著者
落合 利佳
出版者
京都女子大学発達教育学部
雑誌
京都女子大学発達教育学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Development and Education (ISSN:13495992)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-11, 2021-02

公立保育所の3 ・4 ・5 歳児および異年齢クラスを担当している保育士を対象に「気になる子」への意識と支援に関する実態調査を行った。各クラスに占める「気になる子」の割合は36. 5~42. 8%で,年長クラスで一番多かった。「気になる内容」は平均13項目(21項目中)で,多動や不注意など集団場面で支援を必要とする内容や年長児では就学後の学習に関与する手指の巧緻性に関連した項目で高い割合を示した。全ての「気になる子」に支援はされていなかったがその理由として,人的資源や時間的余裕の問題の他,支援の方法がわからない,支援のニーズの低さなどが挙げられた。
著者
井ノ崎 敦子 大辻 隆夫 大辻 隆夫 OTSUJI Takao
出版者
京都女子大学発達教育学部
雑誌
京都女子大学発達教育学部紀要 (ISSN:13495992)
巻号頁・発行日
no.6, pp.61-71, 2010-02

本研究は, DV被害女性のためのサポートグループの開発とその効果について検討することを目的とした。研究1では, DV被害女性のためのサポートグループの効果に関する仮説を提示することを目的として, サポートグループに参加した7名のDV被害女性のプロセス分析を行った。その結果, 1.DV被害への囚われ, 2. DV被害の客観的理解, 3.過去のトラウマ体験への直面, 4.自己肯定感の表明, 5.現在最も深刻な被害への直面, 6.現実的対処の提案という6つの段階を経て心理的自立を促進させるという仮説が見出された。続く研究2では, 研究1で提示されたサポートグループの効果に関する仮説を検証するために, 別のグループに参加した3人のDV被害女性のプロセス分析を行った。その結果, 5の段階を除く, 5つの段階(1~4, 及び6)が妥当なものとして確認された。これにより, サポートグループの効果に関する仮説はほぼ支持されたと言える。
著者
深見 友紀子 中平 勝子 赤羽 美希 NAKAHIRA Katsuko T. 赤羽 美希 AKAHANE Miki
出版者
京都女子大学発達教育学部
雑誌
京都女子大学発達教育学部紀要 (ISSN:13495992)
巻号頁・発行日
no.8, pp.97-105, 2012-02

2011年度の児童学科「児童音楽Ⅰ」の授業において, 非対面指導の一環として約100名の履修者が各自の携帯端末を使って自身のピアノ演奏を録画し, インターネット上の指定サイトにアップロード提出する試みを実施した。この実践中に生じた幾つかの問題は受信側 (指導者, サーバ管理者) と送信側 (履修者) 双方に起因するが, 受信側が解決すべき点は, アップロードサイトが扱う文字コードを変更すること, アップロード中の表示をよりわかりやすくすること, 履修者の使用メディア, データ容量やアップロードの方法に標準的なガイドラインを示すことなどであった。また, 履修者も, 携帯端末とパーソナルコンピュータ (以下, PC) 間のデータ転送の方法を習得し, マルチメディアを取り扱うことへの"抵抗感"を取り払う努力をすべきである。