著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.478-479, 2018 (Released:2018-06-21)

この制作は昆虫食を扱っている。今回はその中でも私がいかに昆虫食をデザインしてきたかについて述べる。アプローチは主に3つあり、それは試行錯誤と記録と表現である。私は昆虫食に関する気づきを得るために試行錯誤を行なった。そして、私はその試行錯誤を記録して表現することで、多くの人に昆虫食を考えたり拡張したりするためのきっかけを与えようとした。これらの行為は一般的なデザインとは少々異なっているが、テーマやそのテーマが抱える問題が不明瞭であるときにはデザイン自体を作り上げる必要があるのではないかという考えをもとに行っている、
著者
高橋 祐亮 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.478, 2017 (Released:2017-06-29)

昆虫食は機能的な面と嗜好品としての面の2つの可能性がある。現在は機能的な面が主に注目されているが、実際に食として広がっていくためには食としての嗜好性にも力を入れる必要がある。そこで私は昆虫食を広めるために料理のプロジェクトを行なっていた。コンセプトを立てたり、広がるための工夫を凝らしたりしながら実際に料理をしてそれらを多くの人に提供した。しかし、それらは成功とは言えなかった。多くの人は料理を食べてくれたし、思ったより美味しいという感想を述べてくれたが、それは一時的なもので継続的なものではなかった。そこで美味しさとは何かという観点からリサーチをした。その結果、食におけるテクスチャーという考えが重要であることがわかり、その観点から昆虫料理のプロジェクトが失敗した原因を探り今後の方針を立てた。
著者
須永 剛司 永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.4-12, 2014-03-31 (Released:2017-11-27)

「デザイン思考」という枠組みが提示され、今さまざまな学問が横断的な知として「デザイン」を教育プログラムとして設置しはじめている。しかし、デザインを「思考」の組み立てとしてのみ捉えることはその営みの本質を取り逃がすことになる。デザインすること、つまり「デザインニング」には思考とともにそれを駆動する表現行為がある。いまデザインの共同体に求められているのは、未知の物事を描き、創造し、具体に仕立て上げる力と、それを駆動している本物のデザインの知の成り立ちを明らかにすることだ。そんな思いから著者らはデザインの実践家たちが「デザインの知」を描き出す試みを実施した。本稿では、デザイナーたちが自らのデザイン実践を省察し、デザインをいかに「行い」、デザインすべき課題をいかに「知る」のかを語りその意味を探る試みを報告する。またそこから見出されたデザインの思考と行為を形づくっている3つ原理、「じゃない感」「結果と問いのカップリング」「3種類のコミュニケーション・モード」を、実践するデザイナーの「デザイン知」として考察する。
著者
須永剛司
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-1, 2010-10-22

異分野が共同でおこなう研究プロジェクトにおいて、異なる研究分野の連携を生みだすことは難しい。異なる思考の立脚点や行為の文脈を会議室で議論し、どれほど言葉を積み上げてみても、そこに違いが見えてくるだけだ。連携を生み出すために大事なことは、そこに集まった研究者が共に働くことのできる 「実践」 の場に研究を組み入れることである。実践とは、社会でおこなわれている人々の文化的な営みである。そこへ入っていくことは簡単ではない。それぞれの研究が人々の生活する世界と対照され、本物の活動の中で吟味されるからだ。しかし、そこには重要な収穫物がある。研究が社会に吟味される状況におかれた時、自分たちとは異なる専門をもつ研究分野がとても頼りになる。共同する相手分野の価値が見えてくる。なぜなら研究分野が二つ三つ協力しなければ、そもそも分化せずに総合している社会実践に対応できないからだ。会議室では呑み込めなかったことが、すーっと腑に落ち、相手分野の知や技と関わり合う意味とやり方がわかってくる。そして、異なる専門をもつ研究者たちが協働してみようと思う人間に 「なってくる」。文系・理系・美系の分野が、社会実践での連携をとおして相手の分野を知り、ゆっくりと共同を始める姿を、著者ら美系分野の視点から紹介する。
著者
須永 剛司
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.6-11, 2004 (Released:2007-04-13)
参考文献数
9
被引用文献数
2

