著者
永野 玄樹 上保 秀夫
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.29-46, 2020-06-29 (Released:2020-06-29)
参考文献数
22

日本において自然災害は避けることのできない脅威であり,特に地震対策・津波対策を考案することは非常に重要である.本研究では,東日本大震災の被災者による体験談を M-GTA 法を用いて分析を行い,地震発生から避難終了までの津波避難プロセスを情報探索行動に着目しながら類型化した.分析の結果 37 個の概念及び 8 個のカテゴリーが生成され,津波避難行動のプロセスは「避難に対する意思決定」「計画性の高い避難」「計画性の低い避難」「避難行動終了後」の 4 グループにより構成されることが分かった.本研究によって得られた津波避難行動プロセスの考察から,津波避難支援について,1) 災害発生時に被災者に津波の具体的なイメージ及び危機意識を高める施策,及び,2) 被災者の避難開始のタイミングを早めさせるための対策,が重要であるとの知見を得た.
著者
山西(増井) 史子
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-31, 2017-11-15 (Released:2017-11-15)
参考文献数
47

本研究は,日本文学・日本語学分野の学会誌に掲載された論文がその内容に対応する学会発表を経ているか否かを調査し,当該分野の研究における論文と学会発表の関連性を明らかにすることを目的とする. 調査対象は,日本文学・日本語学分野で重要視されている学会誌 9 誌に 2005 年~ 2014 年の 10 年間に掲載された論文 1,958 本である.調査項目は,論文の内容に対応する学会発表の有無,学会発表が確認できた場合は,その学会名,学会発表と論文出版のタイムラグ,の 3 点である. 結果は,対応する学会発表を経た論文は 729 本で全体の 37%であった.その内訳は,論文が掲載された学会誌を出版する学会での発表を経ていたのが 420 本で全体の 21%,論文が掲載されたのと別の学会での発表を経ていたのが 309 本で全体の 16%であった. 全体的な傾向としては,論文出版と学会発表の関連性は低かった.しかし,一部の学会では,学会発表と論文出版の関連性が高い傾向があることが明らかとなった.
著者
児玉 閲
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-17, 2018-05-11 (Released:2018-05-11)
参考文献数
10

本研究では,自然科学系分野における分野間引用関係の経年変化を明らかにすることを目的とした.Journal Citation Reports 2001-2009 年 Science Edition で継続収録されている 4,463 誌を 22 分野に分類し,分野間引用数を集計した.分野間引用数は,引用元分野と被引用分野の両方の論文数で規格化した(以下,NC(Normalized Citations)と呼ぶ).NC の変化率に有意な相関があり,且つ,被引用分野へ一定の引用数がある引用元-被引用分野の組を抽出した.NC 変化率が正の値(増加傾向)が 14 組,負の値(減少傾向)が 42 組であった.減少傾向に寄与している分野は,Multidisciplinary,Molecular Biology & Genetics など,生命科学分野が多くみられたが、対象とした 4,463 誌以外への引用が増え,引用する雑誌に広がりがあることが分かった.規格化によって、分野による規模(論文数) の影響が排除されていることを確認した.
著者
桂 瑠以
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.32-40, 2018-01-08 (Released:2018-01-08)
参考文献数
30

本研究では,大学生 500 名を対象に,2時点のパネル調査を行い,LINE の使用が LINE での社会関係資本及びレジリエンスに及ぼす影響を検討することを目的とした.その結果,第 1 に,LINE の使用量が LINE での互酬性を高め,LINE の使用量,所属感が LINE での信頼感を高める効果が認められたことから,LINE の使用が LINE での社会関係資本を高める可能性があるといえる.第 2 に,LINE での互酬性がレジリエンスを高める効果が認められたことから,LINE での社会関係資本の一部はレジリエンスを高める可能性があるといえる.これらのことから,LINE の使用が LINE での社会関係資本を醸成し,LINE での社会関係資本が高いほど,使用者のレジリエンスが高まることが示唆された.
著者
三和 義秀
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.59-76, 2010-12-21 (Released:2010-12-21)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究では,130 名の被験者の性格を主要 5 因子性格検査とMMPI(ミネソタ多面性格検査)を用いて測定した.そして,性格測定とは独立して同じ被験者に6 点の素材(短編小説)を読んでもらい,それぞれに読む前と読んだあとの感情状態について多面的感情状態尺度で測定し,性格と感情状態の変化との関連性について分析した.その結果,単相関分析と重回帰分析の両方において,相関係数と決定係数の値は全体的に低かったが,主要 5 因子性格検査では 5 点の素材,MMPI では 6 点のすべての素材において感情状態と有意な相関をもつ性格尺度が存在した.このことから,性格の個人差を基に検索者ごとに異なる読後の一部の感情状態の強さを予測できる図書検索システムを開発できる可能性を示唆した.
著者
小竹 諒 平久江 祐司
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.50-59, 2014-12-17 (Released:2014-12-17)
参考文献数
13

