著者
三浦 理代
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.253-256, 2002-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

醸造物 (味噌, 醤油など) をはじめ, 食品 (パン, クッキー, 麦茶, コーヒー焼き肉など) の加熱・調理・加工・熟成, 貯蔵中の複雑な反応 (メイラ-ド反応) は芳しいフレーバーの生成と共に着色 (非酵素的褐変) を起こす。メイラード反応の最終生成物はメラノイジン (褐色色素) である。本号では, 食品とくに醸造物にとって身近な成分であるメラノイジンの生理機能について, 筆者らの研究成果を紹介・解説していただいた。
著者
三浦 理代 五明 紀春
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.157-163, 1996-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
17
被引用文献数
3 7

1. 『四訂日本食品標準成分表』搭載の香辛料19種(ラー油を除く)25品目について,α-アミラーゼ,α-グルコシダーゼの活性に及ぼす影響を調べた.2. 香辛料の磨砕水抽出物に人工基質Starch Azure (α-アミラーゼ),p-nitrophenyl-α-D-glucoside(α-グルコシダーゼ)を加えて酵素反応試験を行った.3. オールスパイス,シナモン,タイムは加熱処理の有無によらずα-アミラーゼ,α-グルコシダーゼのいずれに対しても強い阻害作用を示した.4. オールスパイス,シナモン,タイムは加熱処理の有無によらずα-アミラーゼ,α-グルコシターゼのいずれに対しても強い阻害作用を示した.5. 他の香辛料は対象酵素の種類,加熱処理の有無によって多様な阻害作用,活性化作用を示した.6. 香辛料の適切な選択による糖尿病予防・治療食への香辛料の応用可能性が示唆された.
著者
三神 彩子 三浦 理絵 喜多 記子 佐藤 久美 長尾 慶子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.174, 2009 (Released:2009-09-02)

【目的】家庭部門でのエネルギー使用量増加が近年顕著であり,資源の有効活用および地球温暖化防止の観点から省エネルギー(以下省エネと表記)対策が重要課題となっている。 食生活分野での調理に適した道具の選択はエコ・クッキングの観点から重要な因子である。本研究では,幅広い料理法に対応できる中華鍋(鉄)の特性を活用し,省エネ,CO2削減効果をはかることを目的に,「炒める」「焼く」「揚げる」「蒸す」「煮る」の5操作法別に代表的な調理を実施し,他の鍋類との比較・検討をおこなった。 【方法】ガス積算流量計,熱電対温度計,温度計測記録器を使用し,加熱操作法別に,調理道具(中華鍋,西洋蒸し器,蒸籠,フライパン,揚げ鍋,グリル)ごとの調理時のガス・水使用量, 試料内部温度,仕上がりまでの加熱時間を測定し,さらにCO2排出量に換算した。 【結果】中華鍋は,その形状から火力を効率的に活用でき,熱伝導率が高く,「炒める」では,中華鍋の方がフライパン(鉄)と比較し約26%,フライパン(テフロン)とでは約56%の省エネ効果があった。「焼く」は,中華鍋の方がフライパン(鉄)と比べ約13%,フライパン(テフロン)とでは約47%の省エネ効果があった。「揚げる」は,グリルでも省エネ効果が認められたが,仕上がり(外観)を考慮すると中華鍋が適しており,揚げ鍋と比較し約15%の省エネ効果があった。「蒸す」では,中華鍋で蒸籠を使った場合と,西洋蒸し器使用とで比較すると,約19%の省エネ効果があった。「煮る」は,弱火・長時間加熱の煮込料理で中華鍋の省エネ効果はみられなかった。以上5項目中4項目の加熱操作の中華鍋使用の料理で13~56%の省エネ,CO2削減効果が確認できた。
著者
百瀬 晶子 池羽田 晶文 上平 安紘 三浦 理代
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.538-544, 2016-11-15 (Released:2016-12-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

(1)日本食の主食である米飯との組合せにより,GIを低下させるような副菜の検討を行った.副菜である検査食品は植物性食品5種類(こまつな,キャベツ,トマト,だいず,ながいも)を供試し,全てにおいて平均GIは100以下となった.特にながいもの検査食では,基準食に比べ摂取開始2時間の最高血糖値,血糖上昇曲線下面積(IAUC)共に顕著に低値を示した.これについて,ながいもの粘性物質マンナンが胃からの排出を遅延させ,食後血糖上昇抑制に関与したものと推察された. (2)検査食品中の成分とGI低下との関連を検討するため,総ポリフェノール量と食物繊維量を分析した.これらの成分含量とGIとの間に有意な相関は認められず,検査食品中のその他の成分や糖質構成による影響が複合的に作用したものと考えられた. (3) GI測定に応用可能な非侵襲血糖測定法の確立を目指し,負荷試験中のSMBGと近赤外スペクトルの相関について検討した.血糖値変化量と吸光度変化量の相関係数が0.6以上となる波長は約95%の負荷試験において確認された.波長は負荷試験ごとに変動するものの,単回帰分析により算出した推定血糖変化量から求めたIAUC およびGIは,SMBGによる血糖実測値に基づく結果を良く再現していた.
著者
井出 留美 五明 紀春 三浦 理代 古川 知子 室園 荘一 松永 勝治 伊藤(藤村) 知子 藤村 知子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 = Journal for the integrated study of dietary habits (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.102-110, 2004-09-30
参考文献数
15
被引用文献数
2

