著者
中込 四郎 Nakagomi Shiro
巻号頁・発行日
2000

競技スポーツ選手を支えるスポーツサイエンスの多くが競技力向上のサポートを目的としている.また最近では,タレント発掘といった方面にもいくつかの関連領域が基礎資料の積み重ねに着手し始めている ...
著者
奥田 愛子 中込 四郎
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.138_3, 2016 (Released:2017-02-24)

後年の競技へのコミットメントの様式と自伝的記憶(原風景、スポーツ原体験、等)との関係性について明らかにすることを目的として、これまで本研究者らは多様な角度から検討を加えてきた。本研究では、成人期まで同一のスポーツキャリア経験(ともに同一種目において思春期から大学卒業後の企業所属のアスリートとして活躍)を重ねてきた2組(A・B)の一卵性双生児アスリートの自伝的記憶について、質問紙ならびに面接を通してその特徴を検討した。その結果、2組の双生児間での原風景は同一で、それは高い力動性を伴う活動であり、相互のかかわり合いが認められる内容であった。また、スポーツ原体験では達成感や競合へのモチベーションの体験が語られ、幼少期の体験をその後の身体活動への興味関心へとつなげていた。つまり、後年まで継続されるキャリアと同様に自伝的記憶においても強い重なりが認められた。さらに競技キャリアでの双生児間の関係性について、「一人よりは二人の方が頑張れる。心強い存在」(A)、「二人で一緒に頑張るという姿勢はずっとある。<略>お互いにライバルという感じはなかった」(B)と語っており、そこでもまた重なりが認められた。
著者
中込 四郎 岸 順治
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.313-323, 1991-03-01 (Released:2017-09-27)
被引用文献数
2

Recently, sports psychologists and coaches have been taking a growing interest in mental training not only for improving athletic performance but also for the benefit of the athletes'mental health. Athlete's burnout is one of the important topics in the realm of mental health for athletes. The purpose of the present study is to clarify the formation process of athlete's burnout through the examination of five cases. The subjects utilized in this study consisted of two psychotherapeutic clients, two research interview study cases and another case consisting of materials concerning the suicide of a world-class long distance runner. All subjects were diamosed as burnout cases by recognizing the particular process &ltenthusiasm→stagation→clinging to sports→exhaustion&gt which we have proposed as one the of diagnostic criteria for athlete's burnout. Three of these cases were also assessed by two psychological tests which determined their degree of burnout. Various events or factors contributing to the formation of burnout were extracted from interview records, and charts were individually drawn to illustrate the formation process.Additionally, tendencies common among each of the cases were depicted by the montage method developed by Mita. The authors discuss the psychological mechanism of the formation of athlete's burnout, in terms of caune-result relationship, according to the following four main factors : 1) A premorbid character as melancholic type or immodithymia. 2) Repeated experiences in which one's efforts are not rewarded (in the sports setting). 3) Difficulty in reformulation of ego identity. 4) Low mutuality in one's past crisis mode. The "clinging" stage in the formation process of burnout is caused by the above mentioned four factors. The authors especially find the "clinging" stage to be a key to understanding the development of burnout.
著者
中込 四郎 村松 和則
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究では、スポーツ選手の競技引退後の適応過程について、スポーツ心理学ならびにスポーツ社会学の両面から検討を行った。以下に主な結果を記す。1)スポーツ心理学領域の先行研究を概観し、競技引退を理解していく上でアイデンティティ再体制化といった視点が有効となることを明らかにした。2)スポーツ社会学領域からの研究概観では、引退競技者を取り巻いてきた社会構造的な要因についてライフヒストリーの中から詳細に検討すべきであることを主張した。3)わが国のプロサッカー選手のキャリア移行について調査が行われ、種々の側面からの実態を明らかにした。4)中年期危機を体験した2人の元オリンピック選手の競技引退後のアイデンティティ再体制化について面接調査を行った。「社会化予期」「時問的展望」といった2つの要因が引退後の適応過程を強く規定していることが考えられた。5)5名の元韓国代表選手への面接調査を行い、彼らのライフヒストリーを検討した。引退後の初期は、周囲からそれまでの競技キャリアを高く評価されても、時間とともに評価が低下していくことが一様に認められた。6)現役時代から引退後の再適応を果たすまでの間心理サポートを行った1人の元オリンピック選手の200セッションに及ぶ相談記録を分析した。再適応あるいはアイデンティティの再体制化に向けて積極的に歩みだすためには、引退に伴う内的作業の持つ重要性(喪の仕事、生き直す)が指摘された。今後の課題として、国際比較研究そして両領域からの研究成果の統合などが考えられた。
著者
中込 四郎 江田 香織 小谷 克彦 浅野 友之
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究では、アスリートの現実適応(パフォーマンス向上)と個性化(心理的成長)との関係性について明らかにすることを目的に、次の下位研究課題を設定して取り組まれた。(1)内界探索型メンタルトレーニングプログラムの有効性、(2)アスリートの自己形成における「対話的競技体験」の持つ意味の検討、(3)「コツ」獲得に伴う内的変容。これらの検討課題から、アスリートの現実適応と個性化との間には共時的関係性が認められることが明らかとなった。
著者
中込 四郎
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:挑戦的萌芽研究2009-2011
著者
中込 四郎
出版者
筑波大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

スポーツ競技者の現役引退並びに運動部集団からの離脱後の適応過程について、主に、自我同一性の再確立に着目して以下のような側面から研究を行った。(1)部離脱に関する相談事例の提示:研究者が心理相談室で担当した運動部離脱に関する6事例をまとめ、部離脱が危機的状況あるいは同一性再確立の困難な状況もたらしていることを示した。(2)退部後の再適応に寄与する要因:退部後かなりの時が経過し、現在、比較的適応状態にある元大学スポーツ競技者10名ドロップアウトならびにトランスファー者)への面接調査により、再適応を促進したと考えられる心理社会的要因を明らかにした。(3)引退後の再適応過程の統合モデルの構築:わが国を代表する元アマチュア競技者8名への面接調査を行い、具体的な事例提示並びに、それらの資料から再適応過程を説明する一般化された「統合モデル」を提示した。(4)各同一性再体制化のタイプごとの特徴:T大学時代に活躍し、さらに卒業後何年か引き続き現役競技者としての競技経験を有する元スポーツ競技者115名に対して調査を試みた。ここでは、それまでの事例研究で主張したことを中心に、操作的な方法により確かめた。(5)再適応への心理的援助の方法:本研究の一貫として行った文献研究の中から、すでに開発されているいくつかの心理的援助プログラムの紹介を行った。今後は、プスポーツ選手に対象を拡げ,同種の研究を試みる予定である。また、それまでの研究成果を踏まえて、再適応を促進するための援助プログラムの開発を行いたい。