著者
石崎 太一 黒田 素央 久野 真奈見 北面 美穂 早渕 仁美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.343-346, 2007-07-15
参考文献数
14
被引用文献数
4 7

鰹節だしの継続摂取が単純作業負荷によって生じる精神疲労やストレス,および作業効率に対する影響について,健常な成人女性を対象として調査を行った.1週間の非摂取期間の後,被験者に鰹だしを1週間摂取させた.非摂取期間後および鰹節だし摂取期間後に評価を実施した.単純作業負荷として内田-クレペリンテスト(UKP)を行い,UKPの前後にProfile of Mood States(POMS)による気分·感情状態の調査,フリッカー値の測定ならびに唾液コルチゾールの測定を行った.非摂取期間後には,UKP負荷後のフリッカー値は負荷前に比べて有意に低値を示したが,鰹節だし摂取期間後には負荷前後で有意な変化は見られなかった.負荷前の唾液コルチゾール値は非摂取期間後に比べて鰹節だし摂取期間後に有意に低下した.さらに,鰹節だし摂取期間後のUKPの誤答率は,非摂取期間後の誤答率と比較して,有意に低値を示した.これらの結果から,鰹節だしの継続摂取により,単純作業負荷時に精神的疲労が少なくなる傾向,ストレス応答が低下する傾向ならびに計算作業効率の低下が抑制される可能性が示唆された.
著者
浜名 涼子 早渕 仁美 南里 明子 久野 真奈見 赤崎 尚子
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学人間環境学部紀要 (ISSN:13414909)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-54, 2004-03-01
被引用文献数
2

学年や性に応じた細やかな教育のための実態把握を目的に, 福岡県内の小学2年生と4年生263名を対象に, 食生活を中心とした生活習慣と自覚疲労について調べ, 学年差と男女差について検討した。(1) 朝食の欠食者は, 平均21%で, 高学年で増える傾向にあった。朝食に, ごはん・パン・肉を摂る者は高学年に, 果物ジュース・野菜ジュースを摂る者は低学年に多く, 学年差が認められた。また, 牛乳を摂る者は男子に, パン・スープを摂る者は女子に多く, 男女差が認められた。高学年では朝食に対する意識が低かったが, 欠食理由には, 学年・男女差は認められなかった。(2) 4年生になると「学校給食が楽しい」者は約6割に減少し, 学年差が認められた。間食の用意は, 低学年では家人, 高学年では自分で行う者が多く, 学年差が認められた。間食の量は女子で少なく, 男女差が認められた。(3) 運動と排便の頻度は男子に, 歯磨きの頻度は低学年に高い傾向にあった。就寝時刻は高学年で遅く, 睡眠時間も短くなり, 学年差が認められた。(4) 自覚疲労は, 特にあくび (77%), 目の疲れ (58%), 横になりたい (57%), いらいら (52%) が多く, 腹痛/吐き気・いらいら・根気がない・学校に行くのが嫌は高学年に, 体がだるい・目の疲れ・頭痛・めまいは女子に多く, 自覚疲労が高学年, また女子に多いことが分かった。
著者
石崎 太一 黒田 素央 久野 真奈見 北面 美穂 早渕 仁美
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.343-346, 2007-07-15 (Released:2007-10-04)
参考文献数
14
被引用文献数
8 7

鰹節だしの継続摂取が単純作業負荷によって生じる精神疲労やストレス,および作業効率に対する影響について,健常な成人女性を対象として調査を行った.1週間の非摂取期間の後,被験者に鰹だしを1週間摂取させた.非摂取期間後および鰹節だし摂取期間後に評価を実施した.単純作業負荷として内田-クレペリンテスト(UKP)を行い,UKPの前後にProfile of Mood States(POMS)による気分·感情状態の調査,フリッカー値の測定ならびに唾液コルチゾールの測定を行った.非摂取期間後には,UKP負荷後のフリッカー値は負荷前に比べて有意に低値を示したが,鰹節だし摂取期間後には負荷前後で有意な変化は見られなかった.負荷前の唾液コルチゾール値は非摂取期間後に比べて鰹節だし摂取期間後に有意に低下した.さらに,鰹節だし摂取期間後のUKPの誤答率は,非摂取期間後の誤答率と比較して,有意に低値を示した.これらの結果から,鰹節だしの継続摂取により,単純作業負荷時に精神的疲労が少なくなる傾向,ストレス応答が低下する傾向ならびに計算作業効率の低下が抑制される可能性が示唆された.
著者
早渕 仁美 久野 真奈見 松永 泰子 吉池 信男
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.189-198, 2007-08-10
被引用文献数
4 5

