著者
門脇 浩明 山道 真人 深野 祐也 石塚 航 三村 真紀子 西廣 淳 横溝 裕行 内海 俊介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.1933, (Released:2020-11-10)
参考文献数
100

近年、生物の進化が集団サイズの変化と同じ時間スケールで生じ、遺伝子頻度と個体数が相互作用しながら変動することが明らかになってきた。生物多様性の損失の多くは、生物の進化速度が環境変化の速度に追いつけないことにより引き起こされるため、生物の絶滅リスクを評価する上で進化の理解は必須となる。特に近年では、気候変動・生息地断片化・外来種などの人間活動に関連する環境変化が一層深刻さを増しており、それらの変化に伴う進化を理解・予測する必要性が高まっている。しかし、進化生態学と保全生態学のきわめて深い関係性は十分に認識されていないように感じられる。本稿では、進化の基本となるプロセスについて述べた後、気候変動・生息地断片化・外来種という問題に直面した際に、保全生態学において進化的視点を考慮することの重要性を提示する。さらに、進化を考慮した具体的な生物多様性保全や生態系管理の方法をまとめ、今後の展望を議論する。
著者
向井 貴彦 二村 凌 丹羽 大樹 後藤 暁彦 三輪 直生 石塚 航 矢追 雄一 高木 雅紀
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.149-156, 2015-11-05 (Released:2018-03-26)
参考文献数
35

Japanese char Salvelinus leucomaenis, red-spotted masu salmon Oncorhynchus masou ishikawae, hybrid individuals were collected from a tributary of the Ibigawa River, Gifu Prefecture, Japan. The char and hybrids were mainly distributed in the headwater area where eyed eggs of red-spotted masu salmon are released in each year. Principal component analysis (PCA) of the morphological features of parental and hybrid individuals indicated that hybrid body shape was similar to that of char. Partial nucleotide sequences of mitochondrial DNA indicated the female parental species to be red-spotted masu salmon, without exception. Genotyping of three loci of short interspersed repetitive elements (SINE) of inserted alleles showed all hybrid individuals to be F1, with no evidence of backcrossing. These results indicated that the introduced red-spotted masu salmon hybridized with male char, with a high survival rate of sterile F1 offspring.
著者
門脇 浩明 山道 真人 深野 祐也 石塚 航 三村 真紀子 西廣 淳 横溝 裕行 内海 俊介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.1933, 2020 (Released:2020-12-31)
参考文献数
100

近年、生物の進化が集団サイズの変化と同じ時間スケールで生じ、遺伝子頻度と個体数が相互作用しながら変動することが明らかになってきた。生物多様性の損失の多くは、生物の進化速度が環境変化の速度に追いつけないことにより引き起こされるため、生物の絶滅リスクを評価する上で進化の理解は必須となる。特に近年では、気候変動・生息地断片化・外来種などの人間活動に関連する環境変化が一層深刻さを増しており、それらの変化に伴う進化を理解・予測する必要性が高まっている。しかし、進化生態学と保全生態学のきわめて深い関係性は十分に認識されていないように感じられる。本稿では、進化の基本となるプロセスについて述べた後、気候変動・生息地断片化・外来種という問題に直面した際に、保全生態学において進化的視点を考慮することの重要性を提示する。さらに、進化を考慮した具体的な生物多様性保全や生態系管理の方法をまとめ、今後の展望を議論する。
著者
石塚 航 今 博計 黒丸 亮 津田 高明
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018

<p>2016年、5つもの台風が北海道に接近・上陸して甚大な被害をもたらした。北海道への台風上陸は9年ぶりの記録だが、3つの台風が上陸したのは気象庁の統計開始以来初の記録で、稀な気象イベントだったことがうかがえる。このうち大型の台風10号は、上陸こそしなかったものの8月末に道南地域を通過したため、この地域の森林に大規模な風倒害が発生した。トドマツ産地試験の1つも風倒害を受けたため、低頻度の攪乱への応答、とくに地域変異の有無を知る貴重な機会と捉え、実態を調べた。対象種は北海道の主要造林樹種トドマツで、道内全地域にまたがる53家系の苗を1980年に植栽した産地試験のうち、函館市内にある試験地にて現地調査を行った。過去の定期調査データも用いて解析し、以下の結果を得た;1) 風倒率は成長や生残密度と関係なく形状比と関係し、道北・道東産で風倒率が高いという地域変異もみられた。2) 幹折れ、根返りの割合に地域変異があり、道北と一部の道東産で根返りが多かった。3) 攪乱後の家系成績(成長×生残)は道西南地域産で高い傾向があった。これらは攪乱応答と地域適応性との密接な関連を示唆すると考えられた。</p>