著者
西村 美穂
出版者
明治大学大学院
雑誌
文学研究論集 文学・史学・地理学 (ISSN:13409174)
巻号頁・発行日
no.12, pp.91-108, 1999

1999年、新年の挨拶とともに、2000年10月にアメリカで開催される国際会議1)の案内と、そしてそれを組織するダニエル・マルタン(Daniel Martin)の「ラブレー『第二之書パンタグリュエル物語』の構想:記憶術検証の試み」Plan du Pantagruel de Rabelais:Essai de mnèmocritiqueという研究報告2)が届けられた。マルタンといえば、マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)で教鞭を執るモンテーニュ(Montaigne、1533~92)の専門家であり、古代レトリック(rhètorique)3)の一つである《記憶術(mnèmotechnie)》4)という観点から、『エセー』Essais(1592)に組み込まれた作家の《人為的記憶(mèmoire artificielle)》を探求、その複雑な作品構想(plan)を解明して成果をあげてきた研究者である5)。
著者
井田 正道
出版者
明治大学大学院
雑誌
明治大学大学院紀要 政治経済学篇 (ISSN:03896064)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.159-172, 1988-02-10

Ⅰ 1987年練馬区長選挙の立候補者と選挙戦 1.田畑区長の引退と2人の立候補者 1987年の練馬区長選挙は、1974年に区長公選制が復活して以来、4回目の選挙である。過去3回の区長選では、いずれも田畑健介氏(無所属)が当選を果たし、3期にわたって安定した田畑区政を築いてきた。田畑氏は、1回目(1975年)の選挙では、社会党、共産党、民社党、公明党の4党の推薦、支持を受け、自民党推薦の無所属、正木英世氏を激戦の末破って初当選した。そして、2回目、3回目の選挙では、田畑氏は自民党の推薦も得て、全党相乗りのかたちで、楽々と勝利を収めてきた。 しかし、その田畑区長は、1986年12月9日、練馬区議会第4定例会において、健康上の理由から翌年4月の区長選には出馬しない旨を表明し、練馬区は久しぶりに新しい区長を迎えることが確定した。