著者
今川 真志 阪田 真己子
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.19-22, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
12

これまで自己主体感と選択肢に関する研究が行われてきたものの、従来の研究ではボタンを押すといった非常に短期間での行動について明らかにするのみであった。しかしゲームプレイのような日常の場面では、ある行動がより長期的な目標のための手段に過ぎないことも多く、この違いを無視して一般化するのは難しい。そこで本研究では長期的な目標に対する行動における選択肢の数を変化させることにより、短期的ではない目標設定がプレイヤーの自己主体感に与える影響について検討した。この結果、選択肢の数が自己主体感に影響するのは、選択する行動が自己目的的である場合であることが示唆された。
著者
中尾 優奈
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.70-73, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
18

本発表では、『メタバース』 が考察対象である。今後の発展が推察されるメタバースは、デジタルゲームの延長線にある仮想空間を用いた『遊び』が本質なのか、それとも仮想空間に進出した『現実社会』か、これらの対立する命題を比較検討する。具体的には、和田洋一・ザッカーバーグのメタバース論を対比させつつ、ディシプリンとしてはメディア論を援用する形で、メタバースの発展の指向性について仮説構築的な考察を行う。
著者
武田 拓也 久野 桜希子
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.102-106, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
15

本発表では、ゼロ年代以前のゲーム雑誌の分析を行う。前半では、ゲーム雑誌が誕生し始めた1980 年代に焦点を当てる。その際、読者同士あるいは読者と編集者とのコミュニティがどのようなかたちで形成されていたのかを明らかにする。後半では、ゲームが社会的な認知を得ると同時に、ゲーム雑誌の創刊も相次いだ1990 年代の様相に着目し、ゲームに対する社会一般の眼差しと、それに対する読者および編集者の応答を考察する。
著者
齋藤 慎之介 和三 史弥 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.29-34, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
7

本稿では,ガンダムアクションゲームを対象とした,試合中の任意時間帯における優劣を可視化する振り返り支援インタフェースを提案する.対象ゲームは,味方プレイヤと連携しながら戦うゲームであるが,試合後に味方との連携に関連する要素を考慮した振り返りを行うことが難しい.本稿では,味方との連携に関係する4 つの要素に着目して,試合の優劣を判定し,優劣の度合いを可視化する.評価実験を通して提案システムの有効性を示す.
著者
玉宮 義之 青木 春佳
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2021 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.70-72, 2021 (Released:2023-03-08)
参考文献数
5

これまでに、小説などを題材として物事の顛末を明らかにすること(ネタバレ)が作品の面白さに与える影響について検討されてきた。しかし、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの面白さに、ネタバレがどのような影響を与えるのかについては未だ検討されていない。近年はゲーム実況などの配信が人気となっており、ネタバレの影響について検討することの妥当性は高まりつつある。そこで本研究では、ゲームの内容をネタバレすることで面白さが変化するのかを検討した。参加者はネタバレを独立変数とするいくつかの条件に分けられた。そしてゲームで遊んだ後に、そのゲームについての評定を行った。分析の結果、ネタバレの効果は見られず、インタラクティブなメディアであるデジタルゲームの特異性が示唆された。
著者
佐藤 隼介 梶並 知記
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.23-26, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
5

本稿では,First person shooter (FPS)ゲームにおける,角待ちに着目した試合の振り返り支援用の可視化インタフェ ースを提案する.角待ちとは,FPS に関する専門用語の一種である.任意のプレイヤーキャラクターが,部屋や通路の角 で,敵のキャラクターがプレイヤーキャラクターの視界に入ってくるのを待つ行動である.FPS の試合の振り返りにおいて, どれだけ角待ちが有効に機能していたか確認することは,有利な状況で戦闘できる機会を得られていたか分析するため に重要である.本稿では,非プロプレイヤーを対象とした,ゲームフィールド内の角待ち可能なエリアごとに,チーム別に, 角待ちしている時間に対して角待ちが有効に機能している時間を,帯グラフ状で可視化するインタフェースを提案する.
著者
小林 樹生 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.271-274, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
13