本研究は,教員研修機関における教員に対する著作権研修の運営に関する現状と課題を明らかにし,そのあり方を考察することを目的に,全国の都道府県,政令指定都市,中核市の教員研修機関の研修担当者を対象にアンケート調査を行った.その結果,教員の著作権知識の格差を解消することができるような研修を行うことが課題となっていること,研修担当者は,教員に対する著作権研修の必要性を明確に認識していること,著作権に関する知識を多く持つ教員ほど著作権遵守の意識は高いが,それが著作権侵害行動の防止に必ずしも結びついていないと認識していることが明らかになった.この結果を受けて研修の改善策として 5 点を提示するとともに,研修担当者の認識の改善の必要性を指摘した.
著者
片山 ふみ
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.37-58, 2010-11-15 (Released:2010-11-15)
参考文献数
43

本稿では,児童書出版社がどのような利益や価値を志向しているのかを,事業内容の差(児童書専門の出版社か総合出版社の児童書部門か)に着目して明らかにすることを試みた.具体的には,次の手順によって分析した. (1) 長期的利益志向 vs. 短期的利益志向,普遍的価値志向 vs. 同時代的価値志向の2つの軸によって作られる座標軸の象限を提示する. (2) どのような出版社が,(1)のどの象限を志向するかを示す仮説を設定する. (3) 児童書出版社に対する聞き取り調査の回答と仮説とを比較検証することによって,現状を把握する. 以上の作業から,次の結論を導いた.児童書出版社の多くは,長期的利益かつ普遍的価値の象限および短期的利益かつ同時代的価値の象限を志向していた.その際,児童書専門の出版社は販売ルートによって,総合出版社は読者の年齢層によって志向する象限を区別するという違いがあった.
著者
大原 司 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報メディア学会
雑誌
第13回情報メディア学会研究大会発表資料
巻号頁・発行日
2014-06

国内心理学分野におけるオープンアクセスの実態と進展状況を明らかにするため、『筑波大学心理学研究』掲載論文が引用する和雑誌掲載もしくは日本語の論文を対象にWebにおける公開状態調査を行った。結果から、心理学分野におけるオープンアクセスの論文の割合の経年的な増加と、引用時点でオープンアクセスではなかった論文の遡及的なオープンアクセス化が明らかとなった。
著者
岡野 裕行
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.15-35, 2010-11-01 (Released:2010-11-01)
参考文献数
40
被引用文献数
1

文学館に関する図書は,ガイドブック (日本全国の文学館の概略紹介) の形態で,これまでに 18 点出版されている.それらの収録内容を,独立系文学館,依存系文学館,転用系文学館,非文学館の 4 形態に分類して個々の特徴を見いだし,その結果を比較検討すると,その歴史的変遷は大まかに 4 期間 (1980 年代以前,1980 年代~1990 年代初頭,1990 年代中頃,1990 年代末~現在) に分けられる.それらは <文庫> という一般名詞で呼ばれていた「<文庫> の時代」, <文庫> と併記する形で <記念館> という用語が用いられた「<記念館> の時代」, <文庫> という用語の使用例が減少し, <文学館> という用語が普及し始めた「<文学館> の時代の到来と <文庫> の時代の終焉」, <文学館> という用語が一般名詞として確立された「<文学館> の時代」というような,4 段階の発展を見せている.すなわち, <文庫> の代わりに <文学館> という用語が一般名詞として広く使用されるようになったのは,わずかにここ十数年間の出来事と見なすことができる.
著者
岡野 裕行
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.41-61, 2008-12-01 (Released:2008-12-01)
参考文献数
67

