著者
関口,順一
出版者
日本醗酵工学会
雑誌
醗酵工学会誌 : hakkokogaku kaishi
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, 1983

Patulin is a typical mycotoxin originally isolated from Penicillium patulum as an antibiotic, and the patulin biosynthetic pathway is a classical example of the large group of polyacetate-dervied secondary metabolites known as polyketides. Unexpected metabolites produced by a patulin-deficient mutant revealed a new portion of the pathway. We have investigated the patulin biosynthetic pathway with the aid of several patulin-deficient mutants, pathway enzymology, bioconvesion of metabolites, and immobilized cell techniques. It was found that three mycotoxins (phyllostine, isoepoxydon and ascladiol) and a new lactone (neopatulin) exist on the pathway. Two dehydrogenases among the pathyway enzymes were characterized. Furthemore, in contrast to the accepted assumption, monooxygenase mediated the ring cleavage of an aromatic precursor, gentisaldehyde. Finally, the patulin pathway becomes twice as long as the portion known before 1978,and is one of the best characterized pathways of secondary metabolism. In this monograph, mechanisms of the conversion of phyllostine to neopatulin, and neopatulin to phyllostine, are proposed, and a pathway for the related mycotoxin, penicillic acid, is also discussed.
著者
村田 晃
出版者
日本醗酵工学会
雑誌
醗酵工学雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.125-133, 1973-02

乳酸菌利用醗酵に使用されているLactobacillus caseiのJ1ファージの増殖機構を究明する一手段として, 生体高分子物質の生合成に影響を与える抗生物質を阻害剤として用い, それら阻害剤のファージ増殖阻害の機作について追求し, 正常なJ1ファージ増殖過程の解析を行なおうとした.既に, DNAの生合成を阻害するマイトマイシンC, DNA依存RNAの生合成を阻害するアクチノマイシンDについて報告した.今回は, タンパク質の生合成を阻害すると知られているクロラムフェニコール(CM)について検討した.1)CMは, L. casei S-1菌株式会社に対して静菌的に作用しその生育・増殖を抑制すること(最小生育阻止濃度は20μg/ml), ならびに, 最小生育阻止濃度において, タンパク質の生合成を阻害するが, DNAおよびRNAの生合成に対してはほとんど影響を与えないことが示された.2)CMは, 遊離状態のJ1ファージを不活性化しなかった.3)CMは, J1ファージの宿主菌細胞表面への吸着, 引き続いてのファージDNAの菌細胞内注入を阻害しなかった.但し, 吸着速度はCM存在下で若干低下した.4)CMは, J1ファージの増殖を阻害した.20μg/ml以上では, 増殖阻害は完全であったが, それ以下では, 濃度に応じて潜伏期は延長され, バースト・サイズは減少した.5)CMによるJ1ファージの増殖阻害は, ファージDNA注入以後の菌細胞内増殖段階のブロックによると示されたので, CMの菌細胞内増殖阻害の機作を追求した.CM存在下で成熟ファージ粒子は形成されないことから, CMの作用段階は暗黒期の段階であると示された.CM存在下でファージエンドリジンおよびファージ構成タンパク質は合成されなかった.細胞内における増殖型ファージの紫外線感受性を指標にしてファージDNAの複製に対するCMの影響を検したところ, CM存在下で, 注入された親ファージDNAの状態の変化は認められたが, 子ファージDNAの複製は認められなかった.化学的にもCM存在下ではファージDNAの生合成は認められなかった.CM・パルス実験の結果から, 注入された親ファージDNAはCM存在下で完全にintactな状態に保たれていること, CMによる阻害は可逆的なものであること, CMが系から除去された場合一定時間のlag後に反応が再開されること, CMによるファージ増殖阻害の段階はごく初期の段階であることなどが示された.CMが感染時から存在する場合には, ファージDNAは合成されないが, ファージDNAの合成が開始された後にCMを作用させた場合には, ファージDNAの合成は影響を受けず正常に続行された.一方, ファージタンパク質の合成は作用後すぐ停止された.以上の諸結果を総合して, CMは, ファージDNAの複製の開始に必須のタンパク質の合成をブロックすることによりJ1ファージの増殖を阻害すると考えられた.
著者
中西 透 横手 保治 武次 保之
出版者
日本醗酵工学会
雑誌
醗酵工学雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.742-749, 1973-10

著者らはCorynebacterium glutamicumによるL-グルタミン酸発酵液中にしばしばL-プロリンを副生することを見出し, この副生プロリンを増加せしめ発酵法によってL-プロリンを製造することを目的として種々の検討を行なった.多数のL-グルタミン酸生産菌株についてL-プロリン生産能をしらべたところ, 殆ど全部の菌株に生産能を認めたが, また一方, L-プロリン生成蓄積能の強さは菌株によって大きな差が認められ, L-プロリン生成蓄積能の最も菌株としてC. glutamicum KY 9003を選択した. 本菌を用いてL-プロリンの生産条件を検討した結果, 高濃度の塩化アンモニウム存在下でビオチンを菌体の生育増殖に充分量与えることによってL-プロリンの生成蓄積がいちじるしく増大した. この場合L-グルタミン酸の生産は非常に少なく両因子の高濃度化によるL-グルタミン酸発酵からL-プロリン発酵への転換が判然と認められた. また塩化アンモニウムの効果はアンモニウムイオンと塩素イオンの相乗的作用によることが判明した. アルコール類の添加効果を検討しエタノール, プロパノールまたはブタノール等の添加が菌体の過剰生育を抑制するとともに, L-プロリンの生成蓄積をいちぢるしく増進した.以上の検討の結果にもとずき5l-ジアーファーメンターを用い, 糖濃度23%, 塩化アンモニウム6.0%, ビオチン50γ/l, エタノール1.5%を含む培地で培養し, 96~120時間でL-プロリン40mg/ml以上を蓄積した.
著者
原 敏夫
出版者
日本醗酵工学会
雑誌
醗酵工学会誌 : hakkokogaku kaishi
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.16-17, 1991
被引用文献数
1