一部のリズムゲームでは、ノーツを叩く位置を示すUI が自由に移動する。そのようなゲームでは、ノーツを叩いた際に再生されるアニメーション演出が多岐に渡る。このアニメーション演出の種類によっては、入力する操作が同じであっても、プレイ体験が変わる可能性がある。本研究はアニメーション演出がプレイ体験に与える影響を調査するために、操作ごとに演出の内容やパラメータを変更できるシミュレーターを作成した。
著者
陳 俊業 伊藤 彰教 三上 浩司
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.281-286, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
9

ネオ・リーマン理論を用いて、19世紀から現代の劇伴音楽までのPan-Triadic な楽曲群に和音分析を実施した。分析の知見を動的に変化する音楽に応用するため、Cohn の"Voice-Leading Zones"を用いて和音を分類とパラメータ化し、Wwise とUnity で動的な音楽システムを構築した。ゲームを想定したインタラクティブデモを制作し、システムによる和音の動きを検証した。
著者
西村 明美
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第13回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.70-75, 2023 (Released:2023-03-30)
参考文献数
27

世界で猛威を振るったコロナウイルス感染症のパンデミックの中、『あつまれどうぶつの森』は国際的に記録的セールスを達成した。各国のメディアでは、このゲームを取り巻く社会現象には当該パンデミックが関連していると報道した。そこで、本研究では、日本、フランス、イギリス、韓国、アメリカの5 ヵ国を調査対象とし、当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが前述の状況の下、文化的普遍性を有する現象なのかを検証した。その結果、国際的に当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが、「レクリエーション」であることが示唆された。また、このモチベーションには、異文化理解の枠組みとして世界的権威を持つホフステードの6 次元モデルの2 つの指標である「人生の楽しみ方」と「短期志向/長期志向」と呼ばれる各国の文化的価値観との間に関連性があることが明らかにされた。
著者
長谷 宏紀 遠藤 雅伸
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.171-173, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
6

不愉快を感じさせるゲームがある。我々は不愉快を感じる要素を調査し、それを故意に組み込んだゲームを実装し実証実験を行った。その結果の分析より、ゲームを楽しめない要素として、不適切なルールとプレイヤーのスキル不足が抽出された。一方、不愉快であることを察知し、ルールを創発してゲームを楽しむ一面も存在した。
著者
中谷 秋桜 向江 駿佑
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.59-62, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
9

日本語には多くの人称代名詞が存在し、我々は日常生活で自身の立場や相手との関係によってそれらを使い分けている。ゲーム内のキャラクターが人称代名詞をどのようにもちいるかもまた、各キャラがもつさまざまな属性によって決定される。本研究は2017 年から2021 年に発売された乙女ゲームを対象に、両者の相関関係を検討した。調査にはコレスポンデンス分析をもちい、約500 キャラ分のデータから作成したクロス集計表をもとに、主要男性キャラクターの属性と使用する人称代名詞のパターンを検証した。また、同期間に刊行・公開された女性向け小説のキャラクターの場合と比較した結果、乙女ゲームは小説にくらべ使用される人称代名詞の種類が有意に多いことと、同音であっても漢字やかなの表記がことなる人称代名詞が、独立したものとして別個にキャラの属性の影響を受けることがわかった。
著者
福井 昌則 大立 博昭 黒田 昌克
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集 2022 夏季研究発表大会 (ISSN:27584801)
巻号頁・発行日
pp.55-59, 2022 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

本研究の目的は,ゲームの利用方法,および幸福感の関連性が,ゲームプレイ時間によってどのように異なるかについて構造的に把握することである.1 日のゲームプレイ時間(1 週間平均),「ゲームの利用と満足」尺度,「日本版主観的幸福感」尺度を準備し,私立大学情報系学部の2 年生256 名対象に調査を実施した.「ゲームの利用と満足」の各因子と幸福感の関連性について,プレイヤ別に多母集団同時分析を行ったところ,ライトゲーマとヘビーゲーマでは,幸福度に関与しているゲームの利用と満足の因子に違いがあることが認められた.