シリアルは一般にビタミン・ミネラルが強化され, 食物繊維が豊富なものもあり, 体調, 特に便秘や疲れ, 肌の状態を改善することが期待される。このようなシリアルの効果を検証するため, 朝食欠食の習慣がある10~30代男女70名及び, 朝食摂取している10代女性16名, 計86名について, 全粒穀物シリアルの, 体調及び肌に及ぼす影響について調べた。試験データの収集にあたっては, どこでも送受信が可能である利点を考慮して, 一般に普及している携帯電話のメール機能も利用した。
著者
三浦 理 磯貝 佐知子 吉野 真樹 馬場 順子 梶原 大季 小山 建一 竹之内 辰也 谷 長行 田中 洋史
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.231-237, 2019-06-20 (Released:2019-07-02)
参考文献数
28

PD-1/PD-L1阻害剤に代表される免疫チェックポイント阻害剤を用いるがん免疫療法の開発は,肺がんの治療に大きな影響を与えた.これらの薬剤は,非小細胞肺がん患者の初回治療,2次治療さらには化学放射線治療後の維持療法において,標準治療と比較して生存期間延長効果が示されている.安全性と忍容性は非常に良好だが,これらの薬剤は免疫関連有害事象(irAE)を起こし得る.その頻度は稀であるものの,時に致死的となる重篤な事例に直面することがある.さらにirAEはいつ,どの臓器が罹患するかを予測することができず,未だ適切な管理方法は確立していない.未だ多くの医師は,irAEの管理に精通しているとは言いがたい状況である.これらの問題を克服するために,irAE発症のバイオマーカーを予測する検討や,集学的チームアプローチによる管理が試みられつつある.これらの検討は,患者教育を通したirAEの早期発見,管理に繋がる可能性がある.この総説では,肺がん治療におけるirAEに関わる現在のデータとコンセンサスをまとめた.
著者
三浦 理代 五明 紀春
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.157-163, 1996-02-15
参考文献数
17
被引用文献数
7

1. 『四訂日本食品標準成分表』搭載の香辛料19種(ラー油を除く)25品目について,α-アミラーゼ,α-グルコシダーゼの活性に及ぼす影響を調べた.<BR>2. 香辛料の磨砕水抽出物に人工基質Starch Azure (α-アミラーゼ),<I>p</I>-nitrophenyl-α-D-glucoside(α-グルコシダーゼ)を加えて酵素反応試験を行った.<BR>3. オールスパイス,シナモン,タイムは加熱処理の有無によらずα-アミラーゼ,α-グルコシダーゼのいずれに対しても強い阻害作用を示した.<BR>4. オールスパイス,シナモン,タイムは加熱処理の有無によらずα-アミラーゼ,α-グルコシターゼのいずれに対しても強い阻害作用を示した.<BR>5. 他の香辛料は対象酵素の種類,加熱処理の有無によって多様な阻害作用,活性化作用を示した.<BR>6. 香辛料の適切な選択による糖尿病予防・治療食への香辛料の応用可能性が示唆された.
著者
森下 誠也 三浦 理沙 曽我本 雄大 山中 孝訓 森 一起
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0022, 2015 (Released:2015-04-30)

【目的】ICU入院中の患者に対して理学療法実施中に心停止となった患者の経験に対する考察【症例提示】年齢性別:70歳代男性。診断名:脳梗塞,第5頸髄損傷,右肋骨骨折,右肩甲骨骨折,外傷性気胸。現病歴:外来リハビリ受診時にレベル低下。MRI施行し脳梗塞にて入院。第26病日に頚動脈血栓内膜剥離術施行。第31病日に転落により第5頸髄損傷,右肩甲骨骨折,右肋骨骨折,右外傷性気胸及び血胸受傷。【経過と考察】第32病日に呼吸状態悪化し気管挿管し人工呼吸器管理。第37病日理学療法実施中に心停止。ボスミン投与後即座にセラピストによる胸骨圧迫を行い,3分後心拍再開。第39病日より理学療法再開。その後のバイタルサインや意識レベルに関しては心肺停止による影響はなかった。今回の心肺停止の原因は挿管チューブが若干浅く,側臥位への体位変換時に更に浅くなり,人工呼吸器での換気が不十分になったことによる低換気が引き金になったと考えられる。理学療法再開までの期間が短期間であった理由に,ICUでの理学療法であったため心停止の認識が早かったこと,心拍再開までの時間が短かったことが挙げられる。その他,セラピストはBasic Life Support(BLS)を受講しており心停止時の胸骨圧迫に対する知識および技術が十分にあったことも要因の一つであったと考えられる。今回のようなモニタリング管理下でのリハビリは,異常があればアラームが鳴ることや医師や看護師が近くにいるため,緊急時の対応は行いやすい。しかし,リハビリの実施場所はモニタリングのないリハビリ室や,他の職種のいない訪問リハビリでの現場の方が多く,その際は各セラピストが緊急性の判断を行うこともある。今後,リハビリスタッフへの救急救命教育が必須であると考える。