著者
下田 元 佐藤 実 城戸 幹太 猪狩 俊郎 岩月 尚文
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.18-21, 2004-02-20
被引用文献数
2

術前の内科的心循環器系機能評価で特に異常を認めない患者の顎口腔再建術中に, 発作性に心室性頻拍が発生し心室細動に移行した。胸骨圧迫心マッサージを継続しながら電気的除細動を繰り返したが奏功しなかった。リドカイン, エピネフリン, アトロピンなどの薬剤併用にも反応せず蘇生し得なかった。病理解剖学的診断の結果, 特に右室に著明な菲薄化・拡張を認め拡張型心筋症の病態を呈していた。潜在していた心筋障害が, 薬剤・DCショックに反応性を示さなかった致死性不整脈発生の原因と考えられた。<BR>潜在性の病的心筋に対する内科的評価の限界を痛感させられ、無症候性症例の術前のリスク評価方法が当面する課題であると思われた。
著者
水田 文子 猪狩 俊郎 安田 真 水田 健太郎 城戸 幹太 下田 元 佐藤 実 高橋 雅彦
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.24-30, 2005-06-30

歯科診療室においては, 患者が厚着していることが多いため, 裸腕に代えて脱衣せずに利用できる血圧測定方法がないか, 健康成人40人に対し, オシロメトリック式自動血圧計を用いて検討した。着衣の状態や測定部位は, 上腕裸腕, ワイシャツ, 薄手のセーター, 薄手のセーターを捲り上げ, 厚手のセーター, 厚手のセーターを捲り上げ, ジャケット, 裸腕前腕, 下腿とした。その結果, ワイシャツやワイシャツに2mm程度のセーターの重ね着程度ならば, 裸腕の血圧測定に代えて利用できることが明かとなった。着衣での頻回あるいは長時間におよぶ血圧測定は望ましくはないが, 健康成人で日常の歯科診療室における血圧測定には十分に利用できるものと考えられた。一般に着衣の上からの測定は駆血に要する圧が高めとなるので測定値が高く出, セーターなどを捲りあげての測定では低くなると言われているが, オシロメトリックメトリック方による測定では必ずしもそうとは限らなかった。
著者
永井 裕太 木多 道宏 下田 元毅 吉崎 真人 小島 見和
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.797, pp.1208-1219, 2022-07-01 (Released:2022-07-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

This study sought to comprehend the area’s context of Senri New-Town by analyzing the relationship between the physical and socio-cultural environment before and after development. Before the development of the New-town, the irrigation system was determined by landform, location of ponds and field watering area. This irrigation system was categorized into three types according to the hierarchy of ponds, primarily maintained by residents. Following the new-town development, the old significant irrigation system disappeared. The study proffers the necessity of Senri Town’s spatial reorganization by connecting it with the agricultural resources of the old village.
著者
下田 元
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生: 日本蘇生学会雑誌 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.63-65, 2012

中学校軟式野球大会の試合を観戦中に,キャッチャーの上体に野手からの送球が直撃後,一過性の意識消失を呈したと思われる状況に遭遇した。直後に診察した結果,応答があり呼吸は保たれ,橈骨動脈の触診では徐脈を認めた。AEDの設置を確認し安静を図りながら視診したところ,右側頸部にボール直撃の形跡として円形打撲痕を認めた。胸部などに外傷の痕跡がないことを再度確認した。以上の他覚的所見から,頸部に及んだ強い圧刺激に起因した頸動脈洞反射による循環動態の急変と判断した。<br> 本経験から,日常でのbystander による迅速な対処と,頸部への衝撃に対しては,頸動脈洞反射を念頭に置いた対応が必要であることを再認識した。