著者
織田 裕行 中森 靖 木下 利彦 池田 俊一郎
出版者
関西医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

「自殺企図男性のLOH(Late-Onset Hypogonadism)症候群に関する検証」の課題名で、関西医科大学総合医療センター倫理審査委員会に申請し、2017年9月19日に承認を得て本研究を継続してきた。その内容は、救命救急センターに自殺企図で搬入された男性のテストステロン値を測定し、日本において自殺率が最も高い年齢層である50歳代男性の自殺企図と加齢男性性腺機能低下症候群(Late-Onset Hypogonadism:LOH症候群)との関係を検証することにある。具体的には、救命救急センターに搬入された男性自殺企図者を対象として、総テストステロン値、遊離テストステロン値を測定すること、その検査結果と本人や家族から得た情報を踏まえLOH症候群による影響を検証する予定であった。しかし、予期できない研究環境の変化が生じた。そのため、現状の中で「自殺企図男性のLOH(Late-Onset Hypogonadism)症候群に関する検証」が達成できる方策を再度検討した。その結果、「自殺企図男性のホルモン値に関する検討」として関西医科大学総合医療センター倫理審査委員会に申請し、2019年7月23日に承認を得て救命救急センターに搬入された男性自殺企図者を対象とした総テストステロン値の調査を実施することとした。2021年度には、第40回日本性科学会学術集会において、「男性自殺企図者に対するホルモン値調査の結果報告 -男性ホルモンと甲状腺ホルモンの比較-」として一部報告を行った。さらに検討を加え、日本性科学会雑誌に投稿中である。
著者
岩村 拡 中森 靖 岩坂 壽二
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経外科救急学会 Neurosurgical Emergency
雑誌
NEUROSURGICAL EMERGENCY (ISSN:13426214)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.179-186, 2020 (Released:2020-12-23)

今後予想される南海トラフ地震や首都直下型地震などの大地震では建物の倒壊現場での医療救護活動が想定され,平時から重機や搬出デバイスを用いて消防と医療チームが連携して訓練を行うことが望まれる.しかし訓練場所の確保が困難であり机上訓練にとどまっているのが現実である. 今回,当院の解体途中の病棟を災害現場と見立てて消防と医療チームが連携して傷病者救出訓練を実施したので報告する.
著者
山本 英里子 村田 美樹 山敷 宣代 山科 雅央 諏訪 兼彦 露無 景子 吉矢 和久 中森 靖 島谷 昌明 関 寿人 長沼 誠
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.445-451, 2023-09-01 (Released:2023-09-11)
参考文献数
17

症例は神経脱髄性疾患に対し加療中の10代後半女性.2週間前より薬疹を認め,被疑薬中止により改善した.1週間前より発熱,嘔気嘔吐が出現,AST 1708 U/L,ALT 1238 U/L,T-Bil 3.5 mg/dlと肝酵素著増を認め,急性肝炎の診断で入院となった.血清学的検査ではウイルス性は否定的であり,薬物性肝障害を念頭に,服用中のステロイドとアザチオプリンを継続した.入院第8病日,PT-INR 2.32,肝性脳症II度を認め,急性肝不全昏睡型(ALF)と診断,ステロイドパルス,血漿交換,高流量持続血液濾過透析と肝移植適応評価を開始したが脳症の改善なく,第10病日に脳浮腫を来した.後に血清中EBV-DNA陽性(3.3 LogIU/mL)が判明した.EBVは成人ALFの成因の約1%と稀だが予後は厳しく,成因不明ALFではEBV再活性化の関与も念頭に置く必要性が示唆された.
著者
山本 和子 緒方 昭 中森 靖郎 浅野 長一郎 畠中 駿逸
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.416-424, 1973-10-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
12

The purpose of this paper is to make clear a comprehensive relationship between two groups of measurements of blood pressure and physical constitution. The first group of measurements include pulse rate, systolic blood pressure and diastolic blood pressure, and the second group of measurements include height, weight, chest circumference, circumference of the upper arm and sitting height.These figures are taken from the Nutrition Survey of Japanese, including 6617 males and 8909 females, investigated in May, 1961.Appling the canonical correlation analysis, we found the following results.1) Only two canonical correlations were statistically significant.2) The value of the first canonical correlation was 0.262 for males and 0.381 for females. The corresponding canonical variables were considered as a blood pressure factor and a physical type factor, respectively.3) It seemed that, as the physical type factor changed with age, the blood pressure factor also changed proportionately.4) The value of the second canonical correlation was rather small but significant, 0.094 for males and 0.108 for females. The corresponding canonical variables seemed to be a pulse-pressure factor and a second physical type factor related to weight (positive) and chest circumference (negative).5) In addition, it was also found that the pulse rate has little to do with the physical type.