenichiro
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.27-30, 2014-10

子島進著『ムスリムNGO――信仰と社会奉仕活動』山川出版社、2014 年3 月25 日、A5 判、116 頁、1,200 円(税別)
著者
寺沢 重法 Terazawa Shigenori
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.31-38, 2014-10

Richard Madsen, Democracy's Dharma: Religious Renaissance and Political Development in Taiwan, University of California Press、2007 年11 月、Octavo 型、191 頁、$31.95