著者
上條 俊介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.608, pp.179-188, 2006-02-20
被引用文献数
2

事故および死者数削減・交通渋滞緩和においては,インフラおよび車載センサーによるセンシングに基づく路車間協調が今後ますます重要になる.画像処理技術は,環境変化へ頑健なシステムを構築することが困難であったことから,市場への導入が遅れていた.しかし,近年の画像処理技術自体の進歩,道路管理者等の運用者側において画像処理技術を使う上での理解が進んだことにより,市場への導入拡大が期待される.また,センシング技術は,交通事故や交通渋滞のメカニズムの解明へ向け,良質なデータを取得するための有効手段としても注目されている.本講演では,最近の画像処理技術の動向について紹介する.さらに,他のセンシング手段との融合によって事故削減・渋滞緩和へ向け,どのような最適解が有りうるかについて議論を行う.
著者
武 小萌 張 文利 上條 俊介 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.207, pp.41-46, 2003-07-10

近年,映像情報システムの構築を目的とする研究が盛んに行われてきたのだが,このようなシステムに基づいて提案された実用的なアプリケーションはまだ少ないのが現状である.本稿では,映像内のオブジェクトに注目し,ドラマ登場人物人気投票システムと呼ばれるオブジェクト記述を利用した対話型映像情報利用システムを提案する.提案システムにより,ネットワーク上で複数のユーザが同じ放送映像を見ながら,登場人物に対して好感度に分けて投票する.投票情報がサーバ側で収集・蓄積・利用される一方,異なった登場人物の人気度,そして異なった映像時間帯の投票率等に関する統計量を提供することが可能である.
著者
上條 俊介 松下 康之 池内 克史 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2597-2609, 2000-12-25
被引用文献数
51

画像上での車両のトラッキングは, 画像処理をITSにおける事故などの異常事象検出に適用するための基礎技術として重要である.しかし, 車両トラッキングでは, 従来から最も困難な課題の一つとしてオクルージョンの問題があり, 安定したトラッキングを実現することが困難な状況であった.特に, 我々の研究では大きな交差点を対象としているため, 平均20台程度の様々な大きさ, 形状の車両が様々な動きをし, オクルージョンも様々な条件で生じる.こういった状況でのトラッキングには, 従来の直線走行や空いている状況に適用していた.線形軌道予測や車両形状モデルを仮定するものとは異なるパラダイムが必要とされる.この問題を解決するために, 我々はMarkov Random Fieldモデルを時空間画像に拡張適用し, 1枚の画像中のみならず, 時空間画像中の隣接した画像同士でテクスチャの相関や移動物体軌跡の連結の確からしさを評価するアルゴリズムを考案した.更に, この時空間MRFでの表された画像のエネルギー分布を確率緩和過程で最適化した結果, 様々な状況でのオクルージョンに対しロバストなトラッキングが可能となった.この時空間MRFを混雑状況での約25分間の交差点画像に適用し, 3214台の通貨車両をトラックした.その結果, オクルージョンが生じていない車両に関しては99%以上の確率でトラッキングが成功し, オクルージョンを生じている541台に対しては95%程度の確率で複数台の車両を分離したトラッキングに成功した.このアルゴリズムでは, 車両形状モデルなども仮定せず, 濃淡画像から得られる情報のみを用いることで実現できるため汎用性が高く, また安定性も高いことから, 交差点における事故検出などへの応用が期待される.
著者
上條 俊介
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

本研究では、公共空間における歩行者監視および道路空間における安全運転支援をアプリケーションとして、実価値のあるセンサーネットワークを開発することを目的としている。歩行者監視のための画像センサーネットワークの開発では、人物監視においては、挙動不審人物を検出し、画像センサーネットワークに渡って自動追跡するための自律分散型の画像センサーネットワークを開発することを目的としている。今年度は、まず時空間MRFモデルを適用してオクルージョンに頑健な人物の領域分割およびトラッキングを行い、その結果から人物の歩行軌跡を得る技術を開発した。オクルージョンの際には、システムが学習した画像上での人物の高さ情報から、足元を推定して正確な軌跡を得ることができた。次に、人物領域のシルエットを画像の水平および垂直軸に投影することで16次元データ化し、これらをクラスタ分類することで、人物のシルエット識別を行う手法を開発した。同じ姿勢を取っている人物でも撮影する方向によってシルエットが異なる問題を解決するため、光軸を90度異なる方向に設置した2台のカメラで撮影されたシルエットを比較することで、正しい人物姿勢を推定する手法を開発した。カメラ間の同一人物マッチングについては、4点マーカーを用いた簡便なカメラ間座標キャリブレーションにより、人物座標変換を行うことで、マッチングが可能となった。最後に、人物の軌跡および姿勢の時系列変化、ならびに複数人物間の相関関係をシナリオ化することで、酔客、けんか、病気、荷物置き去り等の様々な事象を検知するためのフレームワークを開発した。これにより、様々なシーンに汎用的に適用可能な人物行動把握技術が開発されたと考えられる。
著者
武 小萌 張 文利 上條 俊介 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.205, pp.41-46, 2003-07-10

近年,映像情報システムの構築を目的とする研究が盛んに行われてきたのだが,このようなシステムに基づいて提案された実用的なアプリケーションはまだ少ないのが現状である.本橋では,映像内のオブジェクトに注目し,ドラマ登場人物人気投票システムと呼ばれるオブジェクト記述を利用した対話型映像情報利用システムを提案する。提案システムにより,ネットワーク上で複数のユーザが同じ放送映像を見ながら,登場人物に対して好感度に分けて投票する。投票情報がサーバ側で収集・蓄積・利用される一方,異なった登場人物の人気度,そして異なった映像時間帯の投票率等に関する統計量を提供することが可能である。
著者
武 小萌 張 文利 上條 俊介 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.209, pp.41-46, 2003-07-10

近年,映像情報システムの構築を目的とする研究が盛んに行われてきたのだが,このようなシステムに基づいて提案された実用的なアプリケーションはまだ少ないのが現状である.本稿では,映像内のオブジェクトに注目し,ドラマ登場人物人気投票システムと呼ばれるオブジェクト記述を利用した対話型映像情報利用システムを提案する.提案システムにより,ネットワーク上で複数のユーザが同じ放送映像を見ながら,登場人物に対して好感度に分けて投票する.投票情報がサーバ側で収集・蓄積・利用される一方,異なった登場人物の人気度,そして異なった映像時間帯の投票率等に関する統計量を提供することが可能である.