This paper addresses the issue of design drawing in order to discuss about creativity. Purpose of designers' drawing is to generate enormous Fields of Creative Perception for themselves. Why does a design teacher requires his/her students to draw hundred sketches in one night at home work? What is achievement of the students through the hard work? The answer is that the hundred drawings become fields of their diverse inventions on the process. Design creativity is emerged out of number of expressions derived from coupling of perception/seeing and action/drawing. Beautiful original forms are only extracted from a large number of ideas and scrubbed of the extractions. Therefore ability of generating Fields of Creative Perception should be fostered on design students in their learning. Creativity is abilities of drawing enormous sketches and organizing them into creative fields as professional designers do. Discussion of this paper consists of reading perceptual experience of Rudolf Arnheim, coupling of perception and action, Fields of Creative Perception and expression then creativity and self.
著者
須永 剛司 小早川 真衣子 敦賀 雄大 高見 知里
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 デジタルドキュメント(DD) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.6, pp.1-7, 2011-01-14

情報通信技術を基盤とするさまざまな表現メディアが私たちの社会の表現活動を広げている.しかし,それらを受け入れられるフィールドはビジネスと個人そして大学だけである.いま,メディアはミュージアムや学校や地域のコミュニティなどパブリックな社会をフィールドにできていない.例えば,小学校に導入された電子黒板は学年の共用教室に置かれ,学び手たちの道具になっていない.表現活動をかたちづくる文化的プログラムの不在.著者らはそれが原因のひとつにあると考えている.技術システムと文化的プログラムをカップリングし,車の両輪として研究開発している,ミュージアム活動を変革するためのデザインを報告する.Various expression activities with the media based on Information Communication Technology have been expanded in our society. However the fields of the activities are limited to business and private. The media are not sufficiently accepted by public activities on social learning or local communities. For example, electronic black boards installed into classrooms of elementary schools by governmental treatment have not been succeeded enough in many cases. The reason why the cases happened is lack of Cultural Programs with the media. This paper shows a new design approach with coupling of Technological System and the Cultural Program into one platform for an innovation on museum activities.
著者
須永 剛司
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.2A1OS151, 2011

<p>学際共同研究であるCRESTプロジェクトから私たちが見出したのは拡張の必要である。社会の営みに埋め込まれるシステム開発のために、技術やデザインの視野を、システムから道具へ、道具から人々のリアルな活動へ拡張すること。ここでは、生きた活動をデザインの対象問題として認識するために、「こと」という概念を提示する。「こと」は人々に経験される事態であり、私のまわりに、そのとき立ち現れる生成的な出来事である</p>
著者
清水 淳子 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.290-291, 2018 (Released:2018-06-21)
被引用文献数
1

複雑な社会問題に取り組んでいる当事者たちの課題を解決するため、グラフィック・レコーディングでサポートしました。 この研究の目的は、異なる立場の人々が複雑な問題に直面するときに起こる衝突をどのように解決するかを見つけることです。待機児童の解消を目指すチームと協力しています。私は視覚的なコミュニケーションのプロセスを考察します。私は目に見えるグラフィックだけでなく、人々の思考や関係を考慮し、ビジュアルコミュニケーションの効果を考慮します
著者
山口 真由美 宮之下 さとみ 原田 由美子 藤満 幸子 山田 クリス孝介 渡辺 健太郎 トム ホープ 小早川 真衣子 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

本研究の目的は電子カルテがもたらした看護への影響を探ることである。2回のワークショップを開催し、A大学病院で電子カルテと紙カルテの双方を利用したことがある看護師としての経験年数が14~30年の看護師7名と、電子カルテのみしか利用したことがない看護師としての経験年数が3~7年の看護師4名が参加した。ワークショップでは、入院から退院までの業務内容や扱われる情報を整理し、質的に分析することで紙カルテと電子カルテとを比較した。その結果、入院から退院までの業務は「入院時」、「入院後」、「退院時」の3つの段階に分けることができ、各段階における業務内容や扱われる情報について、紙カルテと電子カルテとで共通する内容と、電子カルテ導入後の変化が見出された。電子カルテの導入によって、必要な時に必要な情報を速やかに検索できることや正確で速い情報伝達、業務の標準化・テンプレート化等、業務の見方や内容など紙カルテと比べ多くの変化が起こっていたことが明らかになった。今後は患者や職員間の直接的なやり取りや振り返りの機会を補完しうる、情報共有と価値観の醸成を支援するような看護サービスシステムが必要である。
著者
堀江 政広 横川 耕二 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第54回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.P16, 2007 (Released:2007-06-09)

高度な専門性をもつソフトウェア技術者等の不足が問題視されている。その不足という状況は、エンジニアだけでなく、ソフトウェア開発に関わるデザイナーにも当てはまる。それを解決するための手段のひとつとして、エンジニアと協調しソフトウェア開発を行えるデザイナーの育成が有効であると考えた。 本稿では、「グループ活動提示ツール」のプロトタイプ・ソフトウェア開発を事例に、「エクストリーム・プログラミング(XP)」というコーディングを中心的活動とする開発手法の実践を報告する。そして6週間(1.5人月)という短期間で行われたエンジニアとデザイナーとの協調について述べる。
著者
王 怡文 須永 剛司
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.368, 2017 (Released:2017-06-29)

