著者
中村 航 古谷 誠章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集
巻号頁・発行日
vol.76, no.662, pp.755-762, 2011

The Coffee Shop called Kopi Tiam in Malaysia is an interesting system of eating house as assembly of hawkers. The independent hawkers with each special meal are assembled by the shop's owner, and the owner provides drink stall and tables for eat. It is similar to Hawker Centre in Singapore or modern food court, but It seems to became a spontaneous system to sustain the quality of foods. The Coffee Shop in Malaysia is analyzed by compared with Hawker Centre in Singapore to clarify the system and know a type of the plan.
著者
中村 航洋 川畑 秀明
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.9-26, 2016-04-30 (Released:2017-12-28)
参考文献数
76
被引用文献数
1

脳機能画像技術の発展に伴い,人が主観的に経験する美がどのような脳神経過程によって生み出されているかを研究する神経美学が近年注目を集めている。これまでの脳機能画像法による計測から,視覚芸術や人間の身体に対して主観的に美が経験されている際には,情動的処理システム,認知的処理システム,感覚運動的処理システムの少なくとも3つの機能的に独立した神経システムが駆動することが示されてきた。情動的処理システムは美の知覚に伴う快情動の経験において中核的役割を果たし,脳の報酬系を構成する眼窩前頭皮質や腹側線条体の神経活動は美的評価の程度と相関する。また,認知的処理システムは美的印象評価の決定に必要とされる情報の統合を担い,背外側前頭前野の関与が指摘されてきている。さらに,具象画や顔,身体像などの知覚処理を担う感覚運動的処理システムは,対象に特定的な知覚処理のみならず,対象の視覚美も表現していることが明らかになってきた。近年では,このような美的経験の神経基盤を計測するのみならず,経頭蓋磁気刺激や経頭蓋直流電気刺激などの脳刺激法を導入した研究も行われ,美的経験はその背後にある神経活動状態を脳刺激によって修飾することで操作されることが明らかになってきた。こうした脳機能画像法と脳刺激法による神経美学的研究から,美は報酬価値表象,意思決定,感覚運動に関わる神経システムの複雑な相互作用によって生み出されていることが示唆される。
著者
中村 航洋 新井 志帆子 川畑 秀明
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.144, 2015 (Released:2015-10-21)

顔魅力評価は急速かつ自動的に行われることが知られている。しかし,顔魅力評価が視覚的意識を伴わない無自覚的情報処理レベルで生じている可能性を直接的に検討したものはこれまでにほとんどない。本研究では,一時的に視覚刺激の意識的知覚経験を両眼間で抑制する連続フラッシュ抑制を用いて,閾下刺激提示時の無自覚的顔魅力評価特性と顔魅力が両眼間抑制に及ぼす影響について検討した。実験では,参加者の優位眼に連続フラッシュ刺激を提示する間,非優位眼に顔刺激を提示し,参加者は顔の意識的知覚が生じていた時間を報告した。実験の結果,両眼間抑制は魅力顔よりも非魅力顔に対して長く持続し,顔の意識的知覚経験が持続していた時間は,非魅力顔よりも魅力顔に対して長かった。よって,顔魅力評価は顔の意識的知覚経験が生じる前段階の無自覚的情報処理レベルで行われ,魅力顔に対する注意捕捉は,顔の意識的知覚の持続を促進することが示唆された。
著者
中村 航洋 川畑 秀明
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.45, 2014 (Released:2014-10-05)

近年の神経美学的研究は,絵画の美的印象評価には眼窩前頭皮質内側部の脳機能が密接に関連していること明らかにしてきた。本研究では,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いて,眼窩前頭皮質の神経活動を一時的に変容させることによって,抽象絵画の美的印象評価における脳の因果的役割について検討した。眼窩前頭皮質に陰極刺激を行い,一時的に脳神経活動を抑制すると(陰極刺激群),絵画に対する美しさの印象は低減する一方で,絵画の醜さの印象は変化しないことが明らかになった。さらに,電気刺激を行わない統制群においては,絵画の美しさは醜さよりも早く判定されるという美的判断の優位性が認められたが,陰極刺激群においては,脳電気刺激後にこの優位性が認められなくなった。本研究の結果から,眼窩前頭皮質の脳神経活動が美的印象評価の神経生理学的基盤であり,自動的な美の認識を可能にしていることが示唆される。
著者
中村 航
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

最新の観測および理論計算の結果をもとに、新しい軽元素合成シナリオを提案した。Ib/c型超新星になるような星の周りには、その星が進化の過程で放出した物質が密度の高い星周物質を形成しているはずである。爆発で加速された星の外層が、星周物質と相互作用することによって軽元素が合成されるであろう。特に、星の表面にHe/N層が残っていれば、破砕反応による^9Be生成やHe+Heの融合反応による^<6,7>Li合成が効率的に起こることが期待される。Hirschi博士(キール大学)から提供を受けた金属欠乏星のモデルを初期条件として超新星爆発の数値計算を行い、外層の加速を調べた。また、そのモデルに対応する質量放出のデータをもとに星周物質の分布を求め、加速された粒子が星周物質を通過する際のエネルギー損失をモンテ・カルロ法によって算出した。計算の結果、爆発で加速された粒子の大部分は星表面近くの密度の高い星周物質領域でエネルギーを失い、従って軽元素合成反応もその領域でほぼ完結してしまうことがわかった。これより、合成される軽元素の量や比は、星表面と表面近くの星周物質の化学組成に強く依存することが予想される。この結果を受けて、銀河ハロー中の金属欠乏星の表面に存在する軽元素は、その星が形成される引き金となった超新星の特性を反映しているのではないかと推測した。軽元素の相対比から表面組成を、軽元素と酸素などの重元素との比から爆発エネルギーを算出することが可能である。^6Li量が測定されている最も金属量の少ない星LP815-43の観測から、この星は、質量比にして(He,C,N,0)=(0.95,0.01,0.03,0.01)という表面組成を持つ星が1.2×10^<52>ergsの爆発エネルギーでlb型の超新星爆発を起こしたときに、星間空間に放出されたガスから形成されたと結論付けた。