著者
門脇 浩明 山道 真人 深野 祐也 石塚 航 三村 真紀子 西廣 淳 横溝 裕行 内海 俊介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1933, (Released:2020-11-10)
参考文献数
100

近年、生物の進化が集団サイズの変化と同じ時間スケールで生じ、遺伝子頻度と個体数が相互作用しながら変動することが明らかになってきた。生物多様性の損失の多くは、生物の進化速度が環境変化の速度に追いつけないことにより引き起こされるため、生物の絶滅リスクを評価する上で進化の理解は必須となる。特に近年では、気候変動・生息地断片化・外来種などの人間活動に関連する環境変化が一層深刻さを増しており、それらの変化に伴う進化を理解・予測する必要性が高まっている。しかし、進化生態学と保全生態学のきわめて深い関係性は十分に認識されていないように感じられる。本稿では、進化の基本となるプロセスについて述べた後、気候変動・生息地断片化・外来種という問題に直面した際に、保全生態学において進化的視点を考慮することの重要性を提示する。さらに、進化を考慮した具体的な生物多様性保全や生態系管理の方法をまとめ、今後の展望を議論する。
著者
門脇 浩明 山道 真人 深野 祐也 石塚 航 三村 真紀子 西廣 淳 横溝 裕行 内海 俊介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1933, 2020 (Released:2020-12-31)
参考文献数
100

近年、生物の進化が集団サイズの変化と同じ時間スケールで生じ、遺伝子頻度と個体数が相互作用しながら変動することが明らかになってきた。生物多様性の損失の多くは、生物の進化速度が環境変化の速度に追いつけないことにより引き起こされるため、生物の絶滅リスクを評価する上で進化の理解は必須となる。特に近年では、気候変動・生息地断片化・外来種などの人間活動に関連する環境変化が一層深刻さを増しており、それらの変化に伴う進化を理解・予測する必要性が高まっている。しかし、進化生態学と保全生態学のきわめて深い関係性は十分に認識されていないように感じられる。本稿では、進化の基本となるプロセスについて述べた後、気候変動・生息地断片化・外来種という問題に直面した際に、保全生態学において進化的視点を考慮することの重要性を提示する。さらに、進化を考慮した具体的な生物多様性保全や生態系管理の方法をまとめ、今後の展望を議論する。
著者
三村 真紀子 山口 勝司 重信 秀治
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

日本国内に広く生育するモミジイチゴ(<i>Rubus palmatus</i>)のゲノム配列決定を行った。この種のゲノムサイズは230-250Mbp程度と推定されている。屋久島から採集したヤクシマキイチゴ1系統Pal03を解析対象系統とした。これまでの研究から、屋久島に生育するモミジイチゴの亜種ヤクシマキイチゴは、ホモ接合度が比較的高いことが分かっている。180bpのペアエンドライブラリと、インサート領域が3kbpのメイトペアライブラリを作成し、イルミナ社HiSeq2000を用いて対象種のゲノムサイズの86x coverage(推定)にあたる2.9億リード(100bp/リード)を取得した。新規ゲノムアセンブルには、ALLPATHS-LGを用いた。結果、ゲノムサイズは253Mbpと推定され、N50 contigが23kbp, N50 scaffoldが212kbpであった。Contigの総長は、232Mbpであり(ゲノムサイズの92%)であり、またScaffoldの総長は253Mbp(ゲノムサイズの100%)であった。今後RNAseqによるアノテーションを行い、キイチゴゲノム情報の基盤とする。