著者
真田 信治 二階堂 整 岸江 信介 陣内 正敬 吉岡 泰夫 井上 史雄 高橋 顕志 下野 雅昭
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

日本の地域言語における現今の最大のテーマは、方言と標準語の接触、干渉にかかわる問題である。標準語の干渉のプロセスで、従来の伝統的方言(純粋方言)にはなかった新しいスピーチスタイル(ネオ方言)が各地で生まれ、そして青年層に定着しつつある。このプロジェクトでは、このネオ方言をめぐって、各地の研究者が集い、新しい観点から、西日本の主要な地点におけるその実態と動向とを詳細に調査し、データを社会言語学的な視角から総合的に分析した。1996年度には、報告書『西日本におけるネオ方言の実態に関する調査研究』を公刊し、各地の状況をそれぞれに分析、地域言語の将来を予測した。また、1996年度には、重点地点での、これまでの調査の結果をまとめた『五箇山・白川郷の言語調査報告』(真田信治編)、および『長野県木曽福島町・開田村言語調査報告 資料篇』(井上文子編)を成果報告書として公刊した。なお、この研究の一環として、九州各地域の中核都市において活発に展開している言語変化の動態を明らかにすることを目的としたパーセントグロットグラム調査の結果を、データ集の形で示し、それぞれのトピックを解説、分析した報告書『九州におけるネオ方言の実態』を1997年度に公刊した。
著者
杉村 孝夫 日高 貢一郎 二階堂 整 松田 美香
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2009-2011年度、大分県各地の言語生活の変容を探った研究の成果を踏まえ、2012-2014年度(本事業)では、福岡県3地点、大阪市東区、東京都区内、青森県津軽地域の各地で同様の会話を収録し、約60年前のNHK『全国方言資料』と比較し、方言の変容、特に共通語とは異なる方向への変容に注目して実態を解明し、要因を考察した。隣接優勢方言への変化、方言内部での自律的変化の他、臨時的バリエーションが多く観察される。これは言語変容に関する、注目すべき要素であることを改めて認識した。
著者
尾崎 喜光 朝日 祥之 野山 広 井上 文子 真田 信治 陣内 正敬 二階堂 整
出版者
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

移住先の言葉をどう感じているか等を中心的な内容とする半構造化インタビューを、関西方言と他方言とを対照する形で実施した。また、上記のインタビュー調査において、移住先の言葉として繰り返し指摘された表現や言語行動が、当該地域において現在どの程度用いられているかを数量的に把握するためのアンケート調査を実施した。特定の観点から両調査のデータを分析した結果については学会で口頭発表した。また、アンケート調査の研究成果については冊子体の報告書としてまとめた。
著者
杉村 孝夫 日高 貢一郎 二階堂 整 松田 美香
出版者
福岡教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

50年前20年前の大分県方言談話資料(1次2次とも実施したのは24地点)に加え、本研究では大分県内13地点の談話を収録した。それらは、少年層・青年層・高年層の3世代の男女1組の最大8つの場面設定の会話と自由会話からなる。50年間を通して同じ年代設定、同じ場面設定の談話を3回収録したことになる。これらの談話資料を比較し、文末助詞の抑揚と機能、辞去の場面の分析など50年間にわたる言語生活の変容を解明した。