著者
川久保 悦子 内田 陽子 小泉 美佐子
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.499-508, 2011

<B>【目 的】</B> 認知症高齢者に対して「絵画療法プラン」を作成, 実践し, (1) 絵画療法が認知症高齢者にもたらす効果, (2) 認知症高齢者の作品の特徴, (3) 肯定的反応および否定的反応を示した絵画療法の画題, (4) 絵画療法を効果的に進めるための介入方法を明らかにした. <B>【対象・方法】</B> 対象者は, 認知症をもつ年齢65歳以上の高齢者で, 認知症グループホームHを利用し, 調査協力を得た5名である. 3か月間に, 週1回, 60分程度の「絵画療法プラン」を計12回介入した. 評価は内田<sup>1</sup>の認知症ケアのアウトカム評価票, BEHAVE-ADを使用し, 各回の絵画作品の評価も行った. また対象者の反応をカテゴリー分類した. <B>【結 果】</B> 対象者5名すべて女性であり, 年齢は86±5.9歳 (平均±SD), 全員がアルツハイマー病であった. (1) 絵画療法が認知症高齢者にもたらす効果は「周辺症状」,「介護ストレス・疲労の様子」,「趣味・生きがいの実現」,「役割発揮の有無」の改善と,「制作への自主性」や「他人の作品を褒める」などの肯定的な行動や言動をもたらした. (2) 作品は色あざやかで抽象度が高く大胆な構図で, 単純化などの特徴がみられた. (3) 認知症高齢者に肯定的な反応であった画題は「色彩が原色で彩度が高く, 工程が単純, 写実ではなく自由表現をいかした画題」「昔使っていた材料を使った画題」「生活の中で役に立ち, 手芸を取り入れた画題」「色や素材を選択できる画題」であった. (4) 絵画療法には肯定的な言動の反面「できない」という, 相反する感情もあった. <B>【結 語】</B> 絵画療法は, 認知症高齢者の精神活動によい効果をもたらすが, ケア提供者が絵画療法プランを取り入れることで, 認知症高齢者のいきいきとした反応や言動を発見することができる. 介入により新たに発見したことをアセスメントし, 認知症高齢者ができることを促すようなケアを行うことが求められる. 落ち着いた環境を整え, 画題と介入方法を考慮する必要がある.
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。