- 著者
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中畑 充弘
- 出版者
- 明治大学大学院
- 雑誌
- 政治学研究論集 (ISSN:13409158)
- 巻号頁・発行日
- no.19, pp.43-64, 2003
本稿は、企業内における部門間のコンフリクトの分析・考察である。この対立・衝突は組織内部システムの問題であると同時に、企業の全社的な戦略の方向性を左右する決定的な要因を含んでいる。しかしながら筆老の目的は、利潤追求・合理効率化のプログラム遂行のため、もしくは、企業の健全性の回復やその再始動・再稼動のために、この闘争を回避する方法・施策を提示することに非ず、一見マイナス・イメージに解され易い、この"対立"や"衝突"が全社的な目的を達成していくうえで有意味な"価値"を創出していることに関心をいだき、それら対立構造と価値体系を分析することにある。なぜなら、これらの"対立・衝突・闘争"の連続こそが、企業の「経営文化」なるものを生成しているのではないか?という自らの問いに何らかの回答を提示してくれるものと信じているからである。