著者
織田 成人 平澤 博之 北村 伸哉 上野 幸廣 島崎 淳也 中西 加寿也 福家 伸夫 伊藤 史生
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.219-228, 2007-06-15 (Released:2009-02-27)
参考文献数
21
被引用文献数
4 1

目的 : 千葉県の救急・集中治療施設における急性肺傷害 (acute lung injury; ALI) /急性呼吸急迫症候群 (acute respiratory distress syndrome; ARDS) の発症率, 治療, 転帰等について調査し, population-basedのALI/ARDS発症率を推計する。研究デザイン : 多施設共同前向きコホート研究。セッティング : 千葉県内の3次救急医療施設および大学附属病院を中心とする12施設のICU。方法 : 2004年10月1日~12月31日までの3ヵ月間の全ICU入室患者を対象に, SIRS (systemic inflammatory response syndrome), ALI/ARDSをスクリーニングした。ALI/ARDSの診断基準は, 1994年のAmerican-European Consensus Conferenceの定義を用いた。調査票を用いてALI/ARDS患者の背景病態, 原因, 重症度, 合併臓器障害, P/F比, 人工呼吸器装着の有無, 各種治療, ICU在室期間, ICU退室時および28日後の転帰等を調査し検討した。結果 : 調査期間内に1,632例が登録され, このうちSIRS症例は770例 (47.2%), ALI/ARDS症例は79例, 発症率は全症例の4.8%, SIRS患者の10.3%であった。ALI/ARDS症例の平均年齢は64.0±17.1歳, P/F比は平均150.7±70.6で, P/F比300-201の症例が19例 (24.1%), 200以下のARDS症例は60例 (75.9%) であった。入室時APACHE IIスコアは24.7±8.9, SOFAスコアは8.8±4.3, 肺以外の臓器障害数は2.2±1.4臓器であった。ALI/ARDS79例中71例が人工呼吸管理を要し, これら症例のventilator free days (VFD) は平均12.1±10.6日であった。ALI/ARDS症例の平均ICU滞在日数は18.8±9.6日, 28日生存率は68.4%であった。結論 : これらのデータから推計すると, 千葉県におけるALI/ARDSの発症率は人口10万人当たり年間6.1人であった。
著者
織田 成人 平澤 博之 北村 伸哉 上野 幸廣 島崎 淳也 中西 加寿也 福家 伸夫 伊藤 史生
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 = Journal of Japanese Association for Acute Medicine (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.219-228, 2007-06-15
参考文献数
21
被引用文献数
4 1

<b>目的</b> : 千葉県の救急・集中治療施設における急性肺傷害 (acute lung injury; ALI) /急性呼吸急迫症候群 (acute respiratory distress syndrome; ARDS) の発症率, 治療, 転帰等について調査し, population-basedのALI/ARDS発症率を推計する。<b>研究デザイン</b> : 多施設共同前向きコホート研究。<b>セッティング</b> : 千葉県内の3次救急医療施設および大学附属病院を中心とする12施設のICU。<b>方法</b> : 2004年10月1日~12月31日までの3ヵ月間の全ICU入室患者を対象に, SIRS (systemic inflammatory response syndrome), ALI/ARDSをスクリーニングした。ALI/ARDSの診断基準は, 1994年のAmerican-European Consensus Conferenceの定義を用いた。調査票を用いてALI/ARDS患者の背景病態, 原因, 重症度, 合併臓器障害, P/F比, 人工呼吸器装着の有無, 各種治療, ICU在室期間, ICU退室時および28日後の転帰等を調査し検討した。<b>結果</b> : 調査期間内に1,632例が登録され, このうちSIRS症例は770例 (47.2%), ALI/ARDS症例は79例, 発症率は全症例の4.8%, SIRS患者の10.3%であった。ALI/ARDS症例の平均年齢は64.0&plusmn;17.1歳, P/F比は平均150.7&plusmn;70.6で, P/F比300-201の症例が19例 (24.1%), 200以下のARDS症例は60例 (75.9%) であった。入室時APACHE IIスコアは24.7&plusmn;8.9, SOFAスコアは8.8&plusmn;4.3, 肺以外の臓器障害数は2.2&plusmn;1.4臓器であった。ALI/ARDS79例中71例が人工呼吸管理を要し, これら症例のventilator free days (VFD) は平均12.1&plusmn;10.6日であった。ALI/ARDS症例の平均ICU滞在日数は18.8&plusmn;9.6日, 28日生存率は68.4%であった。<b>結論</b> : これらのデータから推計すると, 千葉県におけるALI/ARDSの発症率は人口10万人当たり年間6.1人であった。
著者
横張 賢司 平澤 博之 織田 成人 志賀 英敏 中西 加寿也 貞広 智仁 仲村 将高
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.456-462, 2003
被引用文献数
1

