著者
長池 将幸
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.28-35, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
4

事業のグローバル化等,事業環境の急速な変化に対応するために,知財担当業務の拡大,知財サービスの品質向上が求められるようになり,これに伴い知財業務のリソース配分見直しが必要になった。このような環境下,知財業務の1つである特許侵害調査業務では,侵害リスク軽減と調査負荷軽減を共に満足する「経済的な調査手法」について検討した。公報抽出時の母集合を機械的に縮小する手法を整理したことで,それぞれの手法で縮小可能な規模とこれにより生じるリスクが見えてきた。本稿では,調査範囲を爆発的に膨らませずに侵害リスク回避に寄与する集合作成手法と,ここで必要な検索システムの機能を紹介する。
著者
長谷川 秀記
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.31-47, 1998 (Released:2001-04-01)
被引用文献数
1 1

電子出版は国家規模においても取り組みが開始されますます盛んになってきているが,その編集工程や技法は充分普及しているとは言えない。本稿では文字を中心とし検索に力点のある電子出版物について,企画からパッケージングまでの制作工程と文字,画像,音声データの収集加工について解説した。特に文字データのタグ付け,検索設計とインデックス作成の実際について詳しく解説し,出版資産構築のためのデータ運用法である編集マスターデータ構築,ワンソース・マルチメディア展開の考え方についても触れた。

3 0 0 0 OA 情報の信頼性

著者
福井 逸治
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.651-661, 1994-11-01 (Released:2008-05-30)

本稿は第172回技術情報活動研究会における講演を編集, 収録したものである。演者は毎日新聞社での記者活動および現在務める紙面審査に関わる職務の経験を基に, 新聞やテレビ報道における虚報と誤報のいくつかの事例を挙げながら, 情報の信頼性について様々な角度から分析を行った。虚報や誤報や事実を故意にねじ曲げた曲報など, 真実ではない情報がなぜ生まれたのか, その過程を解き明かすことによって, 情報の持つ不完全性を示した。そして情報とは主観の集大成であるとして, そのことを充分に認識して, 受け手は受け取る力を養う必要があり, 作り手もまた真実を追求する努力を常に行う必要があると説いた。それらを怠ると情報は, 人権侵害をも引き起こすことを, 具体例を挙げて示した。
著者
尾城 孝一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.519-527, 2004 (Released:2004-11-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1

近年,インターネットの普及と電子出版技術の進展に伴い,図書館を取り巻く情報環境は劇的な変化を見せている。図書館が収集,管理,保存,提供する資料も紙媒体から電子情報へと急速に移行しつつある。こうした背景の下で,電子情報資源を適切に管理し,利用者のアクセス環境を整備することが,図書館にとっての喫緊(きっきん)の課題として浮上してきた。本稿では,北米の大学図書館における取り組み,とりわけ,電子図書館連合(Digital Library Federation DLF)の電子情報資源管理イニシアチブ(Electronic Resource Management Initiative ERMI)の活動を中心に報告する。
著者
広岡 淳二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.182-191, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)
参考文献数
2

ビッグデータ時代を迎え,今後,国全体としてのデータ活用力を向上させていくには,データサイエンティストに代表される高度データ利活用人材の育成だけでなく,地域社会を構成する個々の企業,自治体等におけるデータ分析力の底上げも併せて重要な課題となる。そのためには,従来のように企画統計部門等,専門の組織に属する職員に対してのみではなく,これからはあらゆる部門の職員に対しても一定かつ,基本的なデータ分析能力の習得が求められてくる。その「あらゆる部門の職員を対象とした基礎的データ分析能力習得」に関する九州テレコム振興センター(KIAI)としての研修事業の構築経緯,ならびにこれまでの取り組みとその結果等について紹介する。
著者
藤原 隆弘 西 啓
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.63-72, 2011

学術分野で広く利用されている電子ジャーナルは,インターネットやPDFの発展によりビジネス化されたが,一般の電子書籍市場はそれだけでは成功できなかった。Amazon社のKindleなどが電子書籍市場を形成できた要因と,Kindle以降に出現した電子書籍サービスを具体的に紹介し,サービスの構成要素を電子書店や文書フォーマットの特徴とともに解説した。その結果,現在の電子書籍市場がデバイス主導によって進んでいる事実を報告した。最後に,現在の電子書籍ブームによって変化がもたらされた,個人,出版社,製作者等の現在の状況と,電子ジャーナルが今後変化していく方向について論じた。