文学館という機関は日本近代文学研究者に対する専門図書館としての役割を担っている.しかし文学館ではオンライン検索の普及が遅れており,検索システムを実現化している例はそれほど多くはない.12館の文学館において公式サイトでのオンライン検索システムの提供が行われているが,それらは例外的なものであり,(1)所蔵資料の特殊性,(2)孤立したシステム,などの問題を抱えているのが現状である.文学館のオンライン検索の課題としては,(1)公式機関としての信頼性,(2)存在情報の公開,(3)所在情報の公開,(4)詳細な解説の付与,などに注意を払う必要がある.オンライン検索システムの発達を含め,文学館は日本近代文学研究に関する専門図書館としての機能を充実させていくことが求められる.
著者
久保 順子 杉本 重雄
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.15-31, 2008 (Released:2008-07-14)
参考文献数
43

本研究は,国内121館の公共図書館のWebサイトから約5,000件の情報資源(リソース)を収集し,そのメタデータを作成し情報資源の特徴を分析した.メタデータはDublin Coreのエレメントを基礎に定義した.はじめにリソース単位でのメタデータを作成し,その分析結果を基に,Webサイトごとに情報資源の集まり(コレクション)を対象とするメタデータを作成した.このコレクションメタデータ194件について情報資源の主題やタイプのばらつきを調査した.主題分野に関しては学問,自然科学,社会科学などの学術的な情報資源が少なかった.また地域の歴史や文化に関係した情報資源が多く,かつ江戸時代以降のものが大半を占めることがわかった.電子化の有無に関しては原資料を完全に電子化した情報資源よりも,原資料の一部を電子化し説明を加えて作ったものが多いということがわかった.
著者
松井 勇起
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-20, 2022-05-31 (Released:2022-05-31)
参考文献数
72

本論文では,中公新書の「刊行のことば」を執筆した加藤秀俊に着目し,そのメディア戦略を分析 する.その手がかりとして,加藤の執筆した文章を参考にしながら,「刊行のことば」を解釈する.加藤は周囲の研究者や環境からプラグマティズムの強い影響を受けてきた人物である.加藤は「中間文化論」で,大衆文化的である講談社文化と高級文化的である岩波文化の違いを説明し,両者の接近による中間文化化を,新書を事例に説明した.しかし,加藤にとってカッパ・ブックスと岩波新書は中間文化として不十分であり,より理想的な中間文化を目指した.加藤はプラグマティズムの具体と抽象を媒介する機能を応用し,他者同士をつなげつつ,読者に自ら考える力をつけさせることで,大衆社会を全体主義に転じさせにくくすることを意図し,中公新書のメディア戦略を構築した.
著者
Itsumura Hiroshi 大原 司 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報メディア学会
雑誌
第13回情報メディア学会研究大会発表資料
巻号頁・発行日
2014-06

国内心理学分野におけるオープンアクセスの実態と進展状況を明らかにするため、『筑波大学心理学研究』掲載論文が引用する和雑誌掲載もしくは日本語の論文を対象にWebにおける公開状態調査を行った。結果から、心理学分野におけるオープンアクセスの論文の割合の経年的な増加と、引用時点でオープンアクセスではなかった論文の遡及的なオープンアクセス化が明らかとなった。
著者
吉元 涼介 芳鐘 冬樹 鈴木 崇史
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.1-13, 2016

本研究は,利用者のコミュニケーションの状況や立ち寄る店舗の業種業態に着目して,商店街とショッピングモールの特徴を明らかにした.大宮駅東口方面の商店街,岩槻駅周辺の商店街,イオンモール浦和美園,それぞれにおいて利用者への質問紙調査を行った.質問紙調査の結果をもとに,ランダムフォレストによる回答者の分類実験を行ったところ,地区による差異が大きい項目は,利用者の属性,立ち寄り場所,同伴者,コミュニケーションの相手と内容などであることがわかった.特に,同伴者の有無・種別,すなわち,来訪時の集団形成に大きな違いがあることが示唆された.商店街の中でも,繁華街にある商店街(大宮)は,ランダムフォレストによる分類が難しく,地方の商店街(岩槻)と共通する特徴(同伴者の傾向)を持つ一方,ショッピングモール(浦和美園)と共通する特徴(コミュニケーションの傾向)も持つことがわかった.
著者
金沢 みどり 望月 道浩
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.37-54, 2021

