著者
小野 貞文 小池 加保児 谷田 達男 久保 裕司 芦野 有悟 千田 雅之 鈴木 聡 磯上 勝彦 那須 元一 斎藤 秀行 相良 勇三 佐久間 勉 仲田 祐
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.910-916, 1989-08-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
19

ヒトの肺循環系に於ける血小板活性化因子 (PAF) の果たす役割, 及び, その作用の発現に於ける血管内皮, cyclooxygenase 系の関与を明らかとすることを目的とし, 摘出ヒト肺動脈を用いて検討した. 内皮傷害の肺動脈では, 10-6MのPAFにて, 緩徐で弱い収縮作用が認められた例があったが, 他の肺動脈では, 内皮非傷害, 内皮傷害のもの共に収縮あるいは弛緩は認められなかった. 10-7MのPAF前投与により, 肺血管収縮物質である Histamine, Prostaglandin F2αの収縮は抑制された. この抑制作用は内皮依存性であり, cyclooxygenase 系は関与しなかった. ヒトにおいて, PAFは, 内皮細胞由来の血管弛緩物質 (EDRF) を介して作用を発現する可能性が示唆された.
著者
大久保 力廣 鎌田 奈都子 長田 秀和 新保 秀仁 栗原 大介 小久保 裕司 菊地 亮
出版者
Japanese Society of Oral Implantology
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 = Journal of Japanese Society of Oral Implantology (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.42-47, 2010-03-31
参考文献数
7

目的:インプラント用従来型既成マグネットアタッチメントのキーパー吸着面はインプラント長軸と垂直に設定されている.したがって,もしインプラントが傾斜埋入された場合には,キーパー面は咬合平面と垂直とならない.このような場合にキーパーは大きなアンダーカットを生じることになり,維持力も減少してしまう.本試作キーパーはインプラント上のアングルアバットメントに接続するように設計開発された.また,角度補正型マグネットアタッチメントの吸引力を従来型のものと比較した.<br/>方法:マルチユニットアバットメント(Replace RP, Nobel Biocare, Sweden)に適合するように,試作キーパー(直径4.8mm,高さ3mm)をステンレス合金(72.0%Fe-26.0%Cr-2%others)より切削加工して製作した.試作キーパーは17度あるいは30度の角度付きマルチユニットアバットメントにスクリュー固定により接続した.比較試料としてPhysio Magnetキーパー#40(日立金属)を用いた.磁石構造体としてPhysio Magnet #40を両キーパーに装着し,デジタルフォースゲージ(Nidec-shimpo Corp)を装備した引張試験機に取り付けた.キーパーから磁石構造体が離脱するときの最大荷重量を吸引力(N)として測定した.測定値はt検定により危険率5%で統計解析を行った.<br/>結果:インプラントオーバーデンチャー用として,試作キーパーは容易に角度付きアバットメント上にスクリュー固定できた.試作キーパーと従来型キーパーとの吸引力を比較したところ,両者に有意差は認められなかった(<i>p</i>>0.05).<br/>結論:試作キーパーの吸引力は市販の従来型マグネットキーパーとほぼ同等であった.開発したキーパーは十分な維持力を有し,インプラントオーバーデンチャーのための適切な支台装置として使用できることが示唆された.
著者
岩並 恵一 石原 正隆 坪田 有史 小林 和弘 松山 喜昭 小久保 裕司 福島 俊士
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.109-113, 1995-02-01
被引用文献数
17 1

日常の臨床における支台築造方法や築造材料の種類について,1977年(昭和52年)と1986年(昭和61年)に実施した調査報告に続く第3報である.特にレジン築造を含む成形材料による築造の頻度に注目したが,前回の28%から8%に減少していた.大学附属病院での調査であるため特殊な環境におけるものとの解釈もあろうが,意外の感は否めない.その他,鋳造体としての銀合金の使用頻度の減少や,合着用セメントとしてのリン酸亜鉛セメントの激減などのデータも得られている.
著者
大久保 力廣 小久保 裕司
出版者
鶴見大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

人工舌の開発にあたり,まずCT画像から日本人の平均的な舌の大きさおよび形態を計測した結果,下顎骨体積は平均87,806mm^2,舌体積は平均78,990mm^2,舌の位置・可動範囲を決定する一つの要因となる舌/下顎骨比率は平均91%であった.舌容量の測定後,空気圧とナイロンストリングの張力を利用した2WAY方式の軟性アクチュエータを舌の柔軟性運動を再現する最適モデルと決定した.また,人工舌に適切な形態・位置変化を行わせるためのアクチュエータの配置や相互干渉を検証し,軟組織モデルを構築するのに適した軟性空気圧アクチュエータモデルを試作した.開発したプロトタイプモデルはアクチュエータ同士の干渉もまったくなく,従来までの多関節ロボットでは到達できない舌固有の曲線でリズミカルな柔軟性運動と形態の多様化を再現することが可能であった.さらに,駆動源を必要としない自己駆動機構を有し,リズミカルな嚥下を実現する人工舌を考案した.