著者
斎藤 俊徳
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.15-16, 1991
著者
鈴木 恒男
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.53-61, 1997-05-01
参考文献数
18
被引用文献数
7

20代女性の顔色を代表する30人の女性を3種類のメーキャップファンデーションで化粧を行う。その女性達は鏡を見ながら20項目で自分の顔を評価し, さらに11人の他者から同じ項目で評価を受ける。この30人の顔をカラーモニタに提示し, 自分と他人がその顔を同じ20項目で評価する。自己評価, 他者評価, 実際の顔と画像の顔のイメージ構造の差異を因子分析と重回帰分析で解析した。認知的なイメージ空間は2次元から構成されている。自己評価の最初の次元は静的な内面性を表し, 次の次元は動的な外面性を表している。他者評価の最初の次元は外面性で, 次の次元は内面性である。認知的なイメージ空間は実際の顔と画像としての顔では異なる。
著者
徳永,聖一郎
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.19(SUPPLEMENT), 1995-05-15
著者
稲垣 卓造
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.78-87, 1987

高層集合住宅の外部色彩に関する調査を, 名古屋市内の二つの区において実施した。その結果は次のとおりである。1)基調色については, 高明度低彩度色が全体の75%強を占めた。他の4分の1弱が中, 高彩度色であり, それらの70%強がタイル仕上げによるものであった。2)アクセント色は, バリュー・クロマ図上で基調色と比べ広く分散しているが, 低明度低彩度部分に小さな集中が見られた。またヒューのピークがYR系に移行していた。3)アクセント色の部位に関して, そのいくつかは使われる色彩の範囲がかなり限られていた。4)アクセント色のほとんどが, その基調色より低明度低彩度であったが, 二, 三の部位のアクセント色についてはそれ以外の傾向を示した。5)中, 高彩度色を基調色にもつ場合, その建築の色彩以外の属性(仕上げ, 住戸数, 竣工年, 所有形態など)によって規定されやすい。また, アクセント色の部位についても同様の傾向が強いものがあった。
著者
加藤 雪枝 橋本 令子 雨宮 勇
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.16-25, 2004-03-01
参考文献数
6
被引用文献数
6

色は、人の感情に直接働きかける力があり、人とは深い関わりがある。色の効果を生活の中に取り入れ、快適な環境を作ることを目的とした。マンションの一室6畳(2.35×3.28×2.30m^3)カーペット、壁、カーテンの色を6色に変化させ、実空間の中で色が人間に与える心理的、生理的作用を調べた。生理的には心拍変動と脳波のα波含有率を調べ、心理的作用の解析にはSD法を用いた。黄、オフホワイトは、α波含有率が高値を示し、副交感神経活動側に傾き「くつろぎ・平価性」の因子の関与を高める。暖色系の色は、「活動性」と「寒暖」の因子の関与が高く、HF成分、1/fゆらぎがみられ生体に快い興奮状態が生まれ、快適性を高めることが示唆された。寒色系の色の効果は乏しい。空間の色の快適性には「くつろぎ・評価性」、「活動性」及び・「寒暖」因子のバランスが重要であることが示唆された。
著者
呂,清夫
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, 1992-01-01

文字の海の中に, 伝統色名セツ卜をどのように選定すれば, 代表性や普遍性のあるものになるのか。本研究では, 「中国色名綜覧」^<1)>および「中国の伝統色」^<2)>を, 英語の「色の標準と命名法」および「色彩辞典」と比較研究を行い, 調べた数字でその相違をはっきり比較させると共に, その色名選定の基準についての相違までも比較をする。そして, 英語の2種類の権威的な著作の間には, その選定の基準が比較的近いため, それぞれの選定した色名が重なるものが多いのに対して, 中国色名に関する2種類の著作の間には, その基準ががなり離れているため, それぞれの選定した色名が, 全く別なもののように見える。そればかりでなく, 中国語並びに英語の色名が代表する色彩についても, ほぼ同じ現象が存在している。つまり, 中国語と英語のそれぞれの両種類の著作にある色名の代表色を, 別々にNickersonの退色指数で表示すると, 英語の二つの著作にある色名の代表色は, 中国色名の二つの著作にある色彩より, その安定性が比較的高い。以上の現象の探求とその原因の究明とが本研究の要旨である。それは伝統色名セットの選定のキー・ポイントであろう。
著者
緒方,康二
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, 1987-09-01

1873年に登場した「色図」は, 日本における色彩教育のはじめての試みである。「色図」は, 当時アメリカで盛んであったオブジェクト・レッスンのためのウイルソン掛図を, 直接的に取り入れたものであった。この「色図」教育は1881年頃に終わり, 以後長いあいだ, 色彩教育は空白のままとなった。1900年代の初頭にいたり, 海外留学から帰国した白浜徴によって, 再びアメリカにおける色彩教育システムが導入されることになる。白浜がアメリカに留学の途についた1900年代の初頭は, アメリカでさまざまな色彩教育システムが登場した頃でもあった。『新定画帖』(1910)にみられる白浜の色彩教育システムは, フローリッヒとスノーによる『美術教育テキスト』(1904)に準拠したものといわれるが, プラングの『カラー・インストラクション』(1893)の影響も認められよう。白浜の色彩教育法は, 明治時代をこえて長く適用されている。
著者
小林 光夫
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.306-323, 2003-12-01
参考文献数
7
著者
大野 治代
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.92-93, 2005-05-01
参考文献数
1
著者
日高,杏子
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 2000-03-01

この論文は色彩文化史の視点から、17世紀初頭の染織品に用いられた金と銀を追究する。方法論として3つの視点から考察する。まず、一時的消費を論じるために演劇のための衣裳を考察する。第二に、恒久的消費を論じるために、英国国教会の地域教会への寄贈染織装飾品を考察する。最後に、個人的消費を鑑みるために、家庭内における染織品を考察する。金・銀の色彩を身につけることは、普遍的ともいえる高い社会地位を表現するための身体言語である。ローマ・カトリック教会の一元支配と封建社会にあっては、金糸銀糸の使用は主にカトリックの司祭と封建国王に独占されていた。しかし宗教改革後、西ヨーロッパの社会構造は変化し、金糸銀糸の消費はより拡大した。権威を表象するための金と銀の消費は、イングランドの王族のみならず、中上流階級もまた金銀を染織用に用い始めた。結果的に異なる社会階層間に軋轢が起こり、それは奢侈禁止令の発令のきっかけとなった。金糸銀糸の消費量は、ゆえに消費者の社会地位に正比例していたと考えられる。ルネサンス運動や宗教改革運動の思想的な波及を鑑みながら、ケーススタディを通じてこの消費の主題を分析する。