著者
亀山 正邦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.71-81, 1974-03-31 (Released:2009-11-24)
参考文献数
12
被引用文献数
4 2
著者
山田 祐也 迫田 寛人 井上 徹 久保 正治 伏見 尚子 南 武志 亀山 正邦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.933-936, 1998-10-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
8

鉛中毒を合併したインスリン非依存型糖尿病を短期間に2例経験した. 2例とも腹痛, 強度の便秘, 不眠などの自覚症状と貧血, ポルフィリン尿症を呈し, 血中尿中鉛濃度は高値を示した. 内服中の漢方薬 (珍芹降糖) に高濃度の鉛を検出した. 同薬の鉛含量にばらつきを認め長期内服で未発症例もあることから, 鉛の混入が推定された. Dimercaprol筋注により治療し症状, 検査所見ともに改善中である.
著者
亀山 正邦
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.968-978, 1975-10-10

はじめに 共同偏視は脳血管発作の重要な徴候の一つである。大脳半球の障害においては,病巣側へ向く共同偏視が,脳幹(橋)障害においては,病巣の反対側へ向かう共同偏視が出現することは,よく知られている。また,大脳半球障害においても,それが刺激的にはたらくときには,共同偏視が病巣と反対側に向くことも,Grassert-Landouzyの法則として古くから知られている。 しかし,これらの所見については,例外がないわけではない。脳血管病巣と共同偏視との関係については,沖中・豊倉らの報告1),Fisher2)の報告などがある。多数例について,脳病変の局在と共同偏視の型およびその出現頻度,特徴などをしらべた研究は,ほとんど報告されていない。
著者
竹越 国夫 山之内 博 東儀 英夫 村上 元孝 亀山 正邦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.371-377, 1976-11-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
15

老年者の新鮮脳血管障害66例 (脳硬塞38例, 脳出血28例) 中, 41例にステロイドを使用し, 25例は対照群として, ステロイドの有効性を, 意識レベルの改善と生存を指標として検討した. 対象の年齢は, 平均76.2歳であった. 47剖検例については, 病巣部位, 病巣の大きさを確認した. ステロイドの使用方法について, 薬剤はプレドニゾロンが22例, デキサメサゾンが14例, その他5例であった. 薬剤の使用総量は, デキサメサゾン換算量で平均40.4mgであり, 一日最大使用量は, 平均10.0mgであった. ステロイドは, 発症後平均1.7日以内に使用開始し, 平均7.2日間使用した.結果は, 1) 脳硬塞において, 意識レベルの改善は, ステロイド使用群では23例中9例 (39%) にみられたのに対し, 対照群では15例中5例 (33%) にみられ, 両群間に有意の差は認められなかった. 4週生存率は, ステロイド使用群では70%であったのに対し, 対照群では80%であり, 両群間に有意の差は認められなかった. 入院時意識レベル別に検討した場合, 意識レベルの改善率と生存率において, ステロイド使用群と対照群の両群間に有意差は認められなかった.2) 脳出血において, 意識レベルの改善は, ステロイド使用群で18例中5例(27%)にみられたのに対し, 対照群では10例中1例 (10%) にみられ, 両群間に有意差は認められなかった. 4週生存率は, ステロイド使用群で56%であったのに対し, 対照群では10%であった. しかし, ステロイド使用群と対照群の間に, 意識レベルの条件が一致せず, 厳密に比較検討することはできなかった.3) ステロイドの副作用について, 消化管出血が, ステロイド使用群に3例, 対照群に1例みられ, 非ケトン性糖尿病性昏睡が, ステロイド使用群に1例みられた.
著者
山之内 博 東儀 英夫 亀山 正邦 村上 元孝 松田 保
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.207-214, 1976
被引用文献数
2

脳卒中発症前後のヘマトクリット (Hct) 値, ヘモグロビン (Hb) 値, 赤血球 (RBC) 数, 血清総蛋白 (TP) 値の変動について検討し, これらの値の変動と脳硬塞および頭蓋内出血発症との関係について考察することを目的に本研究を行なった.<br>対象は60歳以上の脳卒中例のうち, 急死あるいはこの研究の為の検査が不充分な症例を除外し, かつ剖検によって病変を確認しえた脳硬塞21例, 頭蓋内出血16例, 計37例である. Hct, Hb, RBC, TP値の測定は自動測定装置によった. 発症前値については発症4日以内 (直前値) と5日以上の値に分けて検討した.<br>結果; 1) 脳硬塞においては, Hct 値は発症前値 (37.2±3.3%) に比し, 発症日の値 (38.9±3.0%) は高かった. Hb, RBC, TP値についても同様の結果が得られた. しかし, 頭蓋内出血においては, 発症日における Hct, Hb, RBC, TP値は発症前値に比し, やや高い傾向がみられたが有意の差は認められなかった. 以上の結果より, 急激な Hct 値の上昇と脳硬塞の発症との間に何らかの関係が存在する可能性が推定された. 2) 脳硬塞では頭蓋内出血群に比し, Hct, Hb, RBC値が発症前, 発症日ともに有意の高値であった. しかし, TP値には両者で差が認められなかった. 脳硬塞発症前の Hct 値は同年代の対照群に比し有意の差が認められなかった. 3) 脳硬塞, 頭蓋内出血ともに Hct, Hb, RBC値は, 発症後数日間漸増する傾向がみられた. しかし,TP値は両者とも発症後急速に低下した.