1 0 0 0 OA 地球内部の水

著者
井上 徹
出版者
The Japan Society of High Pressure Science and Technology
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.124-133, 2000-05-20 (Released:2010-02-05)
参考文献数
63
被引用文献数
4 6

H2O is an important volatile material in the Earth, and it affects the physical properties (e. g. density, elastic velocity, viscosity, rheobgical property, diffusion, electrical conductivity and melting temperature) of the Earth's materials. Recently, it has been darified that significant amounts of H2O can be accommodated in β and γ phases of olivine, which means that the mantle transition zone has the potential of being a water reservoir in the Earth. In this paper, I review the H2O contents, lattice parameters and elastic properties of hydrous β and γ phases, the effect of H2O on the phase transformation of olivine, and the possibilities of water transportation into the mantle transition zone are discussed on the basis of these experimental data.
著者
中里 浩明 井上 徹 田中 国夫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.109-117, 1975-07-30 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

The determining effect of personality similarity upon interpersonal attraction was investigated. (1) As for extraversion, 60 Ss assigned as extraverts or introverts rated 2 standard strangers, one extraverted and the other introverted on interpersonal judgment scales. They all were attracted the extraverted stranger as a whole. (2) As for need, complementarity as well as similarity hypothesis was examined. Another 80 Ss rated 2, nurturant and succorant strangers. Similarity effect was evident on nurturance, but not explicit on succorance. And complementary effect was only slightly found. Thus, the mediating factors underlying between personality similarity and attraction are reasoned. The functioning of the affective value of infomation is such.
著者
朴美娘 井上 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.36, pp.27-33, 2000-05-10
参考文献数
12
被引用文献数
1

インターネット上でECを始め国際間の金融取引等様々なビジネスが盛んに行われつつあることによって,これらのサービスを利用するユーザを守るために法律的に定められた監視システムなどが必要になってきている.本研究では,インターネット上で多地点における多数のユーザにデータ転送サービスを行うグループ暗号通信において,鍵供託サービスを提供可能にする鍵供託スキームについて検討する.特に,大規模のグループ通信において,ネットワークリソースを効率よく利用できるIPマルチキャスト通信フラットフォームを利用した鍵供託システムの構築に関する考察を行う.ここでは,捜査機関が捜査対象のグループ通信メンバの一員になることによってリアルタイムにアクセス可能になり,グループ暗号通信のセッション鍵がダイナミックに更新しても鍵を供託できると共に,裁判所から許可された傍受期間が終わると自動的にグループから削除されることによって,無制限な盗聴を防ぐことができプライバシー保護ができるグループ暗号通信鍵供託モデルを提案する.If the Internet and other public networks, such as mobile telecommunications networks, are to be used for commerce, then in many cases privacy for confidential user information is required. Typically a certain legal agency wishing to intercept the communications of a suspected criminal can do so if granted a warrant from a judicial authority. In this paper, we discuss about a key escrow scheme for a secure commnunication group, which is satisfied with the requirements for legal interception. The idea of such a scheme is that an interception agency becomes an inner member of a suspected group, when an agency is given authorization to intercept a particular group communications. Therefore, interception agency can escrow a session key near-real-time access when a warrant is held.
著者
寺崎 英紀 井上 徹
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本課題では、マントル鉱物中のH2Oフルイド三次元分布のその場観察を目指して、中性子線を用いた高圧トモグラフィー測定技術の開発を行った。トモグラフィー測定用に新たに製作した加熱・加圧機構を小型プレス導入した。またJ-PARC中性子施設において中性子イメージングの光学系セットアップの最適化を行い、試料種類・サイズによるイメージ変化についても調べた。以上の最適化したセットアップを用いて、含水鉱物と無水鉱物試料を用いた中性子トモグラフィー測定をおこなった。以上より高温高圧下における中性子イメージングおよびトモグラフィー測定が可能となった。
著者
清家 泰 奥村 稔 三田村 緒佐武 千賀 有希子 矢島 啓 井上 徹教 中村 由行 相崎 守弘 山口 啓子 日向野 純也 山室 真澄 山室 真澄 中野 伸一
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

