著者
土沢 一実 渡辺 孝章 渡辺 一郎 山本 和子 新井 高 中村 治郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.1120-1130, 1986-12-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
41
被引用文献数
7 2

スクラッビング法による歯ブラシについて, 第1報として毛の直径と毛の先端形態の違いがブラッシング圧とプラーク除去効果にどの様な影響を与えるかを検討した。歯ブラシの直径 (0.18mm, 0.25mm, 0.33mm) と毛の先端形態 (ラウンドカット, ストレートカット) の異なる合計6種類の歯ブラシを試作した。被験者12名にブラッシングを行わせ, 前後のプラークのスコアーを測定し, プラ本論文の要旨は, 第28回春期歯周病学会総会 (1985年6月6日) において発表した。ーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を用い計測した。その結果, 毛の直径が太くなるほどプラーク除去率もブラッシング圧も有意に高くなった (P<0.01) 。ラウンドカットの方がストレートカットに比べ, ブラッシング圧は高い傾向を示した (P<0.01) 。プラーク除去率は, ラウンドカットの方が高くなる傾向を示した。
著者
安田 晃 柳樂 真佐実 孫 暁光 津本 周作 山本 和子
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.287-294, 2000-10-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

<p> 近年,医学教育の中でテュートリアルの重要性が認識され,医療情報学実習の中でも小グループによる自己開発,問題解決型の教育が行われている.しかし,その教育の効果や学生の学習態度などの評価は定量的に取り扱うことが難しく,担当者の主観が伴う傾向がある.この論文では,学生の学習態度に関する数量化を行い,知見を得た.</p><p> 島根医科大学医療情報学講座では1998年度,2年生を対象とした1グループ6~7人の小グループ学習を医療情報学実習で行い,19項目の質問からなるテュートリアル評価シートを実習終了後自記させた.数量化にはパス解析と潜在構造分析を行った.パス解析では,内生変数として大分類の「想起抽出」と外生変数として「重要なテーマ」,「知識の整理」に,また内生変数の「取捨選択」と外生変数の「共通な学習項目」などに比較的高いパス係数が見られた.潜在構造分析では,実習期間の初日,中間,最終日を対象に解析した結果,最終日の潜在構造は,初日,中間と異なり,学生の実習に対する興味や習熟度が向上している様子が定量的にわかった.</p>
著者
山本 和子 緒方 昭 中森 靖郎 浅野 長一郎 畠中 駿逸
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.416-424, 1973-10-30 (Released:2009-02-17)
参考文献数
12

The purpose of this paper is to make clear a comprehensive relationship between two groups of measurements of blood pressure and physical constitution. The first group of measurements include pulse rate, systolic blood pressure and diastolic blood pressure, and the second group of measurements include height, weight, chest circumference, circumference of the upper arm and sitting height.These figures are taken from the Nutrition Survey of Japanese, including 6617 males and 8909 females, investigated in May, 1961.Appling the canonical correlation analysis, we found the following results.1) Only two canonical correlations were statistically significant.2) The value of the first canonical correlation was 0.262 for males and 0.381 for females. The corresponding canonical variables were considered as a blood pressure factor and a physical type factor, respectively.3) It seemed that, as the physical type factor changed with age, the blood pressure factor also changed proportionately.4) The value of the second canonical correlation was rather small but significant, 0.094 for males and 0.108 for females. The corresponding canonical variables seemed to be a pulse-pressure factor and a second physical type factor related to weight (positive) and chest circumference (negative).5) In addition, it was also found that the pulse rate has little to do with the physical type.
著者
坂元 秀之 山本 和子 白崎 俊浩 山崎 秀夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.91-99, 2004-02-05
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

誘導結合プラズマ三次元質量分析装置(ICP/3DQMS)を用いて,陸水試料中の極微量ウランと主成分元素のナトリウム,マグネシウム,カリウム,カルシウムを迅速に分析する方法を確立した.ICP/3DQMSの感度にかかわるパラメーターとしてイオン取り込み時間とバッファーガス圧力について分析条件の最適化を検討した.本法によるウランの分析精度は標準物質Riverine Water(NRC&bull;CNRC SLRS-4)の分析と実試料への添加回収実験によって検討し,良好な結果が得られた.また,ナトリウム,マグネシウム,カリウム,カルシウムの分析精度は,実試料を用いて,ICP発光分析法によりクロスチェックを行い,これらの元素も精度よく定量できることを明らかにした.本法によるウランの検出限界(空試験溶液のイオン信号強度の3&sigma;に相当する濃度)を求めたところ0.7 ng/lであった.琵琶湖湖水及び周辺河川水の分析に本法を適用した.これら元素は河川水では周辺域の環境の影響を受けて比較的大きな濃度変動を示したが,琵琶湖の表層水ではほぼ一定の値を示した.琵琶湖北湖におけるこれら元素の平均濃度はそれぞれU: 22.0 ng/l,Na: 8.3 mg/l,Mg: 2.28 mg/l,K: 1.48 mg/l,Ca: 12.1 mg/lであった.また,成層期の琵琶湖水中でウランの鉛直分布は深度とともに大きく変動した.ウラン及び主成分元素の分析結果から,琵琶湖水系におけるウランの動態に関して興味深い知見が得られた.<br>
著者
山本 和子
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.57-75, 2008-03

蕭紅の後期の代表作とされる『胡蘭河伝』は1940年、香港で完成された。当時は日中戦争のさなかで、蕭紅の故郷東北は日本の占領下にあった。帰りたくとも帰れない状況のなか、蕭紅は遠く離れた故郷胡蘭での幼少期を振り返って、その「忘れがたい」光景を書き綴った。それが『胡蘭河伝』である。伝は物語の意。作品は全七章とエピローグから成り、各章はそれぞれ異なる物語で、短編としても十分に読み応えのあるものである。物語では、祖父と過ごした屈託ない日々のほのぼのとした情景が描かれる一方、因習や迷信に縛られた人々が元気な少女を死に追いやる残酷で哀しい情景も描かれている。作者は物語のなかで、愚昧な民衆が「無責任で無自覚な殺人集団」と化す深刻な問題を提起し、人間存在の不条理性を鮮明に描き出した。本稿では、『呼蘭河伝』の背景を探りながら、作者が意図したところ及び作品の魅力の所在に迫った。
著者
渡辺 佳代 山本 和子 岡田 美保子 高上 僚一
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.249-255, 2005 (Released:2015-07-17)
参考文献数
11

川崎医療福祉大学医療情報学科では,医療現場の実情に対応し得る教育を目指し,平成13年から「電子カルテ・ラボ」システムの開発を進めてきた.本システムは,電子カルテシステムが導入された場合に,これを支援する人材に必要と考えられる知識・技能を,学生が演習を通じて習得することを目的としている.システムの機能は大きく1)電子カルテシステムを中心とした機能,2)学習支援機能,3)教材作成支援機能からなる.学習支援機能は,患者の動線に沿った画面から構成される.画面ごとに,学習目標,理解を助ける解説,各部門で行う業務システムによる入力演習,確認のための試験問題を用意している.本システムを演習で使用し,学生にアンケートを実施した結果,電子カルテシステムや病院の仕組みを学ぶ上で有用であることが示された.