著者
中島 智晴 村田 忠彦 石渕 久生
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.199-206, 1996-08-15
被引用文献数
6

本研究では, クラシファイアシステムを用いて多次元パターン識別問題に対する言語的識別ルールの自動生成を行う方法を提案する.提案手法では, 各々の言語的識別ルールが個体として取り扱われ, 交叉や突然変異などの遺伝的操作が適用される.言語的識別ルールの適応度は, そのルールにより正しく識別されるパターン数と誤識別されるパターン数により定義される.提案手法は, 学習用パターンから少数の言語的識別ルールを自動的に生成することができるので, 言語的知識の獲得手法と見なすこともできる.提案手法の有効性は, 2次元パターン識別問題の例題と13次元パターン識別問題であるワインデータの識別問題に対する数値実験により示される.
著者
秋山 英久 中島 智晴 五十嵐 治一
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.691-703, 2020-04-15 (Released:2020-04-15)
参考文献数
42

本稿では,RoboCup サッカーシミュレーション2Dを題材として,ゲームAIにおける局面評価の表現法と学習法を概説する.一般的に,サッカーゲームは動的環境下におけるマルチエージェントシステムの代表的な例として知られている.そこでまず,RoboCupサッカーシミュレーションをゲーム AI 研究における他のベンチマークテストと比較し,類似点や相違点について議論する.次に,サッカープレイヤが行動選択をするメカニズムとして行動連鎖の考えに基づいた探索法を示す.それは,チェスや将棋プログラムと同じように探索木と局面評価による状況の「読み」に基づいており,チームメイトとの協調行動を計画し,選択することが可能である.そして,行動連鎖生成で用いる局面評価モデルを機械学習の枠組みにより構築する方法を様々な事例をあげながら概観する.
著者
久我 亮太 山口 将貴 中島 智晴 秋山 英久
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.SAI-038, pp.04, 2020-10-31 (Released:2021-08-31)

In this study, we developed an online competition system for RoboCup soccer simula- tion 2D. Due to coronavirus disease (COVID-19), the regular competition will not be held in 2020 as usual, so there was a need to develop an" online competition system "that enables the holding of non-face-to-face competitions. This system uses a chatbot system to automate match executions and team management. The chatbot API automates the execution of programs and tasks such as start server and start players. In this way, the system achieves competition completely online. This system was officially adopted for the RoboCup Japan Open 2020 soccer simulation 2D league competition in 2020, when the first official online competition was held. Thanks to this system, the competition management flow which had been carried out manually, has been automated. As a result, this system has made a significant contribution to reducing the burden of competition management.
著者
北埜 裕子 中島 智晴 石渕 久生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.49, 2005

本研究では,戦略が不明な先物取引エージェントの注文戦略を理解可能にするためのファジィルール抽出手法を提案する.ファジィルールはエージェントの注文履歴から抽出される.また,人間が理解しやすい形で抽出されたファジィルールを視覚化することにより,シンプルで高性能な行動分析が可能となる.数値実験では,提案手法の効果を確認するために,抽出ルールを用いて注文を行うエージェントを構築し,その性能を調査する.
著者
中島 智晴 Julien Pierra
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.182-183, 2014 (Released:2015-04-01)

これまでにファジィ識別器をオンライン学習に対応させるための研究を行っているが,過去のパターンの取り扱いについては不明であった.本研究では,データストリーミングにおいて過去に得られた学習用パターンの取り扱いが識別性能に与える影響に関して調査研究する.
著者
石渕 久生 中理 達生 中島 智晴
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.J83-D1, no.10, pp.1097-1108, 2000-10-25

本研究では,繰返し囚人のジレンマ(IPD:Iterated Prisoner's Dilemma)ゲームを行うプレーヤが格子世界内に存在するような空間型IPDゲームにおける隣接プレーヤ間での信頼関係の表現方法を提案する.各プレーヤは隣接するプレーヤとのみIPDゲームを行い,遺伝的アルゴリズムにより戦略進化を行う.各プレーヤの適応度関数は,そのプレーヤの利得と対戦相手の利得との加重和により定義される.対戦相手の利得に関する重みは対戦相手から協調行動が得られた場合に増加し,裏切られた場合に減少する.正の重みは対戦相手への思いやりを表し,負の重みは敵対心を表す.通常のIPDゲームでは,対戦相手の利得に関する重みはゼロである.本研究では,空間型IPDゲームにおける戦略進化に重みの更新メカニズムを組み込むことにより,隣接プレーヤとの信頼関係の動的な変動を定量的に表現することを試みる.