本研究は工学系大学生と美術系大学生がチームでデザインを行った事例を振り返り、成功したプロセスと失敗したプロセスを比較しながら、工学系と美術系チームにおける協働について考察する。比較の結果、美術系には美術系同士のチームでしか伝わらない「なにか違う」という感覚があり、その感覚を言葉で論理的に工学系に伝えることでお互いに信頼感が生まれ、工学系と美術系のチームがより互いを信頼しあい、協力しながらチームとして活動し高品質なアウトプットを出せるようになると考えられる。
著者
矢口 真理子 北田 貴詠 島野 里彩 矢野 英樹 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

あそびのデザインDesign of Playという授業課題として「carat game(カラットゲーム)」をデザインした。carat gameとは、2人~3人で行う対戦型ボードゲームである。サイコロを用いて、ゲームは&rdquo;運任せ&rdquo;で進むが、同時に&rdquo;運任せではなく&rdquo;ゲームを進めるルールもデザインした。それは、プレイヤーが盤を構成するマスの色を変更できるというルールとパーツ「コネクト・タイル」でできている。また、&rdquo;1人遊びでは得る事のできない体験&rdquo;も重要な要素として考えた。私達はこの授業を通して、誰かと一緒に遊ぶ事の大切さや楽しさを改めて実感することができた。そしてとても大事な学びとなった。
著者
中村 嘉志 友部 博教 須永 剛司 西村 拓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.23-28, 2008-01-31
被引用文献数
3

本稿では,ワークショップ(参加体験型の創造的活動)での活動記録を目的として,記録した複数の音響信号から,参加者のその場における位置履歴を推定する手法について述べる.提案手法は,ワークシヨップの音声記録を行うだけでなく,位置センサや方向センサを用いなくとも,録音装置と音源装置を用いるだけで参加者の位置履歴を推定することができる.音源装置から発せられた固有音は録音装置で記録され,この固有音を頼りに解析することにより,オブジェクト(ヒトやモノ)のそれぞれの位置関係を抽出する.ユーザは,抽出された位置関係を位置による活動履歴として後で振り返ることができる本稿では〆予備実験を通して提案手法の有効`性を評価する.This paper proposes an activity capture method of attendees and facilitators for indoor interactive work shops, which are events designed for participatory learning and creative endeavors in group. Without any special location sensors or direction sensors, a simple acoustic recorder and player for every user and artifact in the workshop enables the method to estimate the user location history as well as recording the audio scenery. Each audio signal captured by a recorder is analyzed and identified as a specific sound emitted from a corresponding audio player. The locations and orientations of all users are estimated by collecting all the information in the vicinity of each attendee. Users can re-experience the workshop audially and visually using a map of the workshop room and attendees' locations and orientations. Our preliminary experimental results demonstrate the feasibility of our estimation method.
著者
原田 泰 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.56, pp.70-71, 2009-06-20
被引用文献数
3

"Documentation Wall(DW)" is an expression that visually records the activity in the workshop on the wall in the event space. The activity is drawn like the picture scroll in order of time by the expression that combines the photograph, the text, and figure. The feature of DW is to be drawn the content of the participant's activity in real time. By watching DW, the participants can reflect and define of their activity on the way or the end of workshop. For the organizer, DW can be used as the example to explain the workshop program, or as the material for upgrade of the following workshop. For the audience who are visiting the workshop, it is possible to be interested in the content by knowing the participant's activity by DW.
著者
大橋 美弘 安村 透 小川 さくら 朱 克 須永 剛司
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.61, 2014

今日では、メガネを作成する工程がシステム化され、短時間でメガネの購入が可能になった。しかし、受け取りまでの待ち時間が短くなったとはいえ、あまり上手く活用されていない場合が多い。本稿は、待ち時間を利用した新しいサービスについての提案である。メガネは視界をクリアにする道具であるが「新たな視界を手に入れる」感動を与えてくれる装置でもある。私たちは、メガネを使う人にしか分からないこの感覚を、日常生活の中でも味わえないかと考えた。そこで、日常的な景色であっても、高い場所から遠くを見渡すと、視野が広がり、新しい発見を行うことが出来ることに着目した。メガネを購入する待ち時間で気楽に旅をするように、都市を循環し観光を楽しむことの出来る体験型のサービス「視覚たび」の提案である。<br>