- 著者
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赤澤 淳子
井ノ崎 敦子
上野 淳子
松並 知子
青野 篤子
- 出版者
- 仁愛大学
- 雑誌
- 仁愛大学研究紀要. 人間学部篇 (ISSN:21853355)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, pp.11-23, 2011-12-30
本研究では,デートDVを当事者間の親密性や関係性などの関係的変数から検討することを目的とした.具体的には,衡平性の認知による,恋愛スタイルやデートDV被害・加害経験の差異,また,衡平性に関する各変数および恋愛スタイルが,デートDVの被害加害経験に及ぼす影響について分析した.調査への参加者は,大学および短期大学の学生329名であった.分析の結果,過小利得者は,衡平利得者や過大利得者より関係満足度が低かった.また,過小利得者では,パートナーとの関係性に没頭する狂気的な愛のスタイルや,パートナーとの間に距離を保とうとする遊び半分のゲーム感覚的な愛のスタイルという対称的な感情が高いという特徴が示され,アンビバレントな感情をパートナーに対して抱きやすいことが示唆された.さらに,自己投入がManiaを経由して,DV被害加害経験を生起させることが明らかとなった.つまり,関係のアンバランスさが,嫉妬,不安,抑うつのような強い感情を高め,デートDVの加害・被害を引き起こしている可能性が示唆された.