著者
中村 建太 寺井 早紀 白井 直樹 海老原 充
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.78, 2016 (Released:2016-11-09)

COコンドライト隕石は岩石学的にタイプ3に分類される炭素質コンドライトの1グループで、変成の程度に応じて、さらにタイプ3.0から3.7に細分化された分類を持つ。この岩石学的分類の違いは熱水変質の程度を示していると考えられている。しかし、元素組成と岩石学的分類の関係性は明らかになっていない。そこで、本研究では宇宙化学的揮発性元素に着目し、誘導結合プラズマ質量分析法を用いて、岩石学的分類の異なるCOコンドライト隕石中の揮発性元素の定量を行った。得られた結果より、揮発性元素組成と岩石学的分類の関係性を考察することを目的とした。
著者
中村 建
出版者
北海道大学大学院文学院
雑誌
研究論集 (ISSN:24352799)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.111-123, 2023-01-31

有島武郎の戯曲「死と其前後」は従来、作者自身及び病死した作者の妻に関する伝記的事実に大きく傾斜した研究が多くを占めている。また、この作品の解釈も前述の事実を踏まえた上で死に対する夫婦の愛の勝利といった見方が主流であり、テクストに即した研究が不足していると言わざるを得ない。そこで本稿では、特に同時代においてなされた夫婦の「愛の勝利」という解釈が、近代日本におけるメーテルリンク受容と関わりのあったものであることを示すとともに、テクストに即して「愛の勝利」の内実を明らかにする。後年、「メーテルリンクの季節」と呼ばれた当時、三角関係を題材とした『アグラヴェーヌとセリセット』がしばしば話題され、有島も小説に引用し、「死と其前後」への評価でも引き合いに出されるほどであった。しかし当時の受容は、難解な戯曲の内実を深く理解していたものというよりも、戯曲というジャンルが運命や人の内面を直感的に表現できるという一種の神秘主義的なものであり、そのような文脈の中で「死と其前後」も受容されたのであった。次に、夫婦の愛について戯曲のテクストに即して分析を試みる。この戯曲は「愛の勝利」として評価されてきた一方、その愛について否定的な評価も根強い。筆者はこれを愛を相対化する回路として評価しつつ、有島の「恋愛の多角性」の主張との関連から考察を試みる。有島は晩年、同時に複数の人物に恋愛するという「恋愛の多角性」を唱えていた。劇中、何人もの女性に誘惑を感じてきたことを告白する夫は、そのような有島の後年の主張を予期させるものである。また、夫からの愛を疑う瀕死の妻へのそのような夫の告白は、妻との愛を確認しつつもその愛の不可能性を露呈するものである。以上の内容から、「死と其前後」における愛の勝利と不可能性は、有島が自己と他者の同化を唱えた一方で認識を自己批判するような晩年への変遷を予見させるものであると言える。
著者
高田 文子 中村 建次 久米 茂行 田中 庸央 彦坂 治
出版者
[愛知県公害調査センター]
雑誌
愛知県公害調査センター所報
巻号頁・発行日
no.20, pp.52-57, 1993-03

トリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエチレン(PCE)等の低沸点有機塩素系化合物の,底質からの抽出方法として,テフロン瓶とジルコニア球を組み合わせたセラミックハンドシェイカーによる,抽出条件の検討及び回収試験を実施した。底質にTEC,PCEの水溶液を吸着させた模擬試料を使用して検討した結果,分取時の揮散等の問題を除けば,ほぼ100%と満足できる回収率が得られ,実試料の分析に適用できると考えられる。
著者
芦田 和重 佐藤 哲大 中村 建介 湊 小太郎
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-03-14

DNA の塩基配列中の変異が原因とされるガンなどの疾病について,変異箇所を特定することで診断や治療が行える可能性が期待されている.解析対象の塩基配列中のどの位置にどのような変異が発生しているかを特定する技術は変異コールと呼ばれており,ゲノム解析の中心となる技術の一つである.正確な変異箇所の特定のため高精度の変異コールが必要とされているが,現在の変異コールは精度が低く,アライメントの手法次第では INDEL が検出できない場合や,INDEL 検出の精度を上げることにより SNP 検出の精度が下がるなどの問題がある.そのため,解析の手法を変えた複数回の解析が推奨されており,解析に必要な時間やコストが増大する原因となっている.この問題を解決するため,より精度の高い変異コールツールを開発する必要がある.本研究では,真正細菌の塩基配列中から SNP と INDEL を高精度に同時検出できる変異コールの実現を目的とし,既存のツールによる変異コールの問題点の指摘と,独自のアルゴリズムによる変異コールツールの作成を行った.また,複数の真正細菌を対象とし,作成したツールの精度検証を行った.その結果,SNP 検出の精度を下げない INDEL 検出の実現と,既存のツールによる変異コールでは検出できなかった INDEL の検出に成功した.Identifying mutations in genome DNA sequences is one of most fundamental methods to diagnose or predict hereditary disease or cancer. The technology of specifying mutation is called "mutation calling", and is one of the most important technologies in genomics. Although the highly precise mutation calling is needed for pinpointing mutation, the present mutation calling process has low accuracy and there are some problems. In a certain alignment algorithm, INDEL is undetectable; and the precision of SNP calling falls by raising accuracy of INDEL calling. Therefore, two or more analyses with different tools are recommended, but it causes increasing time and cost. To solve these problems, it is necessary to develop a mutation calling tool with higher-precision. The purpose of this research is to build the mutation calling tool which can detect SNP and INDEL simultaneously with high precision. We investigated some problems of the mutation calling by the known procedure and created a new tool with original algorithm. Moreover, accuracy verification of our tool was performed by analysing two eubacteria. As a result, it enabled the INDEL calling which does not lower the accuracy of SNP calling, and identifying of INDEL which was not detectable in the mutation call by the known procedure.
著者
金谷 重彦 平井 晶 高橋 弘喜 Altaf-Ul-Amin Md. 中村 建介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.322, pp.71-76, 2010-11-25

ゲノムプロジェクトの進展に伴って、現在までに、数百種のバクテリアゲノム、数十種の植物および動物のゲノムが解読された。植物における二次代謝産物は約20万種以上と推定され、5万種については構造決定されていると報告されている中で、ゲノムサイエンスの一環として、代謝産物と生物種の関係を体系化することを目的に、文献情報をもとに生物種とその生物において発見された代謝物の関係をデータベース化することを2004年より開始した。本論文では、このようにして開発された代謝物データベースKNApSAcK DBの現状を紹介する。さらに、生物資源の多面的な利用の目的からの代謝物検索を容易にするためのウェブサービスとしてKNApSAcKファミリーの研究開発を進めている(http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK_Family/)。現在までにLunch Box(目的:食履歴)、KAMPO(漢方生薬)、KNApSAcK from around the world(世界の薬用植物)などのデータベース構築が完了した。これらのデータベースの現状についても紹介する。
著者
中村 建助 矢口 竜太郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.587, pp.50-71, 2003-11-17
被引用文献数
3

システム開発プロジェクトの成功率はわずか26.7%。本誌が大手から中堅・中小に至る1万2546社を対象に実施した調査で、衝撃的な事実が判明した。システム開発で守るべき3条件、すなわち「QCD(品質・コスト・納期)」をクリアできなかったプロジェクトが、全体のほぼ4分の3に達した。