著者
Horiuchi Masahiro
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.133-142, 2007

本研究は,ミニバレーが中年女性の体力や気分に及ぼす効果を検討することを目的とした。被験者は,北海道在住でミニバレーチームに所属している中年女性20名と,コントロール群としてミニバレー群と同様の年齢,体格で,日常定期的な運動を行っていない女性20名の合計40名とした。介入期間は3ヶ月間とし,この前後に体力測定と気分調査を行った。体力の指標として握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,1000m急歩,立ち幅跳びの6項目を実施した。また,全被験者に歩数計を装着してもらい,1週間の身体活動量を測定した。気分調査にはPOMSを用いた。その結果,身体活動量はミニバレー実施群が有意に大きい値を示した(p<0.05)。体力測定では,反復横とびと立ち幅跳びにおいて有意な交互作用が認められた。そのほかの項目には,有意な交互作用が認められなかった。そこで,1回目から2回目の変化量を検討した結果,1000m急歩において両群の間に有意な差が認められた。気分の調査では,POMSの活気,緊張-不安,抑うつ-落ち込みのそれぞれの尺度において,それぞれ有意な交互作用が認められた。ミニバレー実施群は活気が高くその他のネガティブな気分が低く表れていた。一方,非運動群は怒りと混乱の尺度以外は増加傾向にあり,活気尺度が減少していた。以上のことから,定期的な運動の継続的実施は下肢機能の維持・向上に有効であることが明らかになった。また,ミニバレーボールのようなレクリエーション的なスポーツは,気分を向上させ,ネガティブな気分を晴らすことが明らかになった。
著者
山塙 圭子
出版者
北翔大学
雑誌
北海道女子大学短期大学部研究紀要 (ISSN:02890518)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.57-70, 1998

明治時代の開拓期から全国的な生活革新が始まる昭和35年(1960)頃までの北海道における食生活用具の変遷について考察した。以下,各時代別に要点をまとめる。1)明治初期の開拓期この時代は衣食住すべてにおいて自給自足の生活である。また暖かい本州での生活文化をそのまま持ち込み,北の厳しい寒さへの対応が殆ど見られない。食生活の基盤である水については湧き水やそれから通じる川水などの自然水の利用が多い。しかし屯田兵村では道内どこでも最初から井戸の布設があった。いずれにしても,荷桶を使い人手で水を運んだ。火元は伝統的な囲炉裏であるが,開拓初期には薪の焚口がある三方を囲んだ「踏み込み炉」が見られる。特徴的な台所用具として,初期にはこれも伝統的な脚のない「座り流し」がある。北海道における開拓期を象徴する調理用具に,原生林の大木をそのまま利用した容器,まな板等,各種の手製木工品が見られる。2)明治末期から大正初期自給自足の生活から,外部に依存する度合いが増してくる。また薪ストーブの普及など北の自然風土に対応した生活文化が徐々に生まれている。水回りについては「井戸水」の使用が増加する。台所・調理用具は購入物が増え樽の代わりに陶器の「水がめ」や「チャブ台」が使用されるようになる。また「ハレ」の道具として輪島塗りの「本膳」や「会席膳」を揃える風潮も現れる。3)大正末期から昭和初期欧米をモデルにした近代化が始まり,人々の意識にも大正デモクラシーの自由主義的な風潮が起こり,生活に大きな変革が生まれた時代である。水回りはポンプが全盛になる。薪ストーブに代わり各種石炭ストーブが普及し,冬はこれら炊事の火となる。酪農の振興により乳製品や肉類,洋風の食べ物が出回り,北海道らしい生活文化が確立される。洋風料理の導入により,フライパンが新しい調理用具として使われるようになり,同時に西洋皿,スプーン,ガラスコップなど,洋風の食器類が一般家庭にも普及する。4)戦中・戦後第二次世界大戦が激しくなる昭和16年(1941)頃から,日本国中極度の耐乏生活を強いられる。食料も不足し,主食は芋,南瓜,雑穀等代用食の時代になるが,台所の各種金属製調理用具まで軍需産業に回されたため,調理用具も陶製,木製その他代用品が出現する。戦後は航空機の余剰金属のジュラルミン製調理用具が各種出回るのも,この時期の特徴である。上水道の設置復活は,昭和25年(1950)頃から始まり昭和32年頃までに市外部を除き,道内各地の整備がなされた。高度経済成長期の昭和35年(1960)年以降には家庭電化時代が始まり,台所・調理用具の大変革が起こり,生活態様も大きく変わった。開拓期の原初的な食生活用具から,今日では機能的にほぼ完成品と思われる食生活用具へと変遷をとげ,それに対応する食生活が展開された。物のない時代の人々の豊かな発想,優れた行動力,惜しまぬ労力が至る所で示されていた。今後もさらに合理性,便宜性に富む食生活用具は登場するだろう。その現実から後戻りは出来ないが,そこに生じるであろう様々な問題点をいかに解決していくか,現代人の英知が問われている。
著者
高岡 朋子
出版者
北翔大学
雑誌
北海道女子大学短期大学部研究紀要 (ISSN:02890518)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.97-108, 1998

当初男性の衣服であったパンツやジーンズが,女性に着用されるようになった社会的背景を考慮し,このボトムに内在している意識変革,社会的自立意識に視点を置き,ボトムのイメージ調査,日常着用しているボトムの種類と着用気分,職業におけるライフスタイル,およびこれらと平等主義的態度スケールへの反応との関連を検討した。結果いくつかの知見を得ることが出来た。1)4種類のボトムのイメージの平均評点から,キュロットスカートはジーンズと似かよった動きを示し,スカートという名称であるがパンツ類として捉えられて,ジーンズは4種類の中で一番好まれていた。それぞれのボトムごとに因子分析を行った結果,「嗜好性」「活動性」「消極性」の共通因子が抽出されたが,タイトスカートのみに「緊張性」因子が抽出されタイトスカートの特性が明らかになった。2)日常着用しているボトムの種類によって,イメージに違いがあるかを検討した結果,日頃着用しているボトムは,そのボトムの特性をより多く感じ,肯定的なイメージで捉える傾向にあり,着用不慣れなボトムについては,否定的なイメージで捉える傾向にあった。服種のイメージは,日常着用しているか否かにより左右されることが明らかになった。3)フレアスカートとジーンズの着用気分から,服種のイメージと着用気分は相関関係にあり,日頃着用する割合が多い服種については,イメージ同様その服種の特性を多く感じる傾向にあり,着用不慣れな服種については,否定的な要素の着用気分になることが明らかになった。4)仕事にたいする姿勢とボトムの着用率との関連では,回答率が高い「再就職型」はパンツとスカートの半々の着用が多く,次に多い「キャリア志向型」はパンツ,ジーンズの着用が多く,この「キャリア志向型」は4年制大学生に多く認められた。5)女子学生の平等主義的態度は平均得点が61.692とやや低めの結果であり,短大生と4大生との比較では高学歴の4大生の方が平等主義的態度が高い。仕事姿勢との関連では「キャリア志向型」が,ボトムとの関連ではパンツ,ジーンズの着用者が平等主義的態度が高いことがわかった。6)パンツ,ジーンズ着用者で,キャリア志向型と再就職型の平等主義的態度を検討した結果,キャリア志向型の方が平等主義的態度をもっていた。このことから,キャリア志向で平等主義的態度が高い4大生の被服行動を検討した結果,キャリア志向型の人達は平等主義的態度が高く,日常パンツ,ジーンズを着用する傾向にあることが明確になった。

1 0 0 0 OA 帽子

著者
辻 美恵子
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学短期大学部研究紀要 (ISSN:18827667)
巻号頁・発行日
vol.46, 2008

1 0 0 0 OA 帽子

著者
辻 美恵子
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学短期大学部研究紀要 (ISSN:18827667)
巻号頁・発行日
vol.47, 2009