著者
八尋 華那雄 井上 眞人 野沢 由美佳
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.18-32, 1993 (Released:2015-07-03)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

The purpose of this study is to divise a questionnaire for the Life-Events suitable for Japanese people. What we did as the first step was to examine the Holmes' Social Readjustment Rating Scale. We asked 205 subjects to judge these 43 items from a Japanese viewpoint and decide whether they (1) are stressors or not, (2) have appropriate LCU scores or not, (3) how they are stressful and to put valid LCU scores for them. The results are as follows. Our subjects do not regard those life events which are joyfull as stressors. We think it useful to sellect 26 items among the 43, after examined LCU scores and evaluation of how stressful they are expected to be. In the near future, as a second step, we will take the same procedure to examine those life event items which we studied in 1990. Also, we'll sellect appropriate life events to add to these 26.
著者
加藤 宏公 柳澤 博紀 奥村 英雄 井上 眞人 三田村 仰
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.249-260, 2021-09-30 (Released:2022-01-12)
参考文献数
17

本研究では、3名の慢性期統合失調症患者に対しグループ介入のアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を実施し、介入プログラムの効果を検討した。介入はプログラム4回とフォローアップ2回の全6回であり、シングルケースデザインを用いて、アウトカム指標として価値に基づく行動の生起頻度、プロセス指標としてVQ、CFQ、BEAQを測定した。結果、価値に基づく行動の生起頻度は、3名共に有意な増加(p<.05)が認められた(Tau=0.43—0.53)。プロセス指標は、目視分析において介入中は有意な傾向があり、介入後はベースラインのレベルに戻る傾向がみられ、1名のVQ(前進因子)のみが有意であった(Tau=0.69)。以上から、グループACTプログラムは統合失調症のリカバリー支援として各参加者の価値に基づく行動の促進に有効であり、介入後の行動の般化と維持には、段階的な介入方法のさらなる検討が必要である。
著者
吉益 光一 藤枝 恵 原田 小夜 井上 眞人 池田 和功 嘉数 直樹 小島 光洋 山田 全啓 窪山 泉
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.547-559, 2019-09-15 (Released:2019-10-04)
参考文献数
55

目的 精神科救急医療体制の構築と関連する法律の整備に関して,現代の日本における課題を明らかにし,解決策を探ること。方法 日本公衆衛生学会モニタリング・レポート委員会精神保健福祉分野のグループ活動として,2014年度から2017年度にかけて精神科救急および措置入院に関する情報収集を行った。各年次総会に提出した報告書を基に,必要に応じて文献を追加した。結果 地域における精神科医療資源の偏在や,歴史的な精神疾患に関する認識の問題なども絡んでいるため,全国均一的な救急医療システムの構築のためには越えなければならないハードルは高い。また,強制入院の中で最も法的な強制力が強い措置入院制度に関しては,その実際的な運用を巡って全国でも地域差が大きいために,精神保健福祉法に,より具体的な記載が盛り込まれるとともに,厚生労働省から一定のガイドラインが提示されている。とくに近年は凶悪犯罪事件との関連を巡って,社会的にも関心が高まっており,一部では措置入院の保安処分化を懸念する声が上がっている。精神疾患は今や五大疾病の一つに位置づけられているが,その性質上,生活習慣病などに比べて,疫学的エビデンスが圧倒的に不足しており,これが臨床や行政の現場での対応に足並みが揃わない主要因であると考えられる。結論 日本公衆衛生学会は,医療・福祉・行政などに携わる多職種から構成される学際的な組織である強みを活かして,多施設共同の疫学研究を主導し,措置入院解除および退院後の予後に関する,すべての関係自治体が共有しうるデータベースとしての疫学的エビデンスの構築を推進する役割を担っている。
著者
足立 はるゑ 井上 眞人 井奈波 良一 岩田 弘敏
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.79-87, 1999-07-20
被引用文献数
9 6

某公立病院看護婦の精神健康状態とストレス対処行動の問題を検討するために230名の看護婦を対象に自記式質問紙調査をおこなった. GHQ 60及びSSCQによる評価ではストレッサー及びストレス評価尺度での高得点者が多くいることがわかった. GHQでは卆後1-2年の看護婦, 婦長, 手術室及び外来勤務の看護婦の精神健康度が低い傾向を示した. SSCQでの高得点者は卆後5年未満と当院で仕事の中心的な存在となっている卆後10年以上の者に多かった. 本調査で特徴的なことはGHQ調査で精神健康度が高い者のなかにもストレス対処行動等において高得点者, つまりストレス予備群を発見できたことである. 以上より, 職場の健康管理において, 職場環境及び労働条件, 勤務配置, 卆後教育等の配慮が必要であると共に看護婦自身が自らの健康状態やストレスを自覚し, 主体的な健康行動をとることが重要であると考えられた.
著者
井奈波 良一 井上 眞人
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

1年目研修医、研修医以外の病院勤務医および病院看護師を対象に職業性ストレス、勤務状況、日常生活習慣、燃え尽き度、仕事満足度、健康支援策等に関するアンケート調査を行い、職業性ストレス、燃え尽き、過度の眠気の要因を分析し、対策を立案・実施した。さらに再度、アンケート調査を行い、対策の効果を評価した。また、病院看護師を対象にフルオーダリングシステム導入前後でアンケート調査を行い、その健康影響を評価した。