著者
石川 卓 黒崎 将広 鈴木 一人 石井 由梨佳 彦谷 貴子 ワックスマン マシュー 徳地 秀士 彦谷 貴子 リー トマス 那須 仁 クー ジュリアン アダムス マイケル スクーヴィル ライアン
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、国際法規範がはたして日米同盟の実施運用そしてさらなる強化を支える「共通言語」ないし「共通のロジック」たり得るのかを検討することを目的としたものである。日米豪の専門家集団による3年にわたる検討と意見交換の結果、両国ともに日米同盟の柱となる国際法上の武力行使と自衛権の概念および枠組みを極めて重要なものとして位置づけつつも、国際法および国内法上の武力の意味、ならびに自衛権行使の発動条件および当該行使にかかる行政府(首相・大統領)と立法府(国会・議会)の権限関係といった様々なレベルで大きな違いが存在することが明らかとなった。
著者
江崎 智絵
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

オスロ・プロセスが停滞して以降、現在に至るまでの期間は、ハマースの動向に注目すると以下の3つの時期に区分することができる。第一期が2001年から2005年まで、第二期が2006年から2010年まで、第三期が2011年以降である。本研究の対象期間は、第三期に該当するものである。本研究では、2012年以降のパレスチナ情勢を事例として取り上げ、まず、パレスチナ内部の政治情勢および同地域を取り巻く国際関係の推移を時系列で整理する。それを踏まえ、①パレスチナ内部のパワー・バランスにおけるハマースの動き、②ハマースと近隣中東諸国との関係、という2つの側面について同時並行的に分析していく。
著者
有賀 誠 松元 雅和 伊藤 恭彦 上原 賢司 施 光恒 田上 孝一 松井 暁
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

現代世界は、不可避的にグローバル化が進む世界である。そうした流れの中で、国民国家という枠組みでは解くことのできない環境問題等の課題が数多く出現している。このとき注目されるのは、「コスモポリタニズム」という歴史ある思想である。本研究は、「コスモポリタニズム」を、現代的な課題に応答可能なものとしてアップデートすることを目指している。
著者
副田 賢二 松村 良 原 卓史 天野 知幸 和泉 司 五島 慶一 三浦 卓 杉山 欣也
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

戦前期『サンデー毎日』を中心とした週刊誌メディアと文学との関わり、及びその誌面レイアウトや視覚表象の構造を扱う本研究は三年目となり、大阪市立大学所蔵『サンデー毎日』の調査、分析、データ化を進めた。その研究実績は、主に学術研究誌への論文掲載及び学会・研究会での研究発表で発表した。2019年度は、7月に第3回科研費研究成果中間発表会を大阪市内で実施した。同時に日本出版学会関西部会に参加し、雑誌メディアにおける挿絵やレイアウトの研究において、同学会との交流を実現した。なお、2020年3月に京都教育大学で第4回科研費研究成果報告会(一般公開形式)の開催を予定していたが、新型コロナ感染流行のため延期となった。また、大阪市立大学や国立国会図書館、大宅文庫等で調査した戦前期『サンデー毎日』をめぐる資料やデータベースについては冊子形式の資料集として刊行して実績報告書とする予定であったが、3月以降図書館等での調査が不可能になったため、現在研究期間延長申請を提出し、受理されている。延長期間は1年間だが、新型コロナ問題が改善された場合は、2020年8月までに本研究の研究活動及び資料集の出版(成果報告)を完了しようと考えている。そこで刊行する成果報告には、データ化した戦前期『サンデー毎日』の全表紙のデータベース(創刊から占領期まで)、『サンデー毎日』創刊記念号等の特集号の資料紹介、分析、1920年代の文壇ゴシップ記事の分析等、これまでの研究成果を掲載する予定である。また、まず大正期を対象として『サンデー毎日』の視覚表象を分析して目録を作成、データベース化する調査を現在複数メンバーで進めている。その調査、研究成果は、新たに獲得した「1920~1950年代の週刊誌メディアにおける文学テクストと視覚表象の総合的研究」(基盤研究(C) 課題番号:20K00361)にて公刊する研究書に掲載予定である。
著者
渡邉 恭子
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2016-04-01

太陽フレアから放射されるX線や紫外線は地球電離圏に影響を与え、デリンジャー現象という通信障害を引き起こす。現在、デリンジャー現象の予報では軟X線強度(フレアクラス)が指標として用いられているが、実際は軟X線強度と比例していないデリンジャー現象が数多く見られる。どのような特徴を持つ太陽フレア放射がデリンジャー現象を発生するのか、その特徴を見積もるために、本研究ではまず、太陽フレアの多波長スペクトル(特にデリンジャー現象に影響すると考えられている紫外線放射)を観測データから統計的に見積もった。その結果、多くの紫外線放射は軟X線放射強度変化とほぼ同様の変動を見せたが、その紫外線放射を生成しているプラズマの温度によって変動に時間差が見られた。また、軟X線放射とは全く異なる硬X線放射と似た時間変動をする紫外線放射も多くあることが分かった。太陽フレアやそれを発生した黒点の幾何学的な様相が太陽フレアスペクトル変動に与える影響についても統計的に解析した。まず、フレア発生時の黒点の面積とその種類と、太陽フレアの規模や発生率との関係を調べたが、これらの間に明確な関係性は見られなかった。次に、フレアリボンの長さとリボン間距離について調べたところ、どちらも太陽フレア放射の継続時間に影響していることが分かった。以上の観測結果をもとに、太陽フレア放射を再現する数値計算モデルを構築した。フレアループが長い場合(ループ半長:52,000km)、短い場合(ループ半長:5,200km)、一般的な長さの場合(ループ半長:26,000km)について計算したところ、フレアループが長いフレアについてのみ、観測された紫外線放射の強度と時間発展をおおむね再現することに成功した。今後は、この数値計算モデルより、個々のフレアの放射スペクトルを再現可能なパラメータを導出し、得られた放射の地球電離圏への影響を検証していく。
著者
知念 直紹 保坂 哲也
出版者
防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、幾何学的群論において重要な群である無限離散CAT(0)群の研究である。特に、CAT(0)群の幾何的に作用するCAT(0)空間の位相的性質あるいは Gromovが提案したCoarse的な性質の研究である。当該年度はNovikov予想と関連があるasymptotic次元の有限性の研究に従事した。3月に実施された早稲田大学での幾何学的トポロジーの研究集会において、早稲田大学の佐藤氏よるBaumslag-Solitar群のHopfian性の解説、特に小山氏による計算トポロジーの視点からみた有限空間の逆極限の解析は、コンパクト空間の逆極限であるCAT(0)空間の理想境界の解析に適用できると考えられるので、有限空間の逆極限の解析をすることによってasymptotic次元の有限性の研究に生かした。また、任意のコンパクトな距離空間はある有限空間の逆極限とホモトピー同値であることから、この結果はCAT(0)群となんらかの関係があると予想される。CAT(0)空間の基礎的あるいは代表的な空間であるユークリッド空間の無限等長群を研究することは無限CAT(0)群を研究することにおいて重要である。もっと一般に、ある性質Pをもつ位相群について、その位相群は位相群の半直積と同型となるかを解析した。よく知られている有限次元ノルム空間の有限対称積の等長群を決定したが、無限次元ノルム空間はいまだに解決には至っていない。引き続き無限次元について研究を行う。また、任意のコンパクトな距離空間はある有限空間の逆極限とホモトピー同値であることのシンプルな証明を横浜国立大学の横浜セミナーにおいて発表した。特にその逆極限の中に位相的に距離空間を埋め込めることができ、その埋め込みは距離空間として最大であることも分かった。