著者
中野 洋平 興津 真理子 ナカノ ヨウヘイ オキツ マリコ Nakano Yohei Okitsu Mariko
出版者
心理臨床科学編集委員会
雑誌
心理臨床科学 = Doshisha Clinical Psychology : therapy and research (ISSN:21864934)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.63-68, 2014-12-15

研究動向自己分化とは,関係性の中で個を維持し,個人の中で感情過程と知的過程の調和を保つ能力を指す。近年の研究では,自己分化と心理的適応,そして対人関係との関連が示唆されている。自己分化を促進させる方法として,多世代派家族療法とRelationship Enhancement が挙げられる。これらの介入で獲得が目指されている能力は,体験の観察と気づきという点において共通していると考えられる。さらに,これらの能力は,瞑想によって高められると考えられる。瞑想とは,心的過程を意図的に制御するために注意と気づきの訓練に焦点を当てた自己制御の訓練である。今後,自己分化が瞑想に及ぼす影響,自己分化と瞑想の関連性を検討していくことが望まれる。
著者
柏野 和佳子 中野 洋 石井 正彦
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.12-28,49, 2000
参考文献数
22

日本語の代表的シソーラスである国立国語研究所『分類語彙表』について, 情報処理研究とターミノロジーの観点から, その特徴を論じる。はじめに, 『分類語彙表』の体系について解説と分析とを行い, 『分類語彙表』を情報処理に利用する場合の利点を明らかにする(柏野・中野)。次いで, ターミノロジーの立場から, 『分類語彙表』における専門語の収載状況を調査し, 専門語を含むシソーラスとしての利用可能性を検討するための基礎的な資料を提示する(石井)。
著者
須賀 賢一郎 内山 健志 坂本 輝雄 吉田 秀児 村松 恭太郎 渡邊 章 澁井 武夫 田中 潤一 中野 洋子 高野 伸夫
出版者
Japanese Cleft Palate Association
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.320-325, 2009-10-30
被引用文献数
1

顎間骨が位置異常を示す両側唇顎口蓋裂術後患者に対して,唇側からの顎間骨の骨切りと顎裂部の骨移植を同時に行う顎間骨整位術の有用性を本学会雑誌の21巻2号に報告した。しかし,この到達法は,顎間骨部への血行の考慮と骨切り操作の点において検討の余地があることが判明した。そこで,1996年4月から2009年3月までの13年間に,同様の症状を呈した17名の両側唇顎(口蓋)裂術後患者に対し,口蓋側から顎間骨への到達と骨切りを行なったところ,以下の結論を得た。<br>1.全症例とも本到達法と骨切りは安全かつ容易に行えた。<br>2.切歯歯根尖より充分距離をおいた顎間骨の骨切りが可能であった。<br>3.顎間骨移動時の骨干渉部の削合も頭部の後屈で容易に行えた。<br>4.以上のことから,顎間骨整位術を施行する場合,顎間骨部への到達と骨切りは口蓋側から行うべきであることを推奨する。
著者
上村 千賀子 中野 洋恵
出版者
国立婦人教育会館
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、国立婦人教育会館及び各地の婦人教育施設、女性センター、生涯学習施設における女性学講座参加者を対象としたアンケート調査により、参加の目的、女性学講座に期待する内容と方法、学習上の問題点、性別役割分業観、男女の地位の平等観、及びそれらと性別、年齢、職業との関連を明らかにするとともに、社会教育における女性学教育の内容と方法を考察した。本調査は、女性学講座参加者956人に対する調査表記入方式により平成6年8月から平成7年1月に実施し、回収数604(女性545:男性56)、回収率63%であった。調査結果から次のことが明かにされた。(1)「男は仕事、女は家庭」の考え方について、『男女平等に関する世論調査』(総理府平成4年調査)と比較すると、「賛成」と答えた者が総理府調査では23%であるのに対して本調査ではわずか1%で、性別役割分業観から自由な参加者像が浮び上がった。さらに、本調査では、国立婦人教育会館とその他の施設、男女、職業、年齢により参加者の性別役割観に差がみられた。(2)学習上の問題点としては、内容が広すぎ焦点が不明、女性問題解決の方法が不明が最も多い。(3)期待する学習内容は、施設、性別、職業、年齢により違いがみられた。また、これらの属性に共通する学習内容として、「性・性差・性役割」「家庭・家族」「労働・職業」「社会活動」「教育・学習」「政治・政策」「男性の意識改革」があげられた。(4)属性による性別役割分業観、期待する学習内容と方法を分析することにより、社会教育における女性学の学習課題、成人男女の多様なライフ・スタイルやライフ・ステージに対応した具体的な学習内容を明らかにするための基礎的なデーターを得ることができた。