実験区(高濃度酸素水導入窪地)の他に、対照区(高濃度酸素水導入の影響の及ばない窪地)を設け、比較検討した。湖底直上1m層への高濃度酸素水の導入による改善効果として、明らかになった研究成果の概要を以下に示す。(1)対照区では底層水中に高濃度の硫化水素(H_2S)が観測されたのに対し、実験区ではH_2Sが消失した(H_2S+1/2O_2→H_2O+S^0↓)。(2)対照区では底層水中の溶存酸素(DO)濃度が無酸素に近い状態で推移したのに対し、実験区では窪地全域のDOが増大した。また、対照区では底層水中の酸化還元電位(ORP)が負の領域で推移したのに対し、実験区では正の領域まで上昇した。(3)湖底堆積物中のH_2S濃度を鉛直的にみると、対照区では表層部のみでH_2S濃度の減少が観られたのに対し、実験区では表層から5cm程度の深度まで濃度が激減した。また、メタンCH_4(温暖化ガス)もH_2Sの鉛直分布と同様の傾向を示した。(4)対照区に比べ実験区では、底層水中PO_4^<3->に明瞭な減少傾向が観られた。実験区の湖底泥表面に酸化膜の形成が観られたことから、湖底泥界面における共沈現象及び湖底からのPO_4^<3->の溶出抑制が示唆された。(5)対照区に比べて実験区では、底層水中の無機態窒素(NH_<4+>+NO_<2->+NO_<3->)に減少傾向が観られた。酸素導入により、湖底泥界面における窒素除去機能(硝化・脱窒)が活性化したことを示唆する。湖底堆積物の深度別脱窒活性を観ると、対照区では表層部のみ活性を示したのに対し、実験区では表層から5cm程度の深度まで顕著な活性を示した。この結果は、高濃度酸素水の供給により、脱窒部位が大きく拡大したことを意味する。(6)対照区ではベントス(底生生物)が皆無であったのに対し、実験区では、アサリやサルボウガイのような二枚貝の加入は認められなかったものの、多毛類を中心とするベントスの棲息が確認された。以上のように、松江土建(株)社製の気液溶解装置を用いるWEPシステムは、無酸素水塊への酸素供給を起点に、生物に有毒なH_2Sの消失、温室効果ガスであるCH_4の消失、栄養塩(N,P)の減少及びベントスの復活等に絶大な効果を発揮した。通常、還元的な湖底堆積物に対する自然任せの酸素供給では、その効果は、精々、湖底泥表層部の数mmまでと云われていることを考えると、本システムによる底質改善効果(泥深約0~40mm)は絶大である。このようにWEPシステムは、本研究で対象としたような比較的広範囲の窪地に対して有効であり、特に湖底の底質改善に極めて有効であると云える。今後、ランニングコストの低減が図れれば、有用性はさらに高まるものと考えられる。
著者
佐々木 仁 曽我 祥子 磯 博之 井上 徹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

色覚刺激が生体に及ぼす影響について、以下の、4つの実験を実施した。1)色の単純反応時間:色相、彩度、輝度を変化させた刺激を用いてヒトの単純反応時間を計測した。有彩色では赤と緑に対する反応時間が速い傾向が認められ、無彩色と有彩色の比較では、青を除いて有彩色の方が反応時間が有意に速かった。他方、彩度による反応時間の相違は認められなかった。また、SD法を用いて調べた色彩刺激の嗜好度は青が最も高く、黄が最も低く、反応時間との相関は認められなかった。以上より、色相は覚度、情動に影響することが示された。2)色の記憶:異なる色相の刺激を用い、ヒトで遅延見本を合わせ課題を行った。明所視下に標本刺激を中心窩に提示し、3秒の遅延後、同一色相で、明るさ、または彩度が異なる比較刺激を同時提示して標本選択の正答率を求めたところ、緑の正答率が高く、青では低かった。一方、比較刺激だけを提示した弁別は緑で低く、青で高かったことから、色相により記憶の困難さに相違があることが示された。3)閃光刺激が脳波に及ぼす影響:ポケモンTV放映によって入院した患者について3-20Hzの閃光刺激を提示し、脳波を解析したところ、特徴的な、α波成分の引き込み現象が観察された。色刺激に対する反応については、今後の課題である。4)色が驚愕性眼瞼反射に及ぼす影響:角膜への空気の吹き付けによって生ずる驚愕反射を記録した。空気の吹き付けに100ms先行させて、色相の異なる刺激を提示したところ、1)いずれの先行刺激も、驚愕反射の振幅を有意に減少させ、2)黄色に対する振幅は他に比べて小さかったことから、黄色は情動反応の抑制効果が高いことが示唆される。