女子大生とその両親544人分の食事記録に基づき, 2,877日に摂取された42,508品目の料理を用いてデータベースを整備した。まず, 料理名と使用食品重量, あるいは各料理の栄養価を用いて分析を行った。クラスター分析に使用する栄養価と食品群別重量を絞り込み, タンパク質・脂質・炭水化物と野菜・果物・飲用乳重量を変数として用い, 料理を11パターンに分類した。大きく三つの異なるグループ, 「複合的料理群」と「単独料理群」, その他が存在した。「複合的料理群」は, カレーライスのような「複合主食型」 (<i>n</i>=1,364), すき焼きのような「複合主菜型」 (<i>n</i>=448), おでんのような「複合副菜型」 (<i>n</i>=695) の三つに分類された。「単独料理群」は, 炭水化物を平均60.0g含む「主食型」 (<i>n</i>=5,916), タンパク質を平均20.3g含む「主菜型」 (<i>n</i>=1,789), 野菜重量が平均70gの「副菜型」 (<i>n</i>=4,226), 飲用乳重量が平均187gの「牛乳・乳製品型」 (<i>n</i>=1,362), 果物重量が平均100g (<i>n</i>=1,582) と230g (<i>n</i>=343) の「果物型」の六つに分類された。なお, 料理の過半数はこれら九つには分類されず, 弁当や小鉢で供されるような「小主菜型」 (<i>n</i>=5,865) と, 「飲物・小食物型」 (<i>n</i>=18,918) に分類された。これら11の料理型は, 含まれる食品の種類や栄養価の点から, 食事評価や栄養教育上重要な特性をもっていると考える。
著者
石崎 太一 久野 真奈見 梅木 陽子 黒田 素央 早渕 仁美
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.39-43, 2005 (Released:2006-08-04)
参考文献数
9
被引用文献数
6 11

Using a placebo controlled single blind crossover study, we examined the effects of dried skipjack soup stock on mood and emotion among Japanese female college students by questionnaire.Twenty-seven subjects were divided into two groups, and 100 ml of skipjack soup stock and a placebo were alternately given for one week to both groups. The washout period was one week. The placebo was diluted water containing a natural skipjack flavor, pigment and salt. The profiles of mood were observed using the POMS test and the mood questionnaire before and after consumption.There were some subjects who had an unstable emotional baseline. The walking counts by pedometer and the diary descriptions suggested there were some events that varied their emotions. We therefore decided to use subjects who had a stable emotional baseline for evaluation of the test foods. As a result, the scores for tension, anger and TMD (Total Mood Disturbance) in the skipjack soup stock group significantly decreased from the initial values. On the mood questionnaire the score for concentration increased from the initial value.These results suggest that skipjack soup stock had a beneficial effect on mood status.
著者
早渕 仁美 梅木 陽子 久野 真奈見
出版者
福岡女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

飲食物の内容と量から主食・主菜・副菜等の料理分類を行う方法と基準、食事摂取基準等指標との関係を明確にし、食事状況を栄養素・食品レベルだけでなく料理レベル、さらに料理の組合せである食事レベルで示し、食生活の質を総合的に評価するための、食物ベースの食事評価方法を確立することを目的とした。また、栄養士等専門家向けの定量的データ(食事摂取基準)と、一般向け定性的メッセージ(食生活指針)をつなぐ、半定量的な食事ガイドとして、食物ベースによる食事評価の科学的根拠に基づく教育ツールを開発し、栄養指導や食育活動に活用し、その妥当性と有効性について検討した。1.前回の科学研究費の研究成果であった「料理群分類方法」の妥当性を、データベースに基づいた系統的分析 によって明らかにした。2.食事状況を食物ベースで、視覚的にわかりやすく、的確に示す方法を提案し、その効果を検証した。3.食事評価に料理レベルのデータを用いることの意義を明らかにした。4.料理レベルで食物摂取の内容と量を簡便に把握する食事調査方法の検討を行った。5.自分の食習慣を簡便に把握し、食生活改善の動機づけに役立つシステムを開発した。6.料理を食事バランスガイドの基準で分類、サービング計算するシステムを開発した。7.食事記録調査データの栄養計算を行い、食物ベースで評価するシステムを試作した。8.上記開発した調査、評価手法を活用して、食事調査や栄養教育・食育活動行い、その妥当性と効果の検証を行った。