著者
近江屋 一朗 中村 攻 齋藤 雪彦 鳥井 幸恵 田中 史郎
出版者
千葉大学
雑誌
食と緑の科学 : HortResearch (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.59-69, 2008-03

本研究は子どもの遊び環境の一つとして,現在その遊び環境としての機能が低下していると考えられる,下校路の将来あるべき像を描くためのものである.そのために50代以上,30代・40代,20代以下の回答者それぞれの下校行動の特徴を(1)下校ルート(2)下校時の行動と環境(3)下校ルートにおける仲間の有無から明らかにした.その結果,直帰型,Uターン型,選択型,複合型の5つに分けられた下校パターンは世代によって割合が変化しており,若い世代では下校ルートを能動的に使い分けない直帰型やUターン型の帰り方が多くなっていた.また,下校パターンと下校時の行動にも関係性が見られ,複数の道を使う帰り方で下校時の行動は活発であった.40代以下から増え始めた遠回り型や複合型は遊びや友達を得るために子どもたちが遠いルートでも利用しているということを示していると考えられた.これらより,今後の下校路には遊び環境の充実と共に幅広い道の選択を許容することの重要性が示された.
著者
中村 攻
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.174-179, 2003 (Released:2003-08-29)
被引用文献数
4 4
著者
横田 健一 中村 攻 木下 勇 轟 慎一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.695-698, 1997-03-28
被引用文献数
6 5

住宅密集市街地の住民参加型のまちづくりにおいて,宅地化できない狭小な土地をポケットパークとして整備する動きが各地に起きている。このような状況に対して東京都内の豊島区4・5丁目地区,世田谷区太子堂2・3丁目地区,墨田区一寺・言問地区を事例として,ポケットパークができることに対して近隣住民がどのような関わりを持ち現在に至っているのが,ということを明らかにするために,主に現在管理に関わっている住民を対象としたヒアリングによる調査を行った。その結果1.意識とその表出2.問題への対応3.小規模な社会集団の発生と縮小といった点にポケットパークと近隣住民の関わり方の特微がみられた。
著者
黒川 朋広 中村 攻 木下 勇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.245-248, 1996-03-29
参考文献数
3
被引用文献数
3

本研究では千葉県佐原市の山車祭りを事例に祭礼における都市空間の使われ方の変遷を見た。その結果以下の点が明らかになった。古い市街地の狭い道路も山車の通行の見せ所の舞台となっており,都市の変容とともに電線などの障害が生じてもそれを克服する工夫が見せ場ともなっていたように,都市の変容に合わせて祭礼の工夫がなされてきた。が,モータリゼーションや商業構造の変化といった大きな変化は祭礼における空間利用の意味をも変えつつある。祭礼における空間利用には歴史的にもまた人の関わりという面でも多義的な意味が内在している場合もあり,そのような場の意味を再評価しながら祭礼を都市空間の整備に活かしていくことが必要である。
著者
中村 攻 宮崎 元夫
出版者
千葉大学園芸学部
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
no.34, pp.p45-55, 1984-12

本研究は, 東京都特別区の基本構想における都市施設の整備計画について, つぎのような事項を明らかにした.(1)住宅供給計画-区が直接供給する区営住宅, その他の公的住宅, 民間住宅の3種類があり, 区営住宅をふくめた公的住宅は, 福祉対策・居住環境改善対策・人口確保対策といった公共的性格の強いものに限定され, 一般の住宅需要は民間住宅対策が中心となっている.(2)交通計画-幹線道路建設では, 自動車交通一般の円滑化を目的としたものと, バス交通や避難路の確保といった目的が限定されたものがある.しかし, 幹線道路のモータリゼーション抑制策は, 公共交通の拡充と物流の共同化を抽象的にあげるにとどまり, 具体策を見出しえない状況にある.生活道路では, 歩行者空間の確保が中心課題であり, この他には自転車対策がとりあげられている.また, 現状の求心型の公共交通体系のなかでの横の移動が大きな問題となっている.(3)防災対策-防災計画の作成, 防災都市化の推進, 自主的防災対策の確立, 応急活動体制の確立が中心的課題となっているが, いずれも計画内容は未整備であり, 具体性に欠けるものが多い.そのなかで中野区・世田谷区の計画は, 具体性において注目される.(4)公害対策-測定・監視体制の整備, 原因者規制, さらには広域対策としての環境アセスメントの制度や河川浄化の協議会の設置があげられる.(5)公園-いずれの区も低い整備目標しかあげえず, 高密市街地に位置する区ほどその目標は低い.そして, 具体策としてあげる事項は, 民有地の一時的借りあげ, 河川敷の活用や暗渠化, 残存農地の活用などである.(6)下水道-都心・山手地域とそれ以外では普及率に大きな差があり, 周辺地域では重大
著者
轟 慎一 中村 攻 木下 勇 Shinichi TODOROKI Osamu NAKAMURA Isami KINOSHITA 滋賀県立大学 千葉大学 千葉大学 The Univ.of Shiga Pref. Chiba Univ. Chiba Univ.
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画論文集 = Transactions of rural planning (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.157-162, 2001-12-07
参考文献数
5

本研究は平地部集落の宅地空間における作業所等の改変とそれに伴う連関変化の視点から、宅地内の建築物・OS・宅地境界空間や宅地外空間・生活・生業等の要素相互の連関を把握した。宅地境界空間との連関では、作業所の隣接等に伴う囲いの改変や農機具導入等に伴う出入口・囲い等の連関変化が捉えられた。OSへの連関では、砂利化や日当たり悪化による土更地・菜園畑の改変や意匠庭・隣接農地等への影響が把握された。建築物との連関では改変行為を契機とする建築物・OS・宅地境界空間への連関変化が捉えられた。宅地外空間との連関では、菜園畑の消失等に連関した隣接する苗代等の宅地化と、作業所・農機具庫・ハウス・囲い等の設置が把握された。To clear relationship between elements of rural settlement, we analyzed the structure on the relative changes with the changes of the workshop on the buildings, the open spaces and the border spaces in housing lot, the spaces out of housing lot, life style and agricultural management. The main contents of this paper are as follows. 1) On border space of housing lot, the relations to adjoining buildings change the hedges and the walls. And the entrance and the fences are changed with the relations on the change of the path of flow. 2) On open space in housing lot, the relative changes of the clay yard and the vegetable garden influence the changes of the planting garden and the adjoining farm. 3) With the constructions of the workshop, there are the relative changes to the buildings, the open spaces and the border spaces in housing lot. 4) On the adjoining farm, there are the constructions of the workshop, the shed for agricultural machines, the vinyl house and the fence.