- 著者
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南 憲一
- 出版者
- 嘉悦大学
- 雑誌
- 嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.2, pp.23-44, 2011-03-20
- 被引用文献数
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意思決定は、Simonにより「プログラム化しうる意思決定」と「プログラム化しえない意思決定」に分類される(Simon,H.A.,1977pp.45-49)。Ansoffは、企業における意思決定を、戦略的な意思決定、管理的な意思決定、日常業務的な意思決定の3つのカテゴリーに分類して示している(Ansoff,H.I.,1988pp.4-9)。島田は、組織を意思決定のネットワークと捉え、企業における意思決定の連鎖を(社長、部長、課長の分類で)公式組織における目標の展開として捉えている(島田達巳=高原康彦、2007pp.50-51)。また、意思決定のプロセスをSimonは、情報活動、設計活動、選択活動、再検討活動として示している。一方、白井とBarabbaはビジネスモデルの創造や評価にシミュレーションを適用する方法を提案している(白井宏明、2001pp.8-10、Barabba,V., et al.,2002)。本研究では、経営における特に「プログラム化しえない意思決定」の支援ツールとしてシミュレーションを用いることを提案する。具体的に、経営教育におけるビジネスゲームでのシミュレーションの適用例を、島田の意思決定の連鎖とSimonの意思決定のプロセスに合わせて示す。そして、Simon、島田の問題解決のプロセスを実習において適用した効果について考察する。