出版者
山口県立図書館
巻号頁・発行日
vol.明治42年12月末現在, 1910

2 0 0 0 OA 要覧

出版者
樺太庁図書館
巻号頁・発行日
vol.〔昭和16年〕, 1942
著者
道信 良子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.274-278, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
19

文化人類学は,人間の総合的な理解を目指す人類学の一領域であり,世界各地のさまざまな民族や文化的集団を対象に,その文化的な営みを探究する学問である.人間の行動の「意味」に着目する医療人類学の研究は「説明モデル」という概念枠組みを創出し,その知見は臨床にも応用されている.「社会」に着目する研究では,医学・医療のグローバル化や,医療・医薬経済の進展,世界におけるその国の位置づけといった政治的情勢も視野にいれて,健康や病気について考える.文化は,人間の行動に影響を与えるルールであると同時に,人びとがその場の状況に応じて即興的・創造的に行う「実践」でもあり,実践の現場から学ぶ必要がある.
著者
原田 明子
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.157-168, 1998-12

近年、外国語教育の目的はコミュニケーション能力、特に口頭表現能力を身につけることに置かれるようになってきた。初期の段階からこの口頭表現能力をつけさせるために、日本語研修コースでは会話で教えるべき項目の抽出と会話シラバスの構築を行い、その教材化を進めている。更にロールカードを作成し、これを用いて会話の授業を行い、口頭能力試験にも取り入れている。しかし、一連の教材化の作業や試験の評価の基準は日本語教師の内省にのみ委ねられており、一般の日本人による視点・評価が反映されていないのではないかとの思いから、今回、一般の日本人は外国人の日本語をどのように評価するかについて調査をした。具体的には、研修コースの6人の学生のロールプレイをビデオに撮り、それを一般の日本人2人に見せて、どんな点に注目するのか、またどんな要素がプラス、或いはマイナスの評価につながるのかを調べた。その結果、1)一般の日本人は学習者の悪かった点よりも良かった点に目を向ける傾向があること、2)「文法・語彙の正確さ」といった言語規則に関する要素より、あいづちや問い返し、話の切り出し方などの円滑なコミュニケーションの遂行に関する要素に注目していること、3)半分強のコメントが同一の項目であることから、評価の対象になりやすい項目があること、などがわかった。以上のことから、学習者のパフォーマンスのどこに注目するのかは各要素ごとに独立して決まるものではなく、互いに関連性を持つと考えられるので、目につきやすい項目の抽出とそれらの相互関係の記述が今後の課題として示唆される。In the Japanese intensive course at Hokkaido University, we have been developing conversation materials for beginners, with role-play being used as a test of conversational ability. However, both the materials and the evaluation of this test are based solely on the viewpoints of Japanese language teachers, and it is possible that these do not reflect the viewpoints of ordinary Japanese speakers. In this study, we showed video recordings of six role-plays to two Japanese native speakers and asked them what points of learners' performance particularly caught their attention. As a result, we found that Japanese native speakers tended to pay attention to (1) good points rather than bad points of learers' Japanese, and (2) conversational strategies such as aizuchi, and opening and closing devices, rather than the accurate use of grammar or vocabulary.
著者
川瀬 隆千 Takayuki KAWASE
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.39-57, 2003-03-20

雇用・能力開発機構「ポリテクセンター宮崎」にて,再就職のための準備をしている失業中の人たち257人(男性119人,女性102人,性別不明36人,平均年齢37.49歳)を対象に,感情の社会的共有とソーシャル・サポートが精神的健康に及ぼす影響について調査した。GHQ30を用いて測定された対象者の精神的健康度の平均は6.59,標準偏差は5.62であり,従来のサンプルに比べて特に低いことはなかったが, GHQ30得点が7点以上(不健康範囲)である対象者は男女とも45%を超えており,失業は精神的健康にとって大きな脅威であることが示された。失業に伴って経験される感情とその社会的共有行動について尋ね,それらと精神的健康度との関連を検討した結果,悲観的で不安を感じている人ほど精神的健康度が低いことが示された(r=.414, p<.001, Af=245)。さらに,経験された感情,感情の社会的共有と精神的健康度との関連を検討した結果,悲観・不安の感情経験に比べて,その社会的共有が少ないほど,GHQ30得点が高かった(r=.217,p<.001,N=245)。悲観的で不安を感じていても,それを他者に語ることができないと,精神的に不健康な状態になりやすいといえる。対象者が身の回りの人々からどのような支援(ソーシャル・サポート)を受けているかを検討したところ,情緒的な支援の多くは友人から提供されており,金銭的な援助は両親から提供されていた。一方,情報提供などの役割が期待される職安職員やポリテクセンター職員から情報的な援助を受けているとした対象者は少なかった.ソーシヤル・サポートの有無と精神的健康の間には有意な差は認められなかったが,職安職員やポリテクセンター職員など専門家による的確なサポートの必要性が示唆された。