<p>子どもの読書習慣の形成と継続には,家庭,学校,公立図書館をはじめとする地域の読書活動の推進に関する積極的な取り組みが必要不可欠である.本研究では,日本の公立図書館 Web サイトの子ども読書 Web ページのコンテンツに関する現状調査を行った.調査結果から,市区町村立図書館が家庭内や市区町村域の読書活動の推進に力点を置いたコンテンツを備える傾向にあるのに対して,都道府県立図書館は都道府県域や全国的な視野からコンテンツを構築する傾向にあることが示された.さらに,子ども読書 Web ページ,児童の Web ページ,ヤングアダルト Web ページ,及び,学校支援 Web ページ間の相互リンクの現状を調査した.その結果,児童の Web ページがそれらの中で中心的な位置付けにあり,子ども読書 Web ページは児童の Web ページに最も関連性のあることが明らかになった.今後はヤングアダルト Web ページなどとの相互関係にも留意し,コンテンツを積極的に構築することが望まれる.</p>
著者
松縄 正登
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.21-40, 2005 (Released:2006-03-27)
参考文献数
76

2005年9月30日,知的財産高等裁判所でワープロソフト「一太郎」と統合グラフィックソフト「花子」の製造販売差止請求を棄却する旨の判決(知財高裁判平17.9.30)があった.同年2月,東京地裁で,「一太郎」「花子」の製造販売差止請求を認める旨の判決(東京地判平17.2.1)から,約8ヶ月の短期間で決着がつき,ジャストシステム側の訴えが認められた.この事件は,原告の所有する「情報処理装置及び情報処理方法」というハードウェアに関する特許と,「一太郎」「花子」というソフトウェアとの争いである点に特徴を有する.本稿は,この事件に焦点をあてながら,ソフトウェアの知的財産権を巡る問題について考察を加えたものである.
著者
岡部 晋典 佐藤 翔 オカベ ユキノリ サトウ ショウ
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア学会研究大会発表資料(予稿集)
巻号頁・発行日
no.8, pp.19-22, 2009-06-27

近年,図書館情報学における大きな潮流にオープンアクセス運動がある.この運動を積極的に支援している財団がOpen Society Institute(開かれた社会財団)である.本稿では,OSIおよび彼らが中心となり宣言したBudapest Open Access Initiative(BOAI)の思想的背景を概観し,その思想が現在のオープンアクセス運動に如何に受容されているかを分析した.情報メディア学会 第8回研究大会 2009年6月27日(土) 会場:科学技術振興機構 東京本部
著者
桂 瑠以 橋本 和幸
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.1-12, 2019-05-10 (Released:2019-05-10)
参考文献数
25

本研究では,60代から80代の高齢者1000名を対象に調査を行い,高齢者のインターネット(以下,ネット)の使用状況を年代別に検討し,ネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響関係を検討することを目的とした。その結果,使用状況として,年代によりネットの使用に差異がみられ,年代が高いほど通話を多く行う一方,年代が低いほどSNSや携帯電話でのネットの使用が多いこと等が認められた。また,ネットの使用が社会的活動及び精神的健康に及ぼす影響として,60代の一部のネットの使用を除き,おおむね,ネットの使用が多いほど社会的活動が促進すること,社会的活動の中で,外出頻度が多いほど精神的健康が高まること等が認められた。とりわけ70代,80代では,ネットの使用が多いほど,社会的活動を介して,精神的健康が向上することが示唆された。
著者
岡野 裕行
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.29-40, 2019

<p><tt>大学図書館における学生協働の多くは,大学図書館職員が図書館業務の一部を学生に任せる形態になっている.そのため,当初は学生と大学図書館職員のみに関係する活動と認識されていた.この取り組みが全国各地の大学へと普及するにつれて,大学図書館職員以外の人や組織との協働関係も築かれるようになった.また,協働関係が多様化することで,その活動場所も大学図書館内に制限されることなく,空間的な広まりも見られるようになった.学生が自らを協働の主役に位置づけ,立場の異なる人たちと協働関係を築くことで,大学図書館の活性化活動で培った力を,さまざまな機会に応用できるようになった.学生たちが協働相手とパートナー関係を結び,学びの形を自らデザインし直す機会を得ることで,学生視点による創造的活動の成果を大学図書館へ還元することができる.</tt></p>