著者
菊地 達夫
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-8, 2013

本稿は,人権問題の一つアイヌ民族の問題に着目しながら,中学校社会科・道徳における専門博物館資料を活用した単元開発を行うものである。その過程において,従来のアイヌ民族学習の動向,現行課程におけるアイヌ民族学習の導入(社会科)の可能性について,確認した。 それをふまえ,専門博物館資料を含む各種資料を用いながら,社会科(公民的分野)と道徳の時間について,授業内容を例示した。とりわけ,人権問題に関する内容は,専門博物館の活用(資料,構成の利用を含む)することで,従来の課題解決の一助になる可能性を示唆した。
著者
大宮司 信
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-6, 2014

日本における憑依の精神医学的研究の歴史を,宗教をひとつの要素として加え検討した。女性の教祖のばあい,日本では憑依体験をもとに宗教を始めた例が多く,苦しい生活を送った女性の心の回復のひとつの型として考えた。また人格の変性という点で共通する解離に関する精神医学研究が最近増加していることが明らかとなった。
著者
今野 洋子
出版者
北翔大学
雑誌
北海道浅井学園大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13466194)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.81-96, 2002

現在,日本の性教育は,10代の望まない妊娠と中絶率の増加の問題等を解決できずにいる。一方,オーストラリアのセクシュアリティ教育は,斬新で効果的な教育として,世界的に注目されている。本稿は,セクシュアリティ教育の中の「避妊教育の展開」に着目し,日本の性教育との比較検討を試み,問題解決のための日本の性教育の方向性について考察する。現在,日本の性教育では生命の誕生に関わることが多いが,子どもの心理的発達や子どもの視点を無視した性教育となっている。また,青少年の性行動や性意識の実態をみると,避妊について教えないことは実態と乖離した教育といえる。性に関する全てのことがらが,その子どものものであり,その子どもが培っていくべきものである。子どもが性と生について考え,自己決定するための教育の展開について,セクシュアリティ教育に学ぶ意義は大きい。特に,「避妊教育」は,子どもが自己のセクシュアリティについて考え,選択し,自己決定していく過程を必要とする。子どもの生きる力に期待しつつ,おとなとしての価値観を押しつけることなく,子どもが主体的に考え選択できる能力を持てるような教育を,避妊教育を含め推進していきたい。
著者
大宮司 信
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.59-71, 2013
著者
今野 洋子
出版者
北翔大学
雑誌
北海道浅井学園大学短期大学部研究紀要 = Bulletin of Hokkaido Asai Gakuen College (ISSN:13466194)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.81-96, 2002

現在,日本の性教育は,10代の望まない妊娠と中絶率の増加の問題等を解決できずにいる。一方,オーストラリアのセクシュアリティ教育は,斬新で効果的な教育として,世界的に注目されている。本稿は,セクシュアリティ教育の中の「避妊教育の展開」に着目し,日本の性教育との比較検討を試み,問題解決のための日本の性教育の方向性について考察する。現在,日本の性教育では生命の誕生に関わることが多いが,子どもの心理的発達や子どもの視点を無視した性教育となっている。また,青少年の性行動や性意識の実態をみると,避妊について教えないことは実態と乖離した教育といえる。性に関する全てのことがらが,その子どものものであり,その子どもが培っていくべきものである。子どもが性と生について考え,自己決定するための教育の展開について,セクシュアリティ教育に学ぶ意義は大きい。特に,「避妊教育」は,子どもが自己のセクシュアリティについて考え,選択し,自己決定していく過程を必要とする。子どもの生きる力に期待しつつ,おとなとしての価値観を押しつけることなく,子どもが主体的に考え選択できる能力を持てるような教育を,避妊教育を含め推進していきたい。
著者
伏見 千悦子 澤田 悦子
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.137-143, 2014

本稿は,生涯学習に位置づけられる子どもの放課後支援として,平成25(2013)年度に本学内で実施した「障がいのある子ども達の音楽あそび」の活動内容を報告するとともに,参加者のアンケートから,その意義と可能性を探るものである。文部科学省生涯学習政策局は,放課後や週末等に,子どもたちに学習や様々な体験・交流活動の機会を提供する「放課後子供教室」などの教育支援活動を促進し社会全体で子どもを支える方針を打ち出している。しかし,障がいのある子ども達が安心して放課後を過ごせる居場所が十分に確保されているとは言えない。そこで,生理的,心理的,社会的働きにより,心身の癒しや治療,療育にも用いられてきた音楽の特性を有効的に活用し,聴く,歌う,動く,奏する,創るなどの多様な遊びを通して,障がいのある子ども達と参加者が交流を深める機会を提供したいと考えた。毎回の活動は,音楽遊びを中心としたプログラムであるが,造形活動や運動遊び,伝承遊びなどを組み合わせることによって,個性豊かな子ども達のニーズを反映することができたのではないだろうか。また,学生スタッフと活動終了後に反省会を持ち,感想や疑問について話し合うことで情報共有と次回への課題意識を高めることができたと考える。
著者
大宮司 信
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 = Bulletin of the Northern Regions Academic Information Center, Hokusho University (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.35-40, 2015

関西にある円応教を対象とし,教祖が体験した神がかりがどのように継承され,どのように変容していったかを,「修法」という同教団の宗教儀礼を通して検討した。
著者
今野 洋子
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 = Human welfare studies (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.119-134, 2004-03-20

本研究の目的は,養護教諭を目指す学生の「健康相談活動の演習」時のロールプレイングにおける会話に着目し,健康相談活動における過程を明らかにすることにある。本研究では,一連の過程を理解するために,質的研究アプローチを採用した。中でも,会話データからの帰納的な分析を行なうため,プロセス的特性を持った現象に適している修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。データ収集に関しては,1事例について養護教諭役1名と児童生徒役1名をペアとし,10分から15分程度の時間の中で模擬「健康相談活動」を行い,相談内容の会話をデジタルメモリーレコーダに記録し,32事例の記録を逐語録としてまとめた。分析方法として,グラウンデッド・セオリー・アプローチの問題点を克服した修正版M-GTAを用いた。その結果,来室した子どもへの健康相談活動の過程の主たるものとして,【からだに現れた痛みの把握カテゴリー】【医療的・教育的対応カテゴリー】【心の内にあるつらさの把握カテゴリー】【問題解決カテゴリー】という4つのカテゴリーが抽出された。また,これら4つのカテゴリーに作用するカテゴリーとして,【面接技法の活用カテゴリー】と【自己開示カテゴリー】【子どもの意思尊重カテゴリー】の三つが考えられた。This purpose of the study was to demonstrate how students yogo teacher who counsel others (children), by examining their dialogues in role-played health counseling and helping situations, either presenting a problem (32 students yogo teacher) or listening (32 students children). In order to an inductive analysis of the dialogue data, modified grounded theory (a kind of qualitative approach) was used. Dialogues were recorded, in which the students role-played counseling and helping situation, either presenting a problem or listening. After categories were created from the data analytical stages from labeling concepts to selecting final categories, 7 categories were extracted.
著者
菊地 達夫
出版者
北翔大学
雑誌
生涯学習研究と実践 : 北海道浅井学園大学生涯学習研究所研究紀要 (ISSN:13463535)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.225-234, 2005-03-20

本研究では、伝統的建造物群の多様な活用を、福岡県吉井町の事例を通じて、若干の地理学的考察をする。吉井町は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、それを中核としたまちづくりをすすめている。具体的には、ひなまつり開催における広域的な地域活性化に加え、自治体、地域住民による独自の試みも展開している。これらの実態について、調査地域への現地観察、関係機関での資料収集、地域住民への聞き取り調査を統合して、論じたい。
著者
今井 博康 高志 博明
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.31-41, 2013

国家資格化後,新人精神保健福祉士の急増をみる一方で,若手精神保健福祉士の転退職も増加の一途をたどっている。障害者総合支援法により必置義務がなくなったことを背景とした雇用の不安定性も無視できないだろう。しかし筆者らに届く転退職に関する相談では,業務上抱えた悩みやジレンマを適切に扱ってくれる職場上司や先輩が存在しないという声が少なくない。そこで本報告では,比較的経験の浅い精神保健福祉士へのグループインタビューを実施し,転退職に至る要因がどこにあるかについて,就職当初の動機からその後の業務内容,抱えたジレンマとそれへの対処を経過的に探り,新人精神保健福祉士養成に必要な手立てを検証した。その結果,所属機関の業務に従事する中で感じる課題やジレンマについて,各人なりの自己点検を行っているものの,その自律性を支えるものとして支持的スーパービジョンの存在が浮上した。またインタビュー結果から,養成に当たる精神保健福祉士や上司,養成校,専門職能団体に求められる役割を検討した。
著者
田中 耕一郎
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-14, 2003-03-20

The disability movement has struggled hard to gain acceptance for the 'big idea' that disability can be considered as a form of institutional discrimination or social oppression. As these 'social model' have gained political currency so they have engendered a profound reexamination of British social policy. Disability movements has been emphasized rights of disabled people, futhermore, they has been proposed that self-assessment and self-management in human services. Disability movements promoted a sustained campaign for direct payments legislation. Community Care (Direct Payments) Bill was published in November 1995. The legislation came into force the following year, permitting local authorities to make direct payments to people assessed as needing community care services. Consumerism formed the major basis of this new legislation. But Important value conflicts were apparent in discussion about direct payments in disability mevement. The purpose of this paper is to consider the relationship between consumerism and disabled people's sovereignty of their lives from the discussion in disability mevement.
著者
千里 政文 黒澤 直子 森井 綾 松澤 衛 佐藤 克之
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.187-194, 2008

The elderly population ratio exceeded 22.7% in Hokkaido. Furthermore, the super-elderly population ratio exceeded 25% in 137 cities, towns and villages. This research is inquired on the state of the high Quality of life for the elderly with dementia. Eight units of the elderly with dementia in the group homes From Otaru, Sapporo, Asahikawa, and Rumoi were Formed to be the subject of this research. This inquiry is focused on the flow planning of living room and kitchen from the construction side. There is a deep relationship between a living dining room and a kitchen for the Tenant's daily life. It also became clear that these spare have significant meanings for staff, visitors, and especially Family members. It became clear that the Form of a passage affects the Flow plan of entire group home including tenants' daily life. The physical burden of a resident and the staff increases, as the number of passages increase. More passages increase the dead space, which decrease the residential atmosphere.