目的:重症急性膵炎(severe acute pancreatitis: SAP)症例における重症度判定に際し腹部CT検査は必須であり,われわれは厚生省研究班によるCT grade分類を用いてICU入室時および経過中に撮影した腹部CTのgradingを行っている。また現在当施設ではIL-6 (interleukin-6)血中濃度迅速測定が可能であり,その結果はSAPの重症度の指標として有用であると考えている。そこで今回SAP症例の腹部CT所見とIL-6血中濃度との相関を明らかにする目的で以下の検討を行った。対象:自験SAP症例のうちIL-6血中濃度を測定し得た31例を対象とし,入室時のCT grade, IL-6血中濃度およびAPACHE II scoreを検討した。結果:対象31例の入室時CT gradeの内訳はIII度6例,IV度22例,V度3例であった。grade別の入室時平均IL-6血中濃度は,III度269pg/ml, IV度1,214pg/ml, V度1,578pg/mlであり,同様にgrade別の入室時平均APACHE II scoreは,III度11.67, IV度18.33, V度16.30であった。入室時CT gradeとIL-6血中濃度の相関については,gradeが上がるほど血中濃度も高値になる傾向がみられたが,有意な相関は認めなかった。またCT gradeとAPACHE II scoreについても同様に有意な相関は認めなかった。一方,CT gradeを含む各種予後因子の合計スコアを算出したstage分類によると,入室時stage 2に分類されたのは12症例であり,入室時IL-6血中濃度は平均で393pg/mlであった。同様にstage 3は18例で平均1,539pg/ml, stage 4に分類された症例は1例のみであった。stage 2とstage 3の間ではIL-6血中濃度平均値の有意な差を認めた(p<0.05)。考察及び結語:治療経過とともにIL-6血中濃度と病態が改善しているSAP症例においても短期間ではCT gradeは改善せず,腹部CT検査は入室時の重症度判定としては有用だが,リアルタイムの病勢の推移を判断する指標としては適切でないと思われた。以上よりSAP症例におけるIL-6血中濃度と腹部CT所見とは明らかな相関を示さず,その臨床上の意義は各々異なっていると考えられた。
著者
大網 毅彦 中西 加寿也 大島 拓 奥 怜子
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.409-413, 2012-07-01 (Released:2013-01-16)
参考文献数
15

溶連菌感染の関与が示唆された中毒性表皮壊死症の1例を報告する。【症例】症例は38歳,男性。入院2日前から全身に皮疹を認め,近医からの投薬を受けていたが,皮疹に加え眼球口唇の発赤が出現し,当院受診となった。皮膚所見と病理所見からStevens-Johnson症候群と診断し,ステロイドパルス療法を開始した。入院3日目に皮疹が全身に拡大したため,中毒性表皮壊死症への進展と考えて,全身管理目的にICU入室となった。血漿交換に加え,免疫グロブリンと皮膚細菌培養で検出した溶連菌に対する抗菌薬投与を開始した。3日間連日の血漿交換により皮疹の拡大は一時的に抑えられたが,再び進行したためさらに3回追加施行し,以後,皮膚所見の順調な改善が得られた。【考察】本症例は薬剤の関与が否定的な中毒性表皮壊死症であり,溶連菌感染の関与が示唆された稀な1例と推察される。
著者
小林 進 落合 武徳 堀 誠司 鈴木 孝雄 清水 孝徳 軍司 祥雄 剣持 敬 島田 英昭 岡住 慎一 林 秀樹 西郷 健一 高山 亘 岩崎 好太郎 牧野 治文 松井 芳文 宮内 英聡 夏目 俊彦 伊藤 泰平 近藤 悟 平山 信夫 星野 敏彦 井上 雅仁 山本 重則 小川 真司 河野 陽一 一瀬 正治 吉田 英生 大沼 直躬 横須賀 収 今関 文夫 丸山 紀史 須永 雅彦 税所 宏光 篠塚 典弘 佐藤 二郎 西野 卓 中西 加寿也 志賀 英敏 織田 成人 平澤 博之 守田 文範 梁川 範幸 北原 宏 中村 裕義 北田 光一 古山 信明 菅野 治重 野村 文夫 内貴 恵子 斎藤 洋子 久保 悦子 倉山 富久子 田村 道子 酒巻 建夫 柏原 英彦 島津 元秀 田中 紘一
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学雑誌 (ISSN:03035476)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.231-237, 2000-10-01
被引用文献数
1

今回,千葉大学医学部附属病院において,本県第1例目となるウイルソン病肝不全症例に対する生体部分肝移植の1例を実施したので報告する。症例(レシピエント)は13歳,男児であり,術前,凝固異常(HPT<35%)とともに,傾眠傾向を示していた。血液型はAB型,入院時の身長は176.0cm,体重は67.0kgであり,標準肝容積(SLV)=1273.6cm^3であった。ドナーは姉(異父)であり,血液型はA型(適合),身長は148.0cm,体重は50.0kgと比較的小柄であり,肝右葉の移植となった。術後は極めて良好な経過をたどり,肝機能は正常化(HPT>100%)し,術後